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世界で活躍の美術家・田窪恭治さんが信濃町の寺に壁画 薄墨で描く“妙高・黒姫・戸隠図”「北信濃の風景を何百年も息づかせていきたい」

「妙高・黒姫・戸隠図」

長野県信濃町の寺の本堂に描かれた壁画。周辺の山々が薄墨で描かれています。描いたのは世界を股にかけて活躍する美術家の田窪恭治さんで、「北信濃の風景を何百年も息づかせていきたい」と話しています。

信濃町の行善寺。週末、ある「絵」がお披露目されました。

行善寺・白鳥勲住職:
「向かって右には妙高の裾野が広がり、ふるさとの風景となっています」

本堂の壁に薄墨で黒姫山など地域の風景が描かれています。

描いたのは美術家の田窪恭治さん。田窪さんはフランス・ノルマンディーの礼拝堂にリンゴの壁画を描き再生させたことで、フランス政府から勲章を贈られるなど世界を股にかけて活躍しています。9月10日から本格的に制作を始めました。

和紙を張ったキャンバスに薄墨で描きます。

田窪恭治さん:
「静かな中でも生命感あふれるというか、本堂の中に表したいなと」

田窪さんと信州の縁は深く、2015年には飯綱町の牟礼駅の待合室に地元の依頼を受け、「リンゴの壁画」を制作。その後、地域活性化のためラッピング列車も走りました。駅には現在、レプリカが飾られていて、利用客を楽しませています。

今回の制作は「寺に壁画を描きたい」という田窪さんの申し出を寺の白鳥住職が快諾。3月に周辺をめぐり構図を決めました。

田窪恭治さん:
「妙高・黒姫・戸隠とか、すごくきれいに見えたんですね。すごく静かで静ひつな風景は何か上品で、そういうところの絵に挑戦してみたいなと」

行善寺・白鳥勲住職:
「“ふるさとの風景”ということで、こちらにいらっしゃる方の心の癒やしとなれば」

大規模な水墨画は初めてだということですが釣り竿の先につけた筆で輪郭を描いたら、山並みは箒を使って迫力やその雄大さを表現していきます。

「妙高・黒姫・戸隠図」と名付けた絵は全長20メートルのうち、約6メートルが完成。中心に据えたのは信濃町のシンボルともいえる黒姫山です。

両脇には妙高山と戸隠山ー。

今後、さらに数回に分けて制作が行われ、年内には全体が完成する予定で、飯縄山や寺周辺の景色を描くということです。

田窪恭治さん:
「この北信濃の風景を何百年も何千年も、こちらに息づかせていければ。もう一度、帰りに山を見て、季節ごとに比較してもらえればいいかなと」

本堂の壁画は午前6時から午後5時まで一般公開しています。

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