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復興願い“能登の酒”信州で仕込む 被災の輪島市の酒蔵から酒米とレシピ 4月に完成予定

酒蔵の復興支援です。長野県木祖村の酒蔵が石川県輪島市で被災した酒蔵から酒米とレシピを預かり醸造の代行を始めました。4月にも出来上がる予定で、石川や県内で販売する予定です。

酒米が蒸しあがりました。ここは木祖村の湯川酒造店。この酒米は石川県から運ばれた特別なものです。

湯川酒造店 杜氏・湯川慎一さん:
「酒造りが普通にできることを、僕らはすごく幸せなんだなと」

19日の仕込みは、能登半島地震で被災した輪島市の白藤酒造店の代行。酒米を預かり、人気銘柄「奥能登の白菊」を醸造するのです。

白藤酒造店は地震で店舗や住居が倒壊。酒造りの蔵は無事でしたが、タンクや機械が使えなくなりました。

断水も続き今年の酒造りは断念せざるを得ない状況となりました。

15年ほど前から付き合いがあった湯川社長は、1月末、蔵の整備などに使ってもらおうと水を届けました。

その際、酒米を預かり酒造りを代行したいと提案。白藤酒造店も申し出を受け入れました。

湯川酒造店・湯川尚子社長:
「まずは(別の場所で)お酒が造れるということが、前向きになれる一つのことなのではないかと、勝手ですけど想像しましたので、そういう一助になれば」

19日は醪作りの第一段階、「初添え仕込み」。麹や水の入ったタンクに酒米を投入。今後、三段階で仕込みます。

酒造りの配合や方法は白藤酒造のレシピに従いますが、水や環境は大きく変わります。海に近い輪島市に対し湯川酒造店は、内陸にあり全国トップ3に入るほどの標高の高さです。

湯川酒造店 杜氏・湯川慎一さん:
「すごく環境は違います。だから興味深いのは環境の違いがそのままお酒に現れてくるんだろうと思ってますので、作り手、技術者として楽しみであるのは間違いないです」

仕上がりが楽しみという杜氏の慎一さん。2023年、世界的なワインコンクールのSAKE部門で最高賞の「チャンピオン」に輝いた酒の造り手です。

そんな慎一さんも…

湯川酒造店 杜氏・湯川慎一さん:
「失敗できないので笑。失敗したらシャレにならない。緊張感ありますね」

湯川酒造店・湯川尚子社長:
「白藤さんご夫妻の非常にやわらかい人柄がお酒に表現されているんです。私たちの蔵で心穏やかに醸すことで近いものが醸せればと」

順調にいけば4月上旬に出来上がる信州で仕込んだ「能登の酒」。石川県や県内で販売し、売り上げは白藤酒造店に入ります。

※現在も復旧作業が続いているため酒について「白藤酒造店」への問い合わせは控えるよう呼びかけています

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