
バス運転の体験会
アルピコ交通と長電バスは長野市街地と中山間地を結ぶ6つのバス路線を2025年9月末で廃止する方針を示しています。その一因が運転手不足です。高齢化で退職者が増えていることや、新たな希望者が少ないのが理由です。そうした中、運転手の確保につなげようと、バス運転の体験会を開くなど、取り組みが進められています。
雪道をまっすぐ走る全長12メートルの大型バス。
指導員:
「ハンドルだけしっかり握っていただいて」
ハンドルを握るのは運転の仕事に興味がある求職者です。3月16日に塩尻市の中南信運転免許センターで開かれた「運転体験会」。国の人材確保対策事業の一環で、ハローワークが主催しました。
ハローワーク松本・池上仁所長:
「バスの運転手の不足というのが地域住民にも大きな影響を与えている。公共交通機関の担い手である運転手の確保が急務になっている」
ここ数年、県内でも相次ぐ高速バスや路線バスの減便・廃止。利用者の減少もありますが、運転手不足も大きく影響しています。
バスの運行会社によりますと、高齢化で退職者が増える一方、休みが不規則で勤務の拘束時間も長いことなどから、募集をしても希望者が少ない状況だということです。
アルピコ交通 人事部・高木充さん:
「責任重大だと思っています。一人でも多くの方(運転手)を増やすことによって、病院に行きたいご高齢の方ですとか、足を大切に守っていきたい」
体験会には、定員いっぱいの15人が参加し、免許センターのコース内で実際のバスの車両を運転しました。
参加者:
「運転が好きなので、楽しそうな仕事だと思うが責任も重大ですね」
「久しぶりに運転して楽しいですね。人手不足に少しでも貢献できればと思いバス(運転手)も就職として視野には入れてます」
体験会では、運行会社が就職に関する個別相談にも応じ、仕事のやりがいなどをアピールしていました。
アルピコ交通 人事部・高木充さん:
「人の命を預かって目的地まで運ぶ使命感・誇りをもって仕事に取り組む姿勢がかっこいいと思っています。興味があるというところから、実際にやれるかなということを感じていただければ」
ハローワークでは、今後も体験会を開くなどして、運転手の確保につなげていきたいとしています。