飯山高校(長野県飯山市)の女子生徒3人の「二酸化炭素を吸収する小さなボール」に関する研究が、台湾で開かれた高校生対象の科学の世界大会で、生化学部門の1位に輝きました。生徒たちは「環境問題の解決に貢献できたら」などとしています。

「台湾国際科学フェア」参加時の3人(提供・飯山高校)
台湾で開かれた科学研究の世界大会「台湾国際科学フェア」(1月19~25日)。世界30の国や地域から高校生が参加し、化学、数学、天文学など13の部門で自分たちの研究成果を発表しました。
「生化学部門」で1位に輝いたのは…
「フロムジャパン、オオツカユア、タカトウヒナカ、フジサワヨシミ」
飯山高校自然科学部の2年生の女子生徒3人(大塚結愛さん、高藤陽菜果さん、藤沢佳美さん)です。
地球温暖化対策につながる「研究」が高く評価されました。
■光合成に着目 二酸化炭素を吸収するボール

「ミドリ・バイオ・リアクター(MBR)」
飯山高校 自然科学部・高藤陽菜果さん:
「ぷにぷにしてます」
3人が研究したのは透明な直径4~5ミリの小さなボール。その名も「ミドリ・バイオ・リアクター(MBR)」です。
中にはミドリムシなどの緑藻類が入っていて、光合成により二酸化炭素を吸収して酸素を生み出す効果があります。
飯山高校 自然科学部・大塚結愛さん:
「光合成をするボールにすることで、外部との酸素と二酸化炭素の循環が可能で、二酸化炭素を減少できる」
■「化学の甲子園」2位、世界大会へ出場

光合成を利用して二酸化炭素を吸収
地球温暖化対策について考える中でこの方法を思いついたそうで、1リットルのボールを一日、光合成させると、1.5リットルの二酸化炭素を吸収するということです。
この研究成果で2024年10月、「化学の甲子園」ともいわれる「高校化学グランドコンテスト」に応募すると、全国102チームの中から2位にあたる「化学未来賞」を受賞。日本代表として、台湾の世界大会への出場も決めていました。

研究成果を発表する3人(去年11月)
そして世界大会でも11組が出場した生化学部門で1位に。一般の人にも興味を持ってもらいやすいテーマだったこと、研究内容を紹介するポスターがわかりやすくまとめていたことなどが評価されたとみられています。
飯山高校 自然科学部・高藤陽菜果さん:
「まさか世界大会で1位をとれると思っていなかったので、びっくり」
飯山高校 自然科学部・大塚結愛さん:
「酵母との培養によってMBRの色が濃くなってMBR内の緑藻類、ミドリムシの増殖が促進された発見は大きいと思う」
■実用化に向けて研究へ 「すごさを世界に広めたい」

「1位」を喜ぶ3人(31日・飯山高校)
3人は今回の受賞を励みに、今後、「ミドリバイオリアクター」の実用化についても研究を進めたいとしています。
飯山高校 自然科学部・藤沢佳美さん:
「このMBRのすごさを世界中に広めたいです」
飯山高校 自然科学部・大塚結愛さん:
「将来的にMBRが地球温暖化や環境問題に貢献できるようになれば」