
台風19号災害からきょう10月12日で3年が経ちました。浸水被害が出た長野市松代町に完成した「アトリエ」。地元出身の画家が被災して廃業した店の倉庫を改修しました。目指すのは、子どもも大人も笑顔になれる地域の拠点です。
音楽に合わせ即興で絵を描く「ライブペインティング」。登って遊べるツリーハウスも。ここは長野市松代町の「秘密基地アトリエ wanaka(ワナカ)」。10月8日、お披露目を兼ねてプレオープンしました。
来場者:
「秘密基地みたいだった。楽しかった」
「すごいすてきで、わくわくします」
手掛けたのは松代町出身の画家・トモヤアーツさん(45)です。(※本名 鶴田智也)
トモヤアーツさん:
「こういうご時世だし停滞気味な部分もある中で、楽しいとかエンターテインメントが必要だと思って、そこを街に加えられたらいいなというところで今回の場所をつくりました」
台風災害、そしてコロナ禍。元気を発信する拠点にという願いが込めらています。
トモヤアーツさんは美術系の専門学校を卒業後、都内のイベント会社に所属。ライブペインティングのイベントや個展を開いてきました。テーマとして重きをおいてきたのは「風景」でしたが、次第に目まぐるしく変わる都会の風景に違和感を抱くようになりました。
トモヤアーツさん:
「自分が住んでいたアパートの向かいに木があって、その木の伐採があってマンションに。景色の変化が早すぎて、自分が制作する場所としては合わないんじゃないのかとなって」
2009年、家族を連れてふるさとへ…。
トモヤアーツさん:
「子どもの頃の記憶と松代という場所がリンクしてセットになっていて、歩いただけその景色を見て、そこにすぐタイトルが付けられるというか、作家にしたらモチーフがたくさんあるということは宝の山みたいなもの」
故郷に戻って10年目の秋。その風景が一変する事態が起こりました。千曲川の増水で行き場を失った水が街に溢れ、松代では住宅567棟に被害が出ました。トモヤアーツさんの自宅は無事でしたが、実家が浸水。変わり果てた街に無力感さえ覚えました。
トモヤアーツさん:
「この景色いいなってところもがらりと変わってしまう。好きだったお店がつぶれているとか本当にもどかしい、力のなさを感じました」
あれから3年。トモヤアーツさんは自分のやるべきことを見つけました。
トモヤアーツさん:
「(3年たって)大きく前進ができているかといったら変わっていなくて、片付いてはいるけど街の中の起爆剤になるような活気はまだ戻っていなくて、自分はそこを刺激したい」
今年4月から始めたのはアトリエづくり。借りているこちらの建物は…。
トモヤアーツさん:
「寝具店の倉庫で、布団とか綿とか材料になるものが入っていた倉庫」
60年以上、地元で親しまれてきた「ヨシミ寝具店」。3年前、機材や布団が水につかってしまい、やむなく廃業。倉庫は無事でしたが、使われなくなりました。
トモヤアーツさん:
「解体して駐車場にしてしまうという話もあったみたいなんですけど、街並みが小さい頃から慣れ親しんでいて、あまり変えたくなかった」
アトリエづくりには住民にも参加してもらいました。地域の拠点にするため、「自分事」として捉えてほしかったからです。
参加者:
「子どもたちとこうしてペンキ塗る機会もないので、すごくいい機会」
「(ペンキ塗り)できて楽しかった」
それから2カ月―
吉味秀明さん:
「すごい整いましたね」
吉味朋子さん:
「わー、すごいじゃん」
内装が完成し、建物の持ち主で布団店を営んでいた吉味さん一家が見学に来ました。
布団の倉庫が、ステージやツリーハウスがあるおしゃれな空間に。
吉味朋子さん:
「看板が残ってるよ、お母さん!」
吉味秀明さん:
「なんか夢のような空間になっていますね。自分を育ててくれた場所が残ってもらったというところが感慨深い」
迎えたプレオープン。
トモヤアーツさん:
「コンセプトが『いろんな世代が楽しめる』というものなので、思惑通りというか、自分の見たかった景色が今できたので達成感があります」
トモヤアーツさん(あいさつ):
「やっと1個、形ができたので、皆さんに1回、お披露目をしたいということで、きょう、こういうイベントを開催しました」
会場には長野県出身のシンガーソングライターの湯沢かよこさんなどが駆けつけ、盛り上げました。ハイライトは湯沢さんの歌にのせたトモヤアーツさんのライブペインティング。
来場者:
「被災されたおうちが多い中で、こういう取り組みをすることでみんな元気になったりするし、すごく良いなと思います」
「仲間が集える所があるのは最高ですし、これからもどんどん盛り上げていってほしい」
グランドオープンは11月13日。トモヤアーツさんは幅広い世代が交流し、地域活性化のアイデアが生まれる場になればと話しています。
トモヤアーツさん:
「勢いでここまで来たので、その方向が本当に合っているのか、きょうのお客さんの反応を見て答え合わせができたので、いろんな世代が常にここで交流して、ここで常に出会いがあって、新しいものが化学反応として起きていく場所にしていきたい」
