
元支援員・伊東麗奈さん
長野県辰野町の学童クラブに勤務していた性的マイノリティ・LGBTの支援員に町の教育委員会の職員が性的指向に関する発言を制限するハラスメント的行為をしていたことが分かりました。教育長などが16日会見を開き陳謝しました。
辰野町教育委員会・宮沢和徳教育長:
「自分の生き方まで否定されてしまったと捉えられたことは大変残念。深くおわび申し上げます」
16日会見を開き陳謝した辰野町教育委員会。陳謝の相手はLGBTを公表し、学童クラブの支援員を務めていた伊東麗奈さんです。
元支援員・伊東麗奈さん:
「自分がそういう環境にいることより、自分と同じ思いを子どもたちがすることの方がつらい」
伊東さんはLGBTと明かした上で支援員に採用され、2024年5月から学童クラブに勤めていました。
顧問弁護士の調査などによりますと、勤務中にLGBTの当事者らしき子どもの相談に対して「ありのままの誰かを好きになることは何も悪くないよ」と答えたところ、教育委員会の職員から「勤務時間外にやってくれ」と言われたということです。
また「子どもたちの前でLGBTの話はするな」「子どもにLGBTはない」などと怒られる機会もあったということです。
伊東さんは苦痛を受けたことを理由に12月、退職し、「ハラスメントに当たる」と訴えていました。
顧問弁護士も「心配りに欠けた不適切な対応」とし、「ハラスメント的行為」と認定しました。
町は2022年以降、LGBT教育や職員などへの指導・研修を定期的に実施していたということです。
辰野町教育委員会・宮沢和徳教育長:
「当事者の心情に寄り添えることができる、そこまで理解する研修をしていかなければならない」
会見を聞いていた伊東さんはー
会見を聞いていた・伊東麗奈さん:
「(子どもたちが)伊東さん伊東さんって言ってくれる、その声を信じて。つらい思いをしながら出勤していたことは忘れないでほしいです。(理解はあったと言うが)理解してないからこういうことが起こったんですよね。認めるところから反省や改善が始まると思います」
町は今後、研修のあり方を検討し実施したいとしています。