
人気パン店の再出発です。2020年、惜しまれつつ閉店した長野県松本市の「マルショウ」。その主人が「予約販売」の店を始め、ファンを喜ばせています。衰えぬパン作りへの情熱を取材しました。
フランス発祥の「パン・ド・カンパーニュ」。たたいて乾いた音がすれば、うまく焼き上がった証拠なんだそうです。
発酵パン工房マルショウ・百瀬靖夫さん(70):
「いいよね、自分で作って、自分でいいよなんて言ってはいけないと思うけど、いいと思うよ(笑)」
松本市の百瀬靖夫さん70歳。2020年、惜しまれつつ閉店した「マルショウ」の元主人です。このほど実家を改装して予約販売に特化した「パン工房」を始めました。形を変えて「マルショウ」が復活したのです。
購入した客は…
松本市内から(購入2回目):
「久しぶりにマルショウさんの味いただきました。うれしいです、復活してもらったので」
発酵パン工房マルショウ・百瀬靖夫さん(70):
「好きなんだよな、パン。パンを作ることも好きだし、食べることも好きだし、研究することも好きだし。『グッジョブ』なんて言われたら、最高だもんね」
昭和5年(1930)に百瀬さんの祖母が創業した「マルショウ」。店の看板商品は…
客:
「ピーナツがおいしくてね、ここの」
やわらかいコッペパンに、ピーナツバターなどをサンドした「エンリッチ」。高校の購買などでも売られ、世代を超えて愛されてきました。百瀬さんはレストランなどで修業した後、26歳で店に入り、店を引き継ぎました。パン一筋40年余りです。
百瀬靖夫さん(2020年):
「パン作りは楽しいです、本当に楽しい。経営はへたくそですから、経営をしているよりも現場で作業して、本当に一心不乱でパンのことを考えながらやっているのが一番」
営業は順調でしたが、市の城下町整備事業などで店は移転を迫られます。百瀬さんは「移転したら商売は続けられない」と判断し、店を閉じることにしました。
2020年3月31日、最後の営業日。店には大勢の市民が詰めかけました。
客:
「このパンの大ファンで、学生の頃から50年以上」
「エンリッチ」はすぐに売り切れに。
百瀬靖夫さん(2020年):
「若い人からお年寄りまで、多くの人に愛される店になっていたんだなと思った。感無量ですよね、感無量」
閉店後も頼まれてパンを作ることがあったという百瀬さん。次第に「また店を持ちたい」という気持ちが強まっていきました。
発酵パン工房マルショウ・百瀬靖夫さん:
「やっぱり、マルショウが作っていたパンを欲しいって人が現実にいた、それが一番だな」
周囲の要望もあって家族を説得しキッチンを改装。2022年6月、予約販売専門の「発酵パン工房マルショウ」をスタートさせました。SNS上では…
(SNS)
「絶対買いにいきます。楽しみにしています」
「こんな嬉しい事があるのでしょうか。泣きそうです」
パン作りは基本1人です。
発酵パン工房マルショウ・百瀬靖夫さん:
「以前はイースト菌という単一の非常に発酵力の強い、扱いやすいものを使ってた。自分の発酵種を起こして使っていくのが、やりたくてもなかなかできないことだった。(再出発は)それを中心にパン作りをすることが、大きな目的でもあったので」
探究心に火がついた百瀬さん。今はレーズンなど3種類の自家製酵母を使い、低温長時間発酵に取り組んでいて、以前より生地に甘みが増しているそうです。マルショウ時代は手間がかかってできなかったことを試しています。
販売するパンは7種類にしぼり、丁寧に作っています。レーズンブレッド(1斤:800円税込)、角食パン(2斤:830円税込)。1人で作っていることや、食品ロス削減もあって、販売は週1回。無料通信アプリで予約を受ける「少量受注生産」です。
安曇野市から(購入2回目):
「毎回、違うの食べたくて」
発酵パン工房マルショウ・百瀬靖夫さん:
「そのうち、いろいろ言っていただければ作るようにします。エンリッチもスペシャルバージョン作るんじゃないかな」
安曇野市から(購入2回目):
「1回やめられたけど、また復活されたのを知り、ぜひ食べたくて。今回で2回目、あすの朝、楽しみに食べたい」
安曇野市から(初めて購入):
「粉の香りもしっかりしていて、ミルクの風味もほんのり甘さを引き立てて、すごくおいしい。(店が)無くなると聞いた時はすごくショックだったので、再開してうれしい」
これまでの経験の上にチャレンジを重ねる70歳。百瀬さんはパン職人として新たなステージに立ちました。
発酵パン工房マルショウ・百瀬靖夫さん:
「(パン作りを)やめるという選択はない、どういう形でも続けていければいい。よく考えてみたらパンとともに生きてきた、パンが自分の人生だったな。安全でおいしいパンを届けていきたい、今の時代にニーズのあった商品を作っていきたい」
