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「ないと困る…」運転免許『自主返納』の選択肢も 相次ぐ高齢ドライバーの死亡事故 自動車教習所で講習会

76歳の女が運転する車が暴走した事故(5月2日、御代田町)

長野県御代田町では、5月2日にも、スーパーの駐車場で高齢ドライバーによる死亡事故が起きました。自主返納という選択肢はあるものの、生活する上で車が手放せない人も多い県内。事故を防ぐための高齢者講習の現場を取材しました。

高齢者講習

講師:
「あとで何の絵があったか全て答えてもらうので、よく覚えてください」

長野市の自動車教習所で行われた記憶力や判断力を測定する認知機能検査。受けているのは、高齢ドライバーです。

70歳以上の人は、免許更新の際、高齢者講習の受講が義務付けられています。運転技能などを確認する実車講習や、視野などを測る適正検査に加え、75歳以上の人は認知機能検査も実施します。

ドリームモータースクール昭和・藤井大士さん:
「速度の維持、ハンドル操作、複数のものが同時にしっかり行えているか。事故につながりそうな癖とか、こちらで確認して客観的に助言することが目的」

全国で相次ぐ高齢ドライバーによる死亡事故。県内でも増えていて、2024年1年間の死者数は23人と、過去5年で最多となりました。

5月2日には、御代田町のスーパーの駐車場で、76歳の女が運転する車が暴走し、はねられた女性が死亡しました。アクセルとブレーキの踏み間違いが原因とみられています。

高齢者講習

講習では、高齢ドライバーが起こした事故の例も紹介し、注意を呼びかけました。今は免許を自主返納する選択肢もありますが、生活する上で車を手放せない高齢者が多いのが県内の実情です。

受講者(83):
「どこかへ出かけることもあるし、ないと困る。視力、動体視力が落ちてくるでしょ。だから気付くのが遅くなることもあるから『(運転を)長いことやっているからいい』というのが一番いけない」

受講者(80):
「バスがなくなっちゃった。3年前に更新したときに『81歳になってまで』と思ったけど、今、考えるとやっぱり車はいる。夕暮れ時に見えづらいなと、慣れてる道だけど危険を感じる時がある。(死亡事故の)そういうのを見るとやっぱり怖いかなと」

悲しい事故を減らすためにも、教習所は「一つ一つの動作をしっかり確認して運転してほしい」としています。

ドリームモータースクール昭和・藤井大士さん:
「一時停止しながら、左右を見てしまったりとかが多い。何かをしながら何かをするというのは年齢とともに難しくなるので、落ち着いて一つずつ操作をするのが大事」

また、県警は、事故防止対策の一環で安全運転サポート車「サポカー」への乗り換えも呼びかけています。

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