
路線バス(長野市)
長野市街地と中山間地を結ぶ6路線の廃止方針を巡っては、通学で利用する高校生などから困惑の声が上がっています。県は3月24日、事業者の負担軽減などのための支援策を示しました。
長野市信州新町の篠ノ井高校犀峡校。24日朝、学校前に到着した路線バスから続々と生徒が降りてきました。
犀峡校では、ほとんどの生徒が長野駅と篠ノ井駅を発着する2路線で通学していると言います。
バスで通学する生徒:
「学校に行くのが絶対バスが必要なので。親が送るのも時間がかかるし」
しかし、3月12日、長野市の公共交通に関する会議で、信州新町の2路線を含む長野市街地と中山間地を結ぶ6つの路線を2025年9月末で廃止する方針が示されました。
バス事業者側は利用者が減少していることや、運転手不足などが要因としています。
廃止となると、生徒たちは「通学の足」を失うことになります。
バスで通学する生徒:
「影響は結構大きいですね。廃止にはなってほしくないと思ってます」
「急に(廃止と)言われても、今まで使ってきたから、ここまで来るのにどうしたらいいのか」
生徒会長:
「1日、行きと帰りのバスを1本だけでいいので出してもらったりとか(対応してほしい)」
地域に困惑が広がる中、県は24日、路線バスへの支援策を示しました。
長野県・阿部守一知事:
「どうしても県民の暮らしを維持するためには、維持していただかなければならない路線もある。移動保証を行っていかなければいけない」
事業者の負担を軽減しようと支援額を引き上げます。対象は各圏域の中心市町と周辺市町村をつなぐ広域的な路線で、支援単価を現在の45パーセントから50パーセントに引き上げ、走行距離に応じた額を補助します。
また、県がバス車両を購入して事業者に貸与する制度でも県の負担額を引き上げます。
会議では6路線の廃止方針についても話が及びました。
アルピコ交通・小林史成社長:
「今回の5路線について、ここの協議の場に乗せるのはどうかなと」
長電バス・鈴木立彦社長:
「(牟礼線は)今の利用実態、一桁です。バスで利用する人数かどうか判断してほしい」
一方、知事はー。
長野県・阿部守一知事:
「皆さんに代替措置を必ず講じろと言っているわけではなくて、行政も含めて方向をしっかり出さなければ公共交通に補助金は出せません。これはしっかりと受け止めてほしい」
6路線については、運行事業者と市などが代替手段の検討も進めています。