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信州だけ人気1位「サラダ軍艦」熱愛の理由 長野発祥「かっぱ寿司」で探る…背景に食文化!?

特集は、長野県民熱愛の寿司ネタです。回転寿司チェーン「かっぱ寿司」の県内店舗の去年9~11月までの人気メニューを見ると、5位「茶碗蒸し」、4位「サーモン」、3位「はまち」、2位は「まぐろ」。そして、1位は「サラダ軍艦」です。「サラダ軍艦」は全国でも4位に入る人気ネタですが、1位となるのは長野県だけです。長野からスタートした「かっぱ寿司」でサラダ軍艦の歴史と人気の理由に迫りました。

レーンで運ばれてくるさまざまな寿司。ランチタイムに多くの客でにぎわう須坂市の「かっぱ寿司 須坂店」。季節の品やサイドメニューを含め190種類ほどを提供しています。その中で、抜群の人気を誇る「寿司ネタ」があります。

客:
「安定したおいしさじゃないですかね」
「ごはんとマヨネーズとおしょうゆの兼ね合いがベストマッチ」

かっぱ寿司 須坂店・町田青店長:
「圧倒的にサラダ(軍艦)ですね」

マヨネーズベースのあえ物がのった軍艦巻き。「サラダ軍艦」です。

運営会社「カッパ・クリエイト」によりますと、「サラダ軍艦」は、全国のランキングでも4位の人気メニューですが、県内ではまぐろやはまちを抑えて堂々の1位。15年前のNBSの情報番組「土曜はこれダネッ!」で紹介したランキングでも…

(「土曜はこれダネッ!」より)
「さて、気になる第1位は…サラダとなりました」

「不動の1位」とも言えそうです。こちらは群馬から帰省していた家族。須坂出身の父親は、もちろん、「サラダ軍艦」好きです。

須坂出身の父親:
「うまいっすね。なんとも言えないですね、はまっちゃいます」

この日、初めて「サラダ軍艦」を食べた子どもたちは…

須坂出身の父親:
「うまいだろ?はまるだろ?」

子ども:
「おいしかった。マヨネーズがサラダみたい」

群馬出身の母親は…

群馬出身の母親:
「(夫が)いつも頼んでるなと見てたけど、(最初は)食べようとは思わなかった」

須坂出身の父親:
「おみやげに『サラダ』を詰めて、持ってきてくれるんですよ」

こちらは姉妹で来店。「サラダ軍艦」の「味変」を楽しんでいました。まずは、わさびをのせてしょうゆを少々ー。

続いては―

姉妹で来店(妹):
「直接サラダにガリのせるじゃないですか。穴子の甘いたれあるじゃないですか、これをちょっとかけるんですよ。
…これです。そのままでも食べるし、いろんなパターンでサラダ軍艦楽しむのが好き」

姉は「サラダ軍艦」をお持ち帰り。

姉妹で来店(姉):
「(家で)冬休みの宿題を頑張っている子どものために持って帰る。(子どもも)大好きですね。これを励みに宿題していると思う」

祝い事や盆・正月には「サラダ軍艦」の大皿の注文が増えるそうで、この「大みそか」も…

かっぱ寿司 須坂店・町田青店長:
「(大みそかは)うちのお店で、皿数で約5000皿(1万貫)くらい注文いただいた。すごいですね…」

街でも聞いてみました。

松本市40代:
「子どもも好きで、奥さんも好きです。意外にマヨネーズが邪道っぽいけど合う、それがいい」

松本市10代:
「好きです。イカが入ってる。マヨネーズ好きなので、好きです」

長野市10代:
「僕はサラダ好きですね」
「僕もサラダですかね、やっぱり」

長野市30代:
「かっぱ寿司といったらサラダ軍艦なので、けっこう具だくさんというか、食べ応えがあるというか、味もおいしい」

一方、「県外」の人は…

40代(北海道出身):
「おいしくないことはないけど、自分は長野出身じゃないので、長野の人はけっこう食べるって聞いて『へぇ~』て感じで1回食べてみた」

60代(東京出身):
「論外ですね。お寿司じゃないと思っている」

やはり、熱愛ぶりは県内に限った傾向のようです。

現在は回転ずしに限らずスーパーやコンビニ店でも売られていますが、街では「サラダ軍艦と言えばかっぱ寿司」という声も多く聞かれました。

かっぱ寿司の創業はちょうど50年前の1973(昭和48)年。創業者が「回転寿司の魅力を海なし県で広めたい」と長野市に1号店をオープンさせました。当時は、水に浮かべたおけに寿司をのせて流していました。

サラダ軍艦の登場は1984年。実は「まかない」の一つでしたが、そのおいしさから商品化したそうです。気になる中身は…。

かっぱ寿司 須坂店・町田青店長:
「使用されている食材は、ゲソと魚のすり身とマヨネーズです」

食材は、ゆでたイカゲソと魚のすり身とマヨネーズ。現在は入っていませんが、かつては刻んだキュウリも入っていて、それが名前の由来になったとみられます。これらの「食材」が長く県民に支持されてきた理由ではないかとみられています。

かっぱ寿司 須坂店・町田青店長:
「長野県は生魚になじみのない地域、海がないのでなじみがない地域ということと、野菜摂取量の全国1位というのが、関係あるかもしれません」

かつて山国・信州では海の生魚が入手しづらく「ちくわ」や「塩丸いか」といった加工品が長く好まれてきました。ゆでたイカゲソなどが入った「サラダ軍艦」は、まさに慣れ親しんだ味だったのです。

さらに、信州は野菜摂取量が全国トップクラス。野菜好き・サラダ好きの県民に受け入れられたと考えられます。

食べ継がれて、およそ40年。「熱愛」の理由を探ると信州の食文化が見えてきました。

家族で来店(須坂出身の父親):
「食感もいいし、マヨネーズの味と酢飯がめちゃくちゃ合う。小さいころから食べているので」

姉妹で来店(姉):
「かっぱ寿司の看板見るとサラダ軍艦の味がしてくる感じ(笑)」

かっぱ寿司 須坂店・町田青店長:
「創業の地でもありますし、わさびをつけたり、甘だれつけたり、いろいろな食べ方で楽しめるので、長く愛していただければいい」

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