フランス発祥の「パン・ド・カンパーニュ」。たたいて乾いた音がすれば、うまく焼き上がった証拠なんだそうです。
発酵パン工房マルショウ・百瀬靖夫さん(70):
「いいよね、自分で作って、自分でいいよなんて言ってはいけないと思うけど、いいと思うよ(笑)」
松本市の百瀬靖夫さん70歳。2020年、惜しまれつつ閉店した「マルショウ」の元主人です。このほど実家を改装して予約販売に特化した「パン工房」を始めました。形を変えて「マルショウ」が復活したのです。
購入した客は…
松本市内から(購入2回目):
「久しぶりにマルショウさんの味いただきました。うれしいです、復活してもらったので」
発酵パン工房マルショウ・百瀬靖夫さん(70):
「好きなんだよな、パン。パンを作ることも好きだし、食べることも好きだし、研究することも好きだし。『グッジョブ』なんて言われたら、最高だもんね」
昭和5年(1930)に百瀬さんの祖母が創業した「マルショウ」。店の看板商品は…
客:
「ピーナツがおいしくてね、ここの」
やわらかいコッペパンに、ピーナツバターなどをサンドした「エンリッチ」。高校の購買などでも売られ、世代を超えて愛されてきました。百瀬さんはレストランなどで修業した後、26歳で店に入り、店を引き継ぎました。パン一筋40年余りです。
百瀬靖夫さん(2020年):
「パン作りは楽しいです、本当に楽しい。経営はへたくそですから、経営をしているよりも現場で作業して、本当に一心不乱でパンのことを考えながらやっているのが一番」
営業は順調でしたが、市の城下町整備事業などで店は移転を迫られます。百瀬さんは「移転したら商売は続けられない」と判断し、店を閉じることにしました。
2020年3月31日、最後の営業日。店には大勢の市民が詰めかけました。
客:
「このパンの大ファンで、学生の頃から50年以上」
「エンリッチ」はすぐに売り切れに。
百瀬靖夫さん(2020年):
「若い人からお年寄りまで、多くの人に愛される店になっていたんだなと思った。感無量ですよね、感無量」
閉店後も頼まれてパンを作ることがあったという百瀬さん。次第に「また店を持ちたい」という気持ちが強まっていきました。
発酵パン工房マルショウ・百瀬靖夫さん:
「やっぱり、マルショウが作っていたパンを欲しいって人が現実にいた、それが一番だな」
周囲の要望もあって家族を説得しキッチンを改装。2022年6月、予約販売専門の「発酵パン工房マルショウ」をスタートさせました。SNS上では…
(SNS)
「絶対買いにいきます。楽しみにしています」
「こんな嬉しい事があるのでしょうか。泣きそうです」
パン作りは基本1人です。
発酵パン工房マルショウ・百瀬靖夫さん:
「以前はイースト菌という単一の非常に発酵力の強い、扱いやすいものを使ってた。自分の発酵種を起こして使っていくのが、やりたくてもなかなかできないことだった。(再出発は)それを中心にパン作りをすることが、大きな目的でもあったので」
探究心に火がついた百瀬さん。今はレーズンなど3種類の自家製酵母を使い、低温長時間発酵に取り組んでいて、以前より生地に甘みが増しているそうです。マルショウ時代は手間がかかってできなかったことを試しています。
販売するパンは7種類にしぼり、丁寧に作っています。レーズンブレッド(1斤:800円税込)、角食パン(2斤:830円税込)。1人で作っていることや、食品ロス削減もあって、販売は週1回。無料通信アプリで予約を受ける「少量受注生産」です。
安曇野市から(購入2回目):
「毎回、違うの食べたくて」
発酵パン工房マルショウ・百瀬靖夫さん:
「そのうち、いろいろ言っていただければ作るようにします。エンリッチもスペシャルバージョン作るんじゃないかな」
安曇野市から(購入2回目):
「1回やめられたけど、また復活されたのを知り、ぜひ食べたくて。今回で2回目、あすの朝、楽しみに食べたい」
安曇野市から(初めて購入):
「粉の香りもしっかりしていて、ミルクの風味もほんのり甘さを引き立てて、すごくおいしい。(店が)無くなると聞いた時はすごくショックだったので、再開してうれしい」
これまでの経験の上にチャレンジを重ねる70歳。百瀬さんはパン職人として新たなステージに立ちました。
発酵パン工房マルショウ・百瀬靖夫さん:
「(パン作りを)やめるという選択はない、どういう形でも続けていければいい。よく考えてみたらパンとともに生きてきた、パンが自分の人生だったな。安全でおいしいパンを届けていきたい、今の時代にニーズのあった商品を作っていきたい」