
現地を調査 信州大学(地質学が専門)大塚勉特任教授
4月18日夜、長野県北部で最大震度5弱を観測する地震があり、石積みが崩れるなどの被害があったほか、交通機関にも影響が出ました。気象庁は発生から1週間くらいは同じ程度の地震に注意するよう呼びかけています。今回の地震は、どういう特徴があるのでしょうか。被害があった地区を現地調査した信州大学の大塚勉特任教授は、「活断層との関連は不明」とした上で、地震への警戒を続けることが大事だと話しています。
アスファルトに入った1本の亀裂。4月18日の地震によるものです。
大塚教授:
「4センチくらい開いています」
地質学が専門の信州大学の大塚勉特任教授です。20日、震源に近い大町市八坂などを回り、被害状況を調査しました。
信州大学(地質学が専門)・大塚勉特任教授:
「(調査は)どういうところで被害が出ているかということで、盛り土がしてあり、石垣でおさえてある、そういうところは、他の場所より崩れやすい」
続いて訪れたのは直線で10キロほど離れた安曇野市明科です。こちらでも、住宅の屋根瓦が落ちるなどの被害が少なくとも10軒で確認されました。
地元住民:
「能登半島地震より20時19分のは(揺れが)強かったなと思っている。ベッドで寝ているが、背中からドンと突き上げるような衝撃が」
周辺では墓石がずれる被害も。ただ、一帯は比較的地盤が強い場所のため、なぜ被害が出たかは、よくわからないと言います。
大塚教授:
「この上の集落だけがやられているとしたら、この扇状地をつくる堆積物が影響した可能性がある」
今回の地震の震源は県内を縦断する活断層帯「糸魚川静岡構造線」から数キロほどの場所に集中しています。
ただ、大塚特任教授は、「今回の地震が活断層と関係しているかは不明」としています。
大塚教授:
「糸魚川静岡構造線の真下でもありませんし、既存の断層(小谷中山断層)の真下ですが、それが動いたというわけでもなさそうです。予想される断層の形を反映していないようにも思います。単純に断層と結論付けるわけにはいかないということです」
大塚特任教授は、今回の震源域での地震は「収束していく」とみていますが、地震への警戒を続けることが大事だと話します。
信州大学(地質学が専門)・大塚勉特任教授:
「長野県の中北部から、新潟県、北陸地方にかけて地震が起こりやすい傾向が続いている。大きな地震を起こす活断層から離れていたとしても」被害が大きくなる可能性があるので、基本的にどこで起きてもいいように準備しておく必要があるかと思う」