長野県伊那市の高遠高校は企業広告をラッピングしたスクールバスの運行を始めました。生徒の減少、燃料費や人件費の高騰で運行業者は厳しい経営が続く中、存続に向けた取り組みです。
伊那市の高遠高校。下校時間、生徒たちが次々とスクールバスに乗り込みます。
高遠高校は山あいにあり駅からも遠いためスクールバスを運行。全校生徒の3割、約60人が利用しています。
年間の利用料はおよそ25万円から35万円です。
市内から(高2):
「(バスで)15分くらい。(通学には欠かせない?)冬場とか自転車では行けないので」
スクールバスをよく見ると、後ろや横に企業の名前が。10月から企業広告をラッピングして走らせています。
こまくさ観光(スクールバス運行)・岩本光市代表:
「高遠スクールバスの存続、将来に向けての前段階で、皆さんにお願いしてみんなでスクールバス継続、支えていければなということで始めました」
スクールバスは駒ケ根市の「こまくさ観光」が2011年から運行しています。
しかし、生徒の減少に伴い利用者は運行開始時から約半分に。さらに燃料費や人件費の高騰で、生徒の利用料だけでは運行が厳しく、存続が危ぶまれる状況となっていました。
そこで、こまくさ観光と高校は「応援スポンサー」を募集。地元のパン工場や自動車販売会社、社会福祉施設など5つの企業がスポンサーとなりバスに広告を出すことになりました。広告費は年間18万円からで運行費用に充てられます。
こうした取り組みは公立高校では県内初だということです。
生徒:
「長野県高遠高校スクールバスへのご支援心から感謝申し上げます」
10月28日には生徒からスポンサー企業に感謝を伝える会も開かれました。
特別養護老人ホームオアシス高遠・飯島進 施設長:
「微力ではありますけれども、これからもできる限りのご協力をしていきたいと思っています」
利用する生徒たちはー
駒ヶ根市から(高1):
「車となると、親も大変だと思うので、このバスの存在は本当はありがたい」
「街の人たちも見るので、『ここの会社か』みたいな、知らなくても、こういう会社があると分かり、すごくいいんじゃないかなと」
運行している2台のうち中型バスの広告にはまだ空きがあり、随時、募集しています。
こまくさ観光(スクールバス運行)・岩本光市 代表:
「ご協力いただけるスポンサーさん、サポーターさんになっていただけるのであれば、ぜひ一緒になって、高遠高校に通学する生徒さんの足を守っていければなと思います」