ヤングケアラーです。ヤングケアラーは家族のために介護や見守り、家事を日常的に行っている18歳未満を指します。長野県はこのほど小中学生を対象に初めて実態調査を行いました。「世話をしている家族がいる」と答えたのは小学5、6年生が11.6%。中学生が6.3%でした。世話をしている家族については、小中学生ともに「きょうだい」が最も多く、次いで「母親」「父親」となっています。一方、「世話をしている家族がいる」と答えた小学生のうち「ヤングケアラーと自覚しているか」の質問には、自覚があるとしたのは8.7%にとどまりました。母親の介護を経験した元ヤングケアラーは「この問題をもっと多くの人が知って、気付いてあげられる大人を増やすことが重要」と話しています。
元ヤングケアラー・美斉津康弘さん:
「調査をすることでいろんな人が関心を持ってくれますし、子ども自身も調査されることでいろんな気付きがありますので、すごくいいこと」
長野県御代田町でケアマネジャーとして働く美斉津康弘さん(49)。元ヤングケアラーです。
美斉津さんは、若年性認知症と診断された母・ちえ子さんを小学5年生から高校1年生まで面倒をみた経験があります。
はいかいする母を連れ戻したり、トイレではない場所にしてしまった排便の処理などをほぼひとりで行ってきました。
現在はヤングケアラーについて知ってもらおうと講演会を行ったり、自身の経験を誰でも読みやすいようにと、漫画にして出版したりするなどの活動を行っています。
今回の県の実態調査で注目したのは、自覚がない子どもが多いこと。自身も当時自覚がなかったり、恥ずかしかったりして周りに相談できませんでした。
元ヤングケアラー・美斉津康弘さん:
「人の支援を受けるとか、人に相談して何とかしようという発想ではなくて、とにかく目の前の親が困っているから『自分がやるんだ』と『やらざるを得ないな』と。そこから抜け出せない」
子どもから相談することは難しいと感じている美斉津さん。実態調査をきっかけに多くの人が関心を持ち、大人が気付いてあげて支援につなげることが重要だとしています。
元ヤングケアラー・美斉津康弘さん:
「気付く大人を増やすということが大事で気付いた先が、どこにつなげるかというのも大事。地域全体でみんなで気付いて、気付いたらどこかにつなげる、そういった体制が必要」
県も態勢づくりを進めます。20日は学校関係者や市町村の福祉担当者など100人を集めて研修会を開きました。厚生労働省の職員を招きヤングケアラーを早期に見つけるポイントなどを説明しました。
厚労省子ども家庭局家庭福祉課・宮下信吾主査:
「遅刻や早退が多い、保健室で過ごしている時間が非常に多くなった、しっかりしすぎているなど。実はその裏にヤングケアラーの問題が潜んでいる可能性があるということを認識していただければ」
中学校教諭:
「自分が育った環境が当たり前のように感じているのだとしたら、私たちが聞き出してあげたり、いろんな身近な大人がやる役割なのかなと」
役場の職員:
「具体的な支援策も示しながら、もしかしたら道が開けるかもしれないという可能性を示しながら(支援を)」
県はこうした研修会で支援に向けた横のつながりをつくる他、今後、子どもや周囲の大人が相談できる専用窓口の設置も検討することにしています。
元ヤングケアラー・美斉津康弘さん:
「調査をすることでいろんな人が関心を持ってくれますし、子ども自身も調査されることでいろんな気付きがありますので、すごくいいこと」
長野県御代田町でケアマネジャーとして働く美斉津康弘さん(49)。元ヤングケアラーです。
美斉津さんは、若年性認知症と診断された母・ちえ子さんを小学5年生から高校1年生まで面倒をみた経験があります。
はいかいする母を連れ戻したり、トイレではない場所にしてしまった排便の処理などをほぼひとりで行ってきました。
現在はヤングケアラーについて知ってもらおうと講演会を行ったり、自身の経験を誰でも読みやすいようにと、漫画にして出版したりするなどの活動を行っています。
今回の県の実態調査で注目したのは、自覚がない子どもが多いこと。自身も当時自覚がなかったり、恥ずかしかったりして周りに相談できませんでした。
元ヤングケアラー・美斉津康弘さん:
「人の支援を受けるとか、人に相談して何とかしようという発想ではなくて、とにかく目の前の親が困っているから『自分がやるんだ』と『やらざるを得ないな』と。そこから抜け出せない」
子どもから相談することは難しいと感じている美斉津さん。実態調査をきっかけに多くの人が関心を持ち、大人が気付いてあげて支援につなげることが重要だとしています。
元ヤングケアラー・美斉津康弘さん:
「気付く大人を増やすということが大事で気付いた先が、どこにつなげるかというのも大事。地域全体でみんなで気付いて、気付いたらどこかにつなげる、そういった体制が必要」
県も態勢づくりを進めます。20日は学校関係者や市町村の福祉担当者など100人を集めて研修会を開きました。厚生労働省の職員を招きヤングケアラーを早期に見つけるポイントなどを説明しました。
厚労省子ども家庭局家庭福祉課・宮下信吾主査:
「遅刻や早退が多い、保健室で過ごしている時間が非常に多くなった、しっかりしすぎているなど。実はその裏にヤングケアラーの問題が潜んでいる可能性があるということを認識していただければ」
中学校教諭:
「自分が育った環境が当たり前のように感じているのだとしたら、私たちが聞き出してあげたり、いろんな身近な大人がやる役割なのかなと」
役場の職員:
「具体的な支援策も示しながら、もしかしたら道が開けるかもしれないという可能性を示しながら(支援を)」
県はこうした研修会で支援に向けた横のつながりをつくる他、今後、子どもや周囲の大人が相談できる専用窓口の設置も検討することにしています。