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小平奈緒選手「最後まで氷と仲良く」 22日ラストレースへ意気込み 台風被災地からエール「笑顔見たい」

10月22日に現役ラストレースを迎えるスピードスケートの小平奈緒選手。20日、本番会場の長野市のエムウェーブで調整し、「最後まで氷と仲良くしたい」と意気込みを語りました。

午前10時からおよそ1時間、エムウェーブで調整した小平奈緒選手。体も絞り込まれ、タイムトライアルでも好タイムを記録するなど調子は良いということです。

小平奈緒選手:
「自分の感覚と氷から受け取る感覚が意気投合してきた。最後まで氷と仲良く滑りたい」

平昌オリンピック女子500メートルで悲願の金メダルを獲得した小平選手。しかし、今年の北京オリンピックでは、足首のけがの影響もあって実力を発揮できませんでした。その後、21日に開幕する全日本距離別選手権を最後に引退することを表明しました。

小平選手が出場する500メートルは大会2日目の22日。エムウェーブは満員となる見通しです。

小平奈緒選手:
「地元の皆さんが見に行くよと言ってくださる方が多い。信州で育ってきた私にとってはありがたい。思いは十分込めてきているので、ありのままでリンクに立っていたい」

リンゴ収穫に追われているのは、長野市赤沼の田中英男さん(83)。ラストレースに熱い思いを寄せています。

リンゴ農家・田中英男さん:
「(ラストレースは)ワクワクしています。(小平選手からは)五輪の金メダルより重い大きい元気をもらいましたね」

3年前の千曲川の堤防決壊で、家や畑が濁流にのみ込まれた田中さん。大きな励みになったのが、小平選手の存在でした。

小平選手は災害ボランティアに参加するなど被災地に思いを寄せてきました。2020年の大会では「一緒に災害を乗り越えていこう」との思いを込め、リンゴをあしらったユニフォームで臨みました。

リンゴ農家・田中英男さん(当時):
「『被災した皆さん元気出してください』という真っ赤なリンゴのスーツが何より励みになった」

その姿に感動した田中さん。それ以来、小平選手を応援し、手紙のやりとりを重ねてきました。2021年末の大会は、お手製の応援旗を持って会場で観戦しました。

いよいよ22日に迫ったラストレース。もちろん田中さんも現地で観戦する予定です。持っていく旗には新たな文字も加えました。

リンゴ農家・田中英男さん:
「『長沼に元気をくれてありがとう』と。私どもがいるんだと(小平選手が)わかるように」

長沼地区全体でもエールを送っています。16日に開かれたイベントでは住民たちがメッセージを書きました。田中さんは収穫したてのリンゴと共に、その寄せ書きを届ける予定です。

一方、イベントでは、小平選手からメッセージも…。

小平奈緒選手(YouTubeより):
「皆さんが前に進む姿を見て、私も一緒に前に進む気持ちになることができました。一緒に明るい未来へ進んで行けるよう頑張っていきましょう」

田中さんは最後の雄姿を目に焼き付けるつもりです。

リンゴ農家・田中英男さん:
「今までの選手生活の最終仕上げなので、いいスケートを見たい。笑顔が見たい」
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