
長野県庁
長野県上田市の旅館でロタウイルスによる食中毒が発生しました。スポーツ合宿で訪れた中学生26人が発熱、頭痛、下痢などの症状を訴えました。保健所はこの施設を3日間の営業停止処分としました。
上田保健所によりますと、5月6日午後2時頃、医療機関から「5月3日から5日までに上田市の宿泊施設を利用した人が嘔吐、頭痛、発熱などの症状を呈し受診した。他にも同様の症状を呈した人がいるようだ」という旨の連絡が松本保健所にありました。
患者は5月3日から5日まで上田市菅平高原の旅館で調理、提供された食事を食べた長野県松本市と富山県の中学校3校の生徒26人で、5日午前4時頃から、発熱、頭痛、下痢などの症状を訴えました。
県環境保全研究所などが検査した結果、患者と調理従事者の便からロタウイルスが検出されました。
患者の症状や医師の診察などから、保健所はこの旅館で調理提供された食事を原因とする食中毒と断定し、5月14日から16日まで3日間の営業停止処分としました。
保健所によりますと、3校の生徒はスポーツ合宿のため、この旅館に宿泊していたということです。
患者は全員、快方に向かっているということです。
■患者へ提供されたメニュー
3日:
(夕食)ハンバーグ、鶏の唐揚げ、アジフライ、千切りキャベツ、クレソンのおひたし、卵スープ、ヨーグルト、ごはん など
4日:
(朝食)オムレツ、ロースハム、千切りキャベツ、肉団子、納豆、ふりかけ、昆布の佃煮、ごはん など
(夕食)ぎょうざ、白身魚のフライ、ローストポーク、千切りキャベツ、わらびの煮物、コンソメスープ、プリン、ごはん など
5日:
(朝食)厚焼き玉子、さばの照り焼き、のり、ふりかけ、漬物、ごはん など
■ロタウイルスによる食中毒とは (長野県の資料より)
【特徴】
ロタウイルスによる食中毒は、ロタウイルスに感染したヒトを介してウイルスに汚染された食品を食べることによって起こります。
また、このウイルスの感染力は非常に強く、食品を介さなくてもヒトからヒトへ容易に感染します。
【症状】
2~4日の潜伏期間を経た後、下痢、嘔吐、吐き気、発熱などを起こします。かぜとよく似た症状がみられる場合もあります。通常は発症してから3~8日で症状は治まります。小さなお子さんやお年寄りは脱水症状を起こす可能性がありますので、おかしいなと思ったら早めに医療機関を受診してください。
【予防方法】
・外から帰った時、トイレの後、調理の前、食事の前には、石けんで手を十分に洗いましょう。
・トイレに入る際は、衣服を汚さないように上着を脱ぐか、袖口をまくりましょう。
・加熱して調理する料理は、中心部まで十分に加熱しましょう。
・まな板、包丁、ふきんなどはよく洗い、熱湯や塩素系漂白剤で殺菌して使いましょう。
・下痢、嘔吐、腹痛、発熱などの症状がある時は、調理に従事しないようにしましょう。
・患者の嘔吐物などを処理する時は、マスクを着用し、使い捨ての手袋を使って片付けた後、塩素剤で消毒を行い、汚染が広がらないよう十分に注意しましょう。
・発症者の便には多量のウイルスが含まれますが、症状が治まった後もしばらくの間はウイルスが排出されますので注意しましょう。