
特集はウクライナの子どもたちとの交流です。侵攻開始から1年、ポーランドで支援活動を続ける千曲市出身の男性のオンライン講演会に合わせ、避難中の4姉妹と長野市の児童が交流。姉妹は「家に戻りたい」などと切実な思いを訴えました。
芹田小の児童:
「好きな教科はありますか?」
ウクライナから避難中の4姉妹:
「一番好きなのは体育。その次は図工です」
芹田小の児童:
「趣味はありますか?」
避難中の4姉妹:
「お菓子作りに料理、絵を描くのが好きです」
オンラインでやり取りする子どもたち。画面の向こうは、ウクライナからポーランドに避難している14歳から8歳の4姉妹です。(アンゲリナさん14歳、アデリナさん13歳、アリビナさん12歳、アンナさん8歳)
質問したのは長野市・芹田小学校の6年生2人。(千村弘毅さん、延沢あかりさん)
総合学習でウクライナ支援を学び、クラスを代表して参加しました。今回の交流は、ポーランドで支援活動を続ける、千曲市出身の坂本龍太朗さんのオンライン講演会に合わせて行われました。
ポーランドで支援活動・坂本龍太朗さん:
「自分たちの街から出たこともないような子どもたちが、いきなり言葉が通じない外国で、さらにそこに1年もいるということ。それがどれだけ大変なことか、皆さん想像してみてください」
ポーランドで日本語学校の教頭を務める坂本さん。これまでに避難民を自宅で受け入れた他、寄付金で購入した服、医療物資、発電機などさまざまな物資をウクライナに送り続けています。
出会った数多くの避難家族の一つが冒頭で紹介した4姉妹とその母親です。西部の街・クレメネチから避難し、坂本さんの世話で今は国の研究所の一室で暮らしています。父親と兄は残って軍に入りました。
このほど、出版された坂本さんの著書に、姉妹の置かれた状況がつづられています。
3番目のアリビナさんが12歳の誕生日を迎えた時の一節。
(ウクライナとともに~涙と笑顔、怒りと感謝の365日~より抜粋):
「父も兄も、祖父母も、ここにはいない。私から何か贈りたい。そう思うのは至極、当然のことだった。『誕生日プレゼント、何がほしいの?』『ウクライナの平和。戦争が終わること』アリビナは迷うことなくそう答えた。戸惑う私を見透かすような瞳に偽りの色はない」
平和の象徴・ハトが飛ぶ地球。
戦地に赴いた父。
これらは4姉妹が平和への願いや支援への感謝を描いた絵です。坂本さんを通じて日本に送られ、県内で巡回展が行われています。(3月4日~12日 須坂市・世界の民俗人形博物館)
侵攻開始から1年。交流の時間は直接、姉妹の声に耳を傾けてほしいと設けられました。
芹田小の児童:
「今の生活に何が必要で、どんなものが欲しいですか?」
避難中の4姉妹:
「自分の国に帰って、自分の家で家族と暮らしたい」
芹田小の児童:
「今、会ってみたい人はいますか?」
避難中の4姉妹:
「ウクライナに残してきたおばさん、お兄さん、友達ととても会いたい」
芹田小の児童:
「ロシアに言いたいことはありますか?」
避難中の4姉妹:
「今すぐにでも戦争をやめて撤退してほしい。人を殺すのをやめてほしい。戦争が始まる前の状態に戻してほしい」
芹田小の児童:
「戦争について考えていることはありますか?」
避難中の4姉妹:
「常に早く終わってほしいと、この1年間考えてきた」
戦禍に巻き込まれ、生活が一変したウクライナの子どもたち。率直な声を聞いた児童は…。
芹田小 6年・千村弘毅さん:
「今は厳しい中だと思うんですけど、できることをするので頑張ってください(と伝えたい)」
芹田小 6年・延沢あかりさん:
「(ロシアと)お互いが仲良くなって、平和になって、ウクライナの人が幸せになれるようにしてほしい」
坂本さんは今、ウクライナの子どもたちの就学支援に力を入れ、パソコンや本など教育環境を整える物資を送っています。国の「将来」を見越した支援です。
ポーランドで支援活動・坂本龍太朗さん:
「なぜ、就学支援が必要か。なぜなら子どもたちが将来のウクライナの復興を担わざるを得ないからです。子どもたちから決して教育を奪ってはいけない。日に日に心に問題を抱えている子どもたちが増えている。その心の問題を少しでも和らげていくことが、将来の復興の足かせを軽くすることにつながると思う」
子どもたちから大切な人、時間を奪う戦闘。
坂本さん自身も、活動を支えてくれたウクライナの友人を失っています。
講演会で、坂本さんは息の長い支援を訴えつつ、活動継続への強い覚悟を述べました。
ポーランドで支援活動・坂本龍太朗さん:
「『何で支援を続けるのか?』とか『疲れていないか?』ということをよく聞かれます。ウクライナの人々の思いを受け取るにつけ、ウクライナからの思いを受け取るにつけ、人々とのつながりができるにつけ、多くの苦しみを知り、死に直面し、支援が必要だということが今まで以上に深く理解できるようになる。だからこそ支援の手を緩めるわけにはいかない」
