特集は、地域に溶け込む子どもたちの居場所です。長野市川中島町に塾を開いた男性が、通信制高校とフリースクールも開設。住民も参加できる初めての文化祭も開くなど、地域と共に歩む活動を進めています。
バンドの演奏に、クラフト作品の展示販売。11月3日、長野市の川中島駅前にある通信制高校とフリースクールが共同で初めての「文化祭」を開き、地域住民も足を運んでいました。
川中島高等学園3年・小林楓さん:
「どれくらい人が来るのか初めてで分からなかったんですけど、いろんな人が来てくれて、私たちもうれしかった」
住民:
「(生徒たちが)一生懸命やってくれている。盛り上げてくれるので(地域が)いい感じに」
企画したのは、代表の安部映樹さん(60)です。
川中島高等学園・フリースクール未来 代表・安部映樹さん:
「(生徒には)いろんな人と触れ合うとか、仲間同士でチームワークよくやってみるとか、そういうことが(文化祭で)自然に感じられたらいいなと」
子どもたちと地域を元気にする。それが安部さんの取り組むテーマです。
安部さんは元中学校教師。その後、出版社に勤めていましたが、教育への思いが残っていて4年前、川中島駅前に塾を開講。子どもたちの学習支援を始めました。
安部映樹さん(2018年取材):
「私の育ったここの地域の子どもたちのために、何かできることがないかなと思って考えて、塾をやることにした」
川中島は安部さんの地元。久しぶりに戻ると駅前の商店街はかつての活気を失っていました。
そこで塾が入る建物の1階にカフェをオープン。定期的に「農産物マルシェ」も開いています。安部さんの中ではどれも、子どもたちと地域を元気にする点でつながっています。
安部映樹さん(2018年取材):
「何かにぎわいを取り戻せることができないかと。ここに来れば誰かいて、出会えるような場所になっていけばと思うし、世代を超えた交流ができればいい」
塾開講から4年半。学習支援は広がりを見せています。教員免許を持つ講師を増やし、2021年春、新たに通信制高校を開校。さらに2022年春には、同じ建物に中学生向けのフリースクールも開校させました。
背景にあるのはコロナ禍です。県内の不登校の小中学生は、2021年度4707人と過去最多を更新しました。感染拡大で休校が相次ぎ登校への意欲が薄れたこと、交友関係がつくりにくくなったことなどが原因と考えられています。
安部映樹さん:
「塾の子どもの中でも、学校に行けなくなっちゃったという子どももいるし、いろんなところからそういう声が聞こえてきて、(コロナ一斉休校)あそこから急激に学校に行かない子が増えたなと感じた」
高校3年生の小林楓さん。全日制の高校に通っていましたが、2021年、転校してきました。雰囲気が気に入り登校を重ねています。
川中島高等学園3年・小林楓さん:
「コロナがきっかけで家のごたごたとか、また精神を病んでしまって、学校に行きづらくなってしまって。(通信制高校は)自分のペースで来られる。体調が悪い時とか気分がのっていないし、しんどいから学校に行きたくないという時は、先生に連絡入れて休むことができるし」
中学生向けのフリースクールでは、生徒が通っていた学校でしか受けられなかった「定期テスト」を、フリースクールで受けられるようにしました。市内では初めての取り組みです。(現在は、中学校3校が対応可能)
フリースクールに通う生徒(中学3年):
「(これまでのテストは)受けてないです、学校に行かなければいけないので。(フリースクールなら)テストもしやすくなるし、助かる部分は大きい」
安部映樹さん:
「いろんな子どもたちを、いろんな形で支援できることがないかと模索してきた。こういうものが日本全国各地にできれば、子どもたちも救われるんじゃないかなと」
子どもたちと地域を元気にするというテーマに、うってつけの催しを企画しました。地域に開かれた「文化祭」です。
川中島高等学園3年・小林楓さん(開会あいさつ):
「みんなで協力してきて作ったものや、努力して頑張ってやってきたものがたくさんある。いろんなところ行ってみてもらえればと思う」
案内:
「指の消毒お願いします」
多くの住民が訪れ、生徒も張り切っていました。こちらはクラフト作品やアクセサリーの展示販売コーナー。弁当や本を入れて運ぶ「あずま袋」は、家庭科の授業で作り方を習い、この日のためにみんなで制作しました。
高校1年の生徒:
「亡くなったおばあちゃんの着物をみんなでほどいて、別の物に作り替えて、他の人に買っていただいたり、使っていただけることで着物もそうだし、おばあちゃんも喜ぶと思う」
訪れた人は―
あずま袋などを購入した人:
「一生懸命、丁寧に作られていて、すぐに買いたくなった」
飾り物を購入した人:
「ちょっと玄関に置いておくのにいいなって。若い人が手作りするなんて、いいね」
音楽好きの生徒たちは、歌や演奏を披露しました。
高校1年の生徒:
「楽しかったので、文化祭じゃなくても機会があればまたやりたい」
最後は住民たちと一緒に合唱しました。
川中島高等学園3年・小林楓さん:
「きれいな歌声だなと思いながら…。来年もあればきっと楽しい思い出になると思う」
子どもたちの居場所に地域住民も集う。安部さんの追い求めていたものが、また一つ、カタチになりました。
安部映樹さん:
「(生徒たちを見て)準備の段階からこんなに動けるのかと感激している。地域の活性化、シャッター商店街になっちゃっていたので、駅前通りが。そこを何とかしたい思いがあったので(地域が)元気になってきたような気がしてうれしい」
