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我慢重ねた高校3年生へ担任がサプライズの「黒板アート」 コロナ禍乗り越え…“絆深め”学び舎巣立つ

3月2日、ピークを迎えた公立高校の卒業式。今年度の3年生はコロナ禍に直面し、長く我慢の高校生活を強いられてきました。そこで、思いや表情など、通常のニュースでは伝えきれない門出の一日を特集にしました。

♪(旅立ちの日に…/川嶋あい)
「いつのまにか 時は流れ もうきょうは卒業の日…」

黒板に描かれた満開の桜の木。「卒業ソング」として知られる歌の一節が添えられています。

ここは篠ノ井高校3年3組の教室。黒板アートは担任の伊藤先生が卒業生への「サプライズプレゼント」として、2日かけて完成させたものです。

篠ノ井高校3年3組担任・伊藤直弓先生:
「ちょっとでも思い出になってくれればと思う」

2日は卒業式。スーツや晴れ着に身を包んだ3年生が続々と登校してきました。

卒業生:
「寂しい気持ちですが、やっと卒業できてうれしい」
「行事が少なかったり、楽しみが少なかったりして、無事に迎えられてよかった」

3組の教室では…

(黒板に書かれた「旅立ちの日に」の一節)
「いつのまにか 時は流れ もう今日は卒業の日 人はいつか旅立つもの だけど いつの日にか またどこかで 会える気がするからね 輝く日々を忘れないで」

「今始まる 希望の道 今日までありがとうね 思い出の校舎と別れを告げ 今新たな扉開き はるかな年月経て つぼみから花咲かせよう」

卒業生:
「すごくきれいだと思う。卒業に合う歌詞で感慨深いものがある」
「字は担任なんですけど、絵はわからない…」

記者:
「この絵は伊藤先生が描いた」

卒業生:
「うれしいですね」
「進路決定ができたのも先生のおかげで、感謝しかない」

3年3組担任・伊藤直弓先生:
「厳しい状況に負けないで、自分たちが楽しみきって、後悔のないよう頑張ってもらえれば」

一方、4組では…

廊下に置かれたフォトスポットの前で記念撮影。担任の北村先生が門出を祝おうと手作りしました。

3年4組担任・北村千景先生:
「思い出がつくれなかった学年だったので、写真を撮ってもらおうと思って。自分の夢をかなえるために頑張ってほしい」

笑顔が咲く各教室。

でも今年度の3年生は我慢の連続でした。

緊急事態宣言で入学直後に2カ月の「休校」。再開してからも行事や部活動は中止や縮小を余儀なくされました。

思い通りにならない学校生活。それだけに、3年生はみんなで力を合わせること、絆を深めることを大切にしてきました。

卒業式―。

卒業証書の授与はクラスの代表1人だけとなりましたが、式は3年ぶりに在校生、保護者に見守られて行われました。

卒業生代表・鹿田優太さん:
「夏休み明け、行き先が県内で日帰りの修学旅行になってしまいました。他校では宿泊で修学旅行に行っているところもあると聞くと、宿泊がしたいと思いました。私たちはこの3年間を乗り越えることができたので、これからもなりたい自分に向かって一歩ずつ進んでいきます」

卒業式が終わる…。

教室に戻って最後のホームルーム。担任から残りの卒業証書が一人ひとりに手渡されました。

最後にみんなで見たのは、卒業生に贈るNBS「卒うたプロジェクト」のミュージックビデオ。

音楽に乗せて3年間を写真で振り返りました。

♪(またたき/Awesome City Club)
「言葉の雨が胸を刺して 心が泣いて やるせない夜もあるだろう 訪れる未来への合言葉は 君の中に 響いてるアンサー さよなら 素晴らしき日々よ 未完成なままの 君を抱いて 聴こえてる…」

卒業生:
「コロナで休校やオンライン授業が多くて戸惑ったところがいっぱいあったが、きょう、卒業の日を迎えられてよかった」
「修学旅行とかも行けなくなって3年間、いろいろなことがあったが、仲良く最後は終われて良かった」

卒業生の母親:
「つらいことがたくさんあったが、自分のやりたいことを焦らなくていいので、よく考えて進んでほしい」

卒業生:
「お母さん、お父さんのおかげで卒業できたと思うので感謝してます。ありがとうございます」

卒業生の母親:
「おめでとう」

コロナ禍で一変した学校生活。

高校に限らず小学校でも、中学校でも、さまざまな制約と我慢の中で送った児童・生徒の月日は、貴重な経験となって、一人ひとりの人生を支えてくれるでしょう。

全ての卒業生に…

「おめでとう」
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