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冬でも起きる…白馬村土砂災害「雪解けと雨」「崩れやすい地質」2つの条件重なったか 専門家に聞いた

12月16日、長野県白馬村で起きた土砂災害です。村は18日、避難指示の区域を発災当日のおよそ半分に縮小しましたが、依然として応急復旧工事や避難指示解除のめどは立っていません。大きな被害が出た今回の災害。専門家は気温の上昇による雪解けと雨で大量の水が供給されたことと、現場の地質が原因とみています。

少なくとも16棟に被害が出た今回の土砂災害。地質学が専門の信州大学の大塚勉名誉教授は、「2つの条件」が重なったとみています。

1つ目が気象条件です。

信州大学・大塚勉名誉教授:
「降雪がある中で高温になった。その後60ミリを超える雨が降った。山の中にはたくさん水が蓄えられている状況がつくられた」

16日の白馬の最高気温は15.9度と平年を11.7度も上回り地下に雪解け水が溜まったとみられます。

さらに午前6時までの24時間雨量は64.5ミリを観測し、大量の水が流れ出たとみられます。

もう一つが「地質条件」です。

信州大学・大塚勉名誉教授:
「今回の災害は、ここで起こりました。紫色が『蛇紋岩』ができて急斜面を持ったところ、赤い線が引かれています。これが、活断層がつくる地形なんですね」

現場付近は、割れ目の多い蛇紋岩で、急な斜面になっています。

こちらは現場付近のハザードマップです。被害のあったみそら野地区の山側は急傾斜地崩壊の「特別警戒区域」や土石流の「警戒区域」に指定されています。

信州大学・大塚勉名誉教授:
「崩れやすい条件が地質的には出来上がっている。それが沢の中に蓄えられていて、水を含んで土砂災害につながったと考えています」

1996年12月に14人が犠牲となった小谷村の蒲原沢土石流災害も今回と似た条件で起きていて、大塚教授は冬でも雪解け水と雨による災害は起こりうると話します。

信州大学・大塚勉名誉教授:
「日頃住んでいる場所がどういった場所であるか、(ハザードマップなど)情報をもとにあらかじめ知っておくことが重要」

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