
(左)村田俊樹容疑者 (右)村田浩幸容疑者
総合建設業ヤマウラの子会社で発覚した巨額不正支出事件の裁判。業務上横領の罪に問われている元社員の男に対し、裁判所は懲役10年の実刑判決を言い渡しました。
業務上横領の罪に問われているのは総合建設業ヤマウラの元社員・村田浩幸被告64歳です。
起訴状などによりますと、長男で会社役員の俊樹被告(36)と共謀し、2020年から2023年までの間に、浩幸被告が経理を担当していたヤマウラの子会社の口座から合わせて9億490万円余りを引き出し、俊樹被告の会社の口座などに不正に送金したとされています。
これまでの裁判で検察側は、金に困っていた俊樹被告に依頼され、不正に送金したと指摘しました。
浩幸被告は、当初起訴内容を認めたものの、被告人質問では「送金は『融資』だった」などと否認する内容の主張をしていました。
13日の判決公判で地裁伊那支部の五味亮一裁判官は、「巧妙に犯行の発覚を免れていて、長男に主導されながらも、重要な役割を果たしている」とし、不合理な弁解をしたことや、反省・謝罪の態度を示していないことを踏まえ、懲役10年の実刑判決を言い渡しました。
さらに、「会社の被害と社会への影響をよく考えてください」と説諭し、浩幸被告は静かに聞いていました。
弁護側は、控訴するか今後、検討するとしています。
この事件では、俊樹被告も業務上横領の罪に問われ、2月、懲役7年の実刑判決を言い渡されました。