音楽に合わせ即興で絵を描く「ライブペインティング」。登って遊べるツリーハウスも。ここは長野市松代町の「秘密基地アトリエ wanaka(ワナカ)」。10月8日、お披露目を兼ねてプレオープンしました。
来場者:
「秘密基地みたいだった。楽しかった」
「すごいすてきで、わくわくします」
手掛けたのは松代町出身の画家・トモヤアーツさん(45)です。(※本名 鶴田智也)
トモヤアーツさん:
「こういうご時世だし停滞気味な部分もある中で、楽しいとかエンターテインメントが必要だと思って、そこを街に加えられたらいいなというところで今回の場所をつくりました」
台風災害、そしてコロナ禍。元気を発信する拠点にという願いが込めらています。
トモヤアーツさんは美術系の専門学校を卒業後、都内のイベント会社に所属。ライブペインティングのイベントや個展を開いてきました。テーマとして重きをおいてきたのは「風景」でしたが、次第に目まぐるしく変わる都会の風景に違和感を抱くようになりました。
トモヤアーツさん:
「自分が住んでいたアパートの向かいに木があって、その木の伐採があってマンションに。景色の変化が早すぎて、自分が制作する場所としては合わないんじゃないのかとなって」
2009年、家族を連れてふるさとへ…。
トモヤアーツさん:
「子どもの頃の記憶と松代という場所がリンクしてセットになっていて、歩いただけその景色を見て、そこにすぐタイトルが付けられるというか、作家にしたらモチーフがたくさんあるということは宝の山みたいなもの」
故郷に戻って10年目の秋。その風景が一変する事態が起こりました。千曲川の増水で行き場を失った水が街に溢れ、松代では住宅567棟に被害が出ました。トモヤアーツさんの自宅は無事でしたが、実家が浸水。変わり果てた街に無力感さえ覚えました。
トモヤアーツさん:
「この景色いいなってところもがらりと変わってしまう。好きだったお店がつぶれているとか本当にもどかしい、力のなさを感じました」
あれから3年。トモヤアーツさんは自分のやるべきことを見つけました。
トモヤアーツさん:
「(3年たって)大きく前進ができているかといったら変わっていなくて、片付いてはいるけど街の中の起爆剤になるような活気はまだ戻っていなくて、自分はそこを刺激したい」
今年4月から始めたのはアトリエづくり。借りているこちらの建物は…。
トモヤアーツさん:
「寝具店の倉庫で、布団とか綿とか材料になるものが入っていた倉庫」
60年以上、地元で親しまれてきた「ヨシミ寝具店」。3年前、機材や布団が水につかってしまい、やむなく廃業。倉庫は無事でしたが、使われなくなりました。
トモヤアーツさん:
「解体して駐車場にしてしまうという話もあったみたいなんですけど、街並みが小さい頃から慣れ親しんでいて、あまり変えたくなかった」
アトリエづくりには住民にも参加してもらいました。地域の拠点にするため、「自分事」として捉えてほしかったからです。
参加者:
「子どもたちとこうしてペンキ塗る機会もないので、すごくいい機会」
「(ペンキ塗り)できて楽しかった」
それから2カ月―
吉味秀明さん:
「すごい整いましたね」
吉味朋子さん:
「わー、すごいじゃん」
内装が完成し、建物の持ち主で布団店を営んでいた吉味さん一家が見学に来ました。
布団の倉庫が、ステージやツリーハウスがあるおしゃれな空間に。
吉味朋子さん:
「看板が残ってるよ、お母さん!」
吉味秀明さん:
「なんか夢のような空間になっていますね。自分を育ててくれた場所が残ってもらったというところが感慨深い」
迎えたプレオープン。
トモヤアーツさん:
「コンセプトが『いろんな世代が楽しめる』というものなので、思惑通りというか、自分の見たかった景色が今できたので達成感があります」
トモヤアーツさん(あいさつ):
「やっと1個、形ができたので、皆さんに1回、お披露目をしたいということで、きょう、こういうイベントを開催しました」
会場には長野県出身のシンガーソングライターの湯沢かよこさんなどが駆けつけ、盛り上げました。ハイライトは湯沢さんの歌にのせたトモヤアーツさんのライブペインティング。
来場者:
「被災されたおうちが多い中で、こういう取り組みをすることでみんな元気になったりするし、すごく良いなと思います」
「仲間が集える所があるのは最高ですし、これからもどんどん盛り上げていってほしい」
グランドオープンは11月13日。トモヤアーツさんは幅広い世代が交流し、地域活性化のアイデアが生まれる場になればと話しています。
トモヤアーツさん:
「勢いでここまで来たので、その方向が本当に合っているのか、きょうのお客さんの反応を見て答え合わせができたので、いろんな世代が常にここで交流して、ここで常に出会いがあって、新しいものが化学反応として起きていく場所にしていきたい」