
「長野空襲」での体験を紙芝居に
「終戦の日」の15日、長野市で「戦争体験を聞く集い」が開かれました。80代の女性3人が過酷な体験と平和への思いを語りました。

碓井智以子さん(右)の体験を紙芝居に
碓井智以子さん:
「空襲が始まり(長野市で)47人が亡くなりました」
78年前、現在の小学1年生だった碓井智以子さん(84)。終戦の2日前に体験した「長野空襲」を紙芝居にしました。

当時は「月が爆弾のように見えていた」という…
碓井智以子さん:
「チィちゃんの家も上千歳町から安茂里の裾花川の土手に逃げました。病気で動けないじいちゃんを布団を敷いたリヤカーに乗せ、かまどや鍋、釜、米、まきが積まれました。その夜、オレンジ色に輝く月の光を大人たちは焼夷(しょうい)弾だと思ったらしい。母さんが『あれが真上に来ると爆発して落ちてくる』とみんな、月が爆弾のように見えていた」

「玉音放送と戦争体験を聞く集い」
コロナ禍での中断を経て、4年ぶりに開かれた「玉音放送と戦争体験を聞く集い」。およそ60人が戦時中の体験に耳を傾けました。

岡田雅子さん
旧満州・現在の中国東北部で生まれた岡田雅子さん(85)。戦時中は8歳で、過酷な逃避行を体験しました。
岡田雅子さん:
「おいはぎにあったり、地獄を逃げまわるような生活になっていく。私の父がソ連兵にさらわれていっちゃった。父との再会は5年後でした」

丸山みよ子さん
2歳で満州で終戦を迎え、父親をシベリア抑留で失った丸山みよ子さん(80)は、改めて平和の大切さを訴えました。
丸山みよ子さん:
「戦争が始まったら歯止めがきかない。『核』のおそれもあります。二男一女に恵まれ孫が5人います。この子らの未来のためにも戦争のない世界をと切に祈る」

「玉音放送と戦争体験を聞く集い」
体験を聞いた人:
「平和というものがこれからも続いてほしいと強く思う」
「みんなが幸せに暮らせるようになればいいなと」

「長野空襲」での体験を紙芝居に
戦争を体験した世代が年々減る中、主催者はできる限り集いを続けていきたいとしています。