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春は大忙し!子どもたち支えるスポーツ用品店 創業66年「スター商会」名物おばちゃん健在

特集は子どもたちを支えるスポーツ用品店。長野市で70年近く営業する「長野スター商会」。春は部活の準備などで子どもたちの来店が特に増える季節だ。昔と変わらぬ営業と店の「名物おばちゃん」を取材した。

善光寺の門前、長野市西町にある「長野スター商会」。野球を中心に、さまざまなスポーツ用品を取りそろえている。

長野スター商会・4代目・北原大巳さん(47):
「スパイクの履き方って言ったっけ?動かしてみてどう?サイズ的には24.5センチが一番いいと思うけど」

スパイクを購入 中学1年・川添結翔さん(12):
「歩きやすい」
「グローブとかもここで買った」

父親:
「高校の時から現役の時にもお世話になったので、息子も」

営んでいるのは4代目の北原大巳さん47歳とー。

長野スター商会・北原知子さん(81):
「自分で持っていくの?お嬢、大丈夫?持てるかな、はい!」

「パワフルな接客」で名物的存在となっている「会計担当」の母・知子さん81歳。

長野スター商会・北原知子さん(81):
「品物を買ってもらった時のうれしさなんてただものじゃないですよ。買ってもらうことが、どんなにうれしいかってこと。お茶だけ飲み来てくれる方もいるけど、来てくださる方には感謝だけです。あと何もない」

昔ながらのスポーツ用品店。温かな接客は70年近く変わっていない。

店の創業者は大巳さんの祖父・瀧沢巌さん。昭和32年に立ち上げ、その後、上田と更埴にグループ店を出した。

巌さんは長野商業高校の野球部時代に甲子園出場を果たした元球児。野球用品に力を入れ地域の少年たちを支えてきた。

店名には「長野からスター選手が出てほしい」という願いが込められている。

2代目、3代目へと店が引き継がれる中、巌さんの願いはやがて現実のものにー。

店にはプロ野球の東北楽天で活躍した聖澤諒選手のバッティンググローブや、店でグローブを買っていた長野商業高校出身でオリックスの元エース・金子千尋投手からの記念品が飾られている。

長野スター商会・4代目・北原大巳さん:
「プロに行く選手の応援ができていることが、一つでもあれば本当にうれしいなと。(プロになって)『おっちゃん遊びに来たよ』と言ってもらえる時代がくれば幸せ」

この時期は部活の準備などで野球少年たちの来店が増える。

8年前、サラリーマンを辞め、3代目の両親の跡を継いだ大巳さんも元球児。経験に基づいてアドバイスをしている。

長野スター商会・4代目・北原大巳さん:
「これちょっとはめてみて、伸びるから意外といい」

野球部・高校1年・伊藤翔馬さん(15)。
「ちょうどいいくらい」

長野スター商会・4代目・北原大巳さん:
「これが一番耐久性が良くて非常に使いやすい、おすすめはこれ」

野球部に入ったばかりの高校1年・伊藤翔馬さん(15)。グローブに続き、この日はバッティンググローブなどを買った。

野球部・高校1年・伊藤翔馬さん(15)。
「店の方の雰囲気もすごく良くて物もとても良いので(小学校から)基本的には野球用品をここで買わせてもらってます。レギュラー争いとかも激しくなってくると思うけど、しっかりレギュラーとって甲子園目指してやっていきたい」

野球部・高校2年・坂口拳士さん(16):
「これ結構しっくりきます」

長野スター商会・4代目・北原大巳さん:
「その感覚が好きだったらありかも」

こちらも野球部員の高校2年・坂口拳士さん(16)。グローブのオーダーメイドを検討中だ。

野球部・高校2年・坂口拳士さん(16):
「今のグローブが小さくなりそうなので、新しいやつが欲しいなと。(長野スター商会は)自分の好みとか、しっかりわかってくれる」

父親の拓郎さん(41)も中学・高校と店で野球用品を購入。親子2代で利用している。

坂口さんの父・拓郎さん:
「いい道具がいっぱいそろっているので、野球やる人ならここに来とけばまちがいない」

長野スター商会・4代目・北原大巳さん:
「(大事なのは)子どもに寄り添えているかどうか。積極的に商品と触れていただいて決めていただくのが一番大切かな」

店は学校指定の運動着や上履きも扱っていて、春は多くの親子連れが訪れる。

長野スター商会・北原知子さん(81):
「(サイズは)でっかい方がいいよね、これからまだ着なきゃいけないから」

担当は、店の名物的存在となっている大巳さんの母・知子さん。

長野市内から(40代女性):
「お元気そうでよかった」

長野スター商会・北原知子さん(81):
「空元気でございます、本当に。修学旅行、気を付けて行ってきてね、ありがとうございました」

長野市内から(40代女性):
「きょうもおばちゃんに会いに行こうかと来たので1年ぶりくらい。お母さんの声聞いて、励ましてもらえると元気いただけます」

高校を出て以来、60年以上に渡って店に立ち続ける知子さん。夫は引退したが今も現役だ。

長野スター商会・北原知子さん(会計時):
「あんちゃん、いい顔しているから、はい」

お菓子をプレゼント―。

70代でがんを患い、その影響もあって今は歩くのも大変になったが、パワフルな接客は健在だ。

長野スター商会・北原知子さん(81):
「いつもでかすぎるって怒られるんだけど、でかい声でしゃべらなくちゃね。声が出なくなったらやめますよ。『おい、来たで』って言うから『どうしたの』って言ったら『元気か』『元気よ』って、それが本当の楽しみ。来てくれるから会えるってことが幸せ」

長野スター商会・4代目・北原大巳さん:
「スーパー営業マンだと思う。『元気をもらったよ』と言ってもらえるので、本当にファンは多いと思う」

20年来の常連客・丸山遼さん:
「『ミズノ』にしようか、他の『ゼット』とか、どこがいいかなと思って…」

草野球チームの立ち上げでユニフォームの相談に訪れた長野市の丸山遼さん(31)。

子どもの頃から店に通う20年来の常連で、スター商会には、大型店にはない良さがあると話す。

20年来の常連客・丸山遼さん:
「社長や従業員が一人一人に、どういうものがいいかを直接真剣に向き合ってもらえる、グローブ一つしかり」

昔と変わらぬ接客で少子化時代も生き抜く街のスポーツ用品店。忙しい春を迎えている。

長野スター商会・4代目・北原大巳さん:
「一人のお客さまに対する密度が非常に濃いことが良いことではないかと思っている。地域の方に愛される、地域の方が来ていただける、親子2代、3代と来ていただける。来た時に『まだ元気でやってるね』と声かけていただけるお店でありたい」
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