
阿部知事の資金管理団体「信立会」の収支報告書
長野県の阿部守一知事の資金管理団体が、2022年の知事選挙の期間中に県建設業協会長野支部に所属する企業の役員26人から同じ日に一斉に献金を受けていたのは、法律で禁じられている「団体献金」の疑いがあるとの一部報道がありました。阿部知事は5月9日の会見で、「あくまで個人からの寄付で、違法なものではない」との認識を示しました。

阿部知事の資金管理団体「信立会」の収支報告書
2022年の阿部知事の資金管理団体「信立会」の政治資金収支報告書。知事選挙期間中だった7月25日に、26人がそれぞれ1万円から4万円を献金しています。総額33万円。26人はいずれも県建設業協会長野支部に所属する建設会社の役員です。
この一斉献金について、先日、「事実上の『団体献金』にあたる」と指摘する一部報道がありました。
政治資金規正法では、資金管理団体が企業・団体から献金を受けることを禁じています。

長野県・阿部守一知事
阿部知事は9日の記者会見で、「あくまでも個人からの献金」との認識を示しました。
阿部知事:
「すべての方から個人としての寄付申込書を頂戴しておりますし、寄付控除の書類も(個人名で)発行している。個人からの寄付で、違法なものではないと考えている。一定のみなさんの個人の寄付をまとめてお持ちいただいて、それを信立会が受領して入金処理した。だから日付が同じ。脱法的なことをやろうとすれば、絶対に日付を合わせるようなことはしないですよね。私も不思議だなと思って、確認させていただいた」
ただ、収支報告書の住所欄に、個人ではなく企業の住所を記載する誤りが43件あったとして陳謝しました。
阿部知事:
「政治資金の透明性・正確性を確保することは重要。収支報告書の記載に誤りがあったことをおわびさせていただく」
今後、修正して速やかに提出するとしています。
一斉献金について、県建設業協会長野支部はNBSの取材に対し、「担当者が不在で答えられない」としています。
また、県建設業協会は、各支部に信立会が寄付を受け付けていると案内したことは認めましたが、「あくまで献金は個人の意思に基づいて個人で行ったもの」としました。
政治学が専門の高崎経済大学の増田正教授は、「今回の一斉献金は事実上の団体献金と捉えられてもおかしくない。支部や協会の組織的な関与の度合や、知事側の要請があったかもポイントで、悪質であれば捜査対象になることもありうる」としています。
阿部知事は、今後は一層、政治資金の透明性の確保に取り組むとしました。
阿部知事:
「政治資金の適正さと活動の公正さについて県民の皆さまから疑念を持たれることがないよう、私を支えていただいている方との関係性、政治団体のあり方を襟を正して改善していきたい」