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恩返しは「愛される酒造り」 “水尾”が看板銘柄 5年前の台風で被災した酒蔵が東京都内の取引先を招き見学会

水尾

2019年の台風19号災害から、まもなく5年になります。被災した長野県飯山市の酒蔵は災害からの復興を伝えたいと、10月4日、関係者を招き見学会を開きました。

明治6(1873)年創業の飯山市・田中屋酒造店。「水尾」が看板銘柄で2023年、150周年を迎えました。

4日はその記念に都内の販売業者などを招き、酒蔵の見学会を開きました。

田中屋酒造店・田中隆太社長:
「良いときと悪いときが150年の中にあって、うちのお酒に対する皆さんの思いが根強いということもよく分かって」

5年前の2019年10月に起きた台風19号災害。飯山市では千曲川の支流「皿川」の堤防が決壊し、600棟以上に被害が出ました。

田中屋酒造店も蔵が約70cm浸水し、機材の7割が故障。生産はストップしました。

田中隆太社長(当時):
「水害は怖い。回復させるのに非常に時間がかかる、そこが大変」

復興の助けになったのが「水尾ファン」。全国からボランティアとして駆け付け、片づけを手伝ってくれたのです。生産設備は1カ月足らずで復旧しました。

そして、年が明けた2月には通常通りの出荷ができるようになりました。

田中隆太社長:
「人のつながりが会社の財産であるし、復興していくときのエネルギーなんだなと。そういったものに励まされて続けているわけですからね」

4日―。

田中隆太社長:
「水害の時、ここが水に漬かっちゃった。(水が)上から入ることがなかったのでなんとか、丁寧に片づけた」

台風19号災害からまもなく5年。酒造りは被災前の規模に戻り、まもなく新酒の仕込みも始まります。

一般客向けの見学ツアーは2023年から行っていますが、今回は都内の取引先など関係者にも復興の状況や歩みを見てもらいたいと企画しました。

最後に試飲もー

神奈川から:
「とてもおいしく、飯山の風土を感じられました」

都内から:
「被災前も知っているので元に戻ったというのは良かったなと」

田中社長は復興の支えになったファンや取引先への恩返しは「愛される酒造り」を今後も続けていくことだと話します。

田中屋酒造店・田中隆太社長:
「うちにできるお返しは酒を愛していただいている方に、もっと愛していただける誇りに思える酒にして、まだまだずっとお返ししていかないといけない」


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