坂本さんの著書「ウクライナとともに~涙と笑顔、怒りと感謝の365日~」は2月22日に出版されました。売り上げの一部と坂本さんが得る報酬の全ては支援活動に充てられます。
芹田小の児童:
「好きな教科はありますか?」
ウクライナから避難中の4姉妹:
「一番好きなのは体育。その次は図工です」
芹田小の児童:
「趣味はありますか?」
避難中の4姉妹:
「お菓子作りに料理、絵を描くのが好きです」
オンラインでやり取りする子どもたち。画面の向こうは、ウクライナからポーランドに避難している14歳から8歳の4姉妹です。(アンゲリナさん14歳、アデリナさん13歳、アリビナさん12歳、アンナさん8歳)
質問したのは長野市・芹田小学校の6年生2人。(千村弘毅さん、延沢あかりさん)
総合学習でウクライナ支援を学び、クラスを代表して参加しました。今回の交流は、ポーランドで支援活動を続ける、千曲市出身の坂本龍太朗さんのオンライン講演会に合わせて行われました。
ポーランドで支援活動・坂本龍太朗さん:
「自分たちの街から出たこともないような子どもたちが、いきなり言葉が通じない外国で、さらにそこに1年もいるということ。それがどれだけ大変なことか、皆さん想像してみてください」
ポーランドで日本語学校の教頭を務める坂本さん。これまでに避難民を自宅で受け入れた他、寄付金で購入した服、医療物資、発電機などさまざまな物資をウクライナに送り続けています。
出会った数多くの避難家族の一つが冒頭で紹介した4姉妹とその母親です。西部の街・クレメネチから避難し、坂本さんの世話で今は国の研究所の一室で暮らしています。父親と兄は残って軍に入りました。
このほど、出版された坂本さんの著書に、姉妹の置かれた状況がつづられています。
3番目のアリビナさんが12歳の誕生日を迎えた時の一節。
(ウクライナとともに~涙と笑顔、怒りと感謝の365日~より抜粋):
「父も兄も、祖父母も、ここにはいない。私から何か贈りたい。そう思うのは至極、当然のことだった。『誕生日プレゼント、何がほしいの?』『ウクライナの平和。戦争が終わること』アリビナは迷うことなくそう答えた。戸惑う私を見透かすような瞳に偽りの色はない」
平和の象徴・ハトが飛ぶ地球。
戦地に赴いた父。
これらは4姉妹が平和への願いや支援への感謝を描いた絵です。坂本さんを通じて日本に送られ、県内で巡回展が行われています。(3月4日~12日 須坂市・世界の民俗人形博物館)
侵攻開始から1年。交流の時間は直接、姉妹の声に耳を傾けてほしいと設けられました。
芹田小の児童:
「今の生活に何が必要で、どんなものが欲しいですか?」
避難中の4姉妹:
「自分の国に帰って、自分の家で家族と暮らしたい」
芹田小の児童:
「今、会ってみたい人はいますか?」
避難中の4姉妹:
「ウクライナに残してきたおばさん、お兄さん、友達ととても会いたい」
芹田小の児童:
「ロシアに言いたいことはありますか?」
避難中の4姉妹:
「今すぐにでも戦争をやめて撤退してほしい。人を殺すのをやめてほしい。戦争が始まる前の状態に戻してほしい」
芹田小の児童:
「戦争について考えていることはありますか?」
避難中の4姉妹:
「常に早く終わってほしいと、この1年間考えてきた」
戦禍に巻き込まれ、生活が一変したウクライナの子どもたち。率直な声を聞いた児童は…。
芹田小 6年・千村弘毅さん:
「今は厳しい中だと思うんですけど、できることをするので頑張ってください(と伝えたい)」
芹田小 6年・延沢あかりさん:
「(ロシアと)お互いが仲良くなって、平和になって、ウクライナの人が幸せになれるようにしてほしい」
坂本さんは今、ウクライナの子どもたちの就学支援に力を入れ、パソコンや本など教育環境を整える物資を送っています。国の「将来」を見越した支援です。
ポーランドで支援活動・坂本龍太朗さん:
「なぜ、就学支援が必要か。なぜなら子どもたちが将来のウクライナの復興を担わざるを得ないからです。子どもたちから決して教育を奪ってはいけない。日に日に心に問題を抱えている子どもたちが増えている。その心の問題を少しでも和らげていくことが、将来の復興の足かせを軽くすることにつながると思う」
子どもたちから大切な人、時間を奪う戦闘。
坂本さん自身も、活動を支えてくれたウクライナの友人を失っています。
講演会で、坂本さんは息の長い支援を訴えつつ、活動継続への強い覚悟を述べました。
ポーランドで支援活動・坂本龍太朗さん:
「『何で支援を続けるのか?』とか『疲れていないか?』ということをよく聞かれます。ウクライナの人々の思いを受け取るにつけ、ウクライナからの思いを受け取るにつけ、人々とのつながりができるにつけ、多くの苦しみを知り、死に直面し、支援が必要だということが今まで以上に深く理解できるようになる。だからこそ支援の手を緩めるわけにはいかない」
坂本さんの著書「ウクライナとともに~涙と笑顔、怒りと感謝の365日~」は2月22日に出版されました。売り上げの一部と坂本さんが得る報酬の全ては支援活動に充てられます。