バンドの演奏に、クラフト作品の展示販売。11月3日、長野市の川中島駅前にある通信制高校とフリースクールが共同で初めての「文化祭」を開き、地域住民も足を運んでいました。
川中島高等学園3年・小林楓さん:
「どれくらい人が来るのか初めてで分からなかったんですけど、いろんな人が来てくれて、私たちもうれしかった」
住民:
「(生徒たちが)一生懸命やってくれている。盛り上げてくれるので(地域が)いい感じに」
企画したのは、代表の安部映樹さん(60)です。
川中島高等学園・フリースクール未来 代表・安部映樹さん:
「(生徒には)いろんな人と触れ合うとか、仲間同士でチームワークよくやってみるとか、そういうことが(文化祭で)自然に感じられたらいいなと」
子どもたちと地域を元気にする。それが安部さんの取り組むテーマです。
安部さんは元中学校教師。その後、出版社に勤めていましたが、教育への思いが残っていて4年前、川中島駅前に塾を開講。子どもたちの学習支援を始めました。
安部映樹さん(2018年取材):
「私の育ったここの地域の子どもたちのために、何かできることがないかなと思って考えて、塾をやることにした」
川中島は安部さんの地元。久しぶりに戻ると駅前の商店街はかつての活気を失っていました。
そこで塾が入る建物の1階にカフェをオープン。定期的に「農産物マルシェ」も開いています。安部さんの中ではどれも、子どもたちと地域を元気にする点でつながっています。
安部映樹さん(2018年取材):
「何かにぎわいを取り戻せることができないかと。ここに来れば誰かいて、出会えるような場所になっていけばと思うし、世代を超えた交流ができればいい」
塾開講から4年半。学習支援は広がりを見せています。教員免許を持つ講師を増やし、2021年春、新たに通信制高校を開校。さらに2022年春には、同じ建物に中学生向けのフリースクールも開校させました。
背景にあるのはコロナ禍です。県内の不登校の小中学生は、2021年度4707人と過去最多を更新しました。感染拡大で休校が相次ぎ登校への意欲が薄れたこと、交友関係がつくりにくくなったことなどが原因と考えられています。
安部映樹さん:
「塾の子どもの中でも、学校に行けなくなっちゃったという子どももいるし、いろんなところからそういう声が聞こえてきて、(コロナ一斉休校)あそこから急激に学校に行かない子が増えたなと感じた」
高校3年生の小林楓さん。全日制の高校に通っていましたが、2021年、転校してきました。雰囲気が気に入り登校を重ねています。
川中島高等学園3年・小林楓さん:
「コロナがきっかけで家のごたごたとか、また精神を病んでしまって、学校に行きづらくなってしまって。(通信制高校は)自分のペースで来られる。体調が悪い時とか気分がのっていないし、しんどいから学校に行きたくないという時は、先生に連絡入れて休むことができるし」
中学生向けのフリースクールでは、生徒が通っていた学校でしか受けられなかった「定期テスト」を、フリースクールで受けられるようにしました。市内では初めての取り組みです。(現在は、中学校3校が対応可能)
フリースクールに通う生徒(中学3年):
「(これまでのテストは)受けてないです、学校に行かなければいけないので。(フリースクールなら)テストもしやすくなるし、助かる部分は大きい」
安部映樹さん:
「いろんな子どもたちを、いろんな形で支援できることがないかと模索してきた。こういうものが日本全国各地にできれば、子どもたちも救われるんじゃないかなと」
子どもたちと地域を元気にするというテーマに、うってつけの催しを企画しました。地域に開かれた「文化祭」です。
川中島高等学園3年・小林楓さん(開会あいさつ):
「みんなで協力してきて作ったものや、努力して頑張ってやってきたものがたくさんある。いろんなところ行ってみてもらえればと思う」
案内:
「指の消毒お願いします」
多くの住民が訪れ、生徒も張り切っていました。こちらはクラフト作品やアクセサリーの展示販売コーナー。弁当や本を入れて運ぶ「あずま袋」は、家庭科の授業で作り方を習い、この日のためにみんなで制作しました。
高校1年の生徒:
「亡くなったおばあちゃんの着物をみんなでほどいて、別の物に作り替えて、他の人に買っていただいたり、使っていただけることで着物もそうだし、おばあちゃんも喜ぶと思う」
訪れた人は―
あずま袋などを購入した人:
「一生懸命、丁寧に作られていて、すぐに買いたくなった」
飾り物を購入した人:
「ちょっと玄関に置いておくのにいいなって。若い人が手作りするなんて、いいね」
音楽好きの生徒たちは、歌や演奏を披露しました。
高校1年の生徒:
「楽しかったので、文化祭じゃなくても機会があればまたやりたい」
最後は住民たちと一緒に合唱しました。
川中島高等学園3年・小林楓さん:
「きれいな歌声だなと思いながら…。来年もあればきっと楽しい思い出になると思う」
子どもたちの居場所に地域住民も集う。安部さんの追い求めていたものが、また一つ、カタチになりました。
安部映樹さん:
「(生徒たちを見て)準備の段階からこんなに動けるのかと感激している。地域の活性化、シャッター商店街になっちゃっていたので、駅前通りが。そこを何とかしたい思いがあったので(地域が)元気になってきたような気がしてうれしい」