「人を殺して死刑になるためにきた」青木政憲被告（34）が初めて語る「ここは私にとって仮想空間」「もう二度とプレイしない」長野4人殺害事件の裁判員裁判が結審

青木政憲被告（2023年5月）

長野県中野市で男女4人が殺害された事件の裁判が結審し、弁護側は「被告は妄想に支配され、心神耗弱の状態だった」として、死刑を回避するよう求めました。最後に被告は「人を傷つけて申し訳ない」などと初めて自らの心境を述べました。

殺人の罪などに問われている中野市の青木政憲被告（34）。

起訴状などによりますと、2023年5月、散歩中の女性2人と駆けつけた警察官2人をナイフと猟銃で殺害したとされています。

9月4日から始まった長野地方裁判所の裁判員裁判で、青木被告は黙秘を続け、「責任能力」と「量刑」が主な争点になっていました。

24日の公判で検察側は、「他に類をみない悪質な犯行で、刑事責任は極めて重大。妄想症を考慮しても死刑を選択することはやむを得ない」などとして、死刑を求刑しました。

26日の最終弁論で弁護側は「被告は妄想に支配され犯行当時、善悪の判断力が著しく低下した心神耗弱の状態だった」などと主張し、死刑を回避するよう求めました。

最後に発言を求められた青木被告は、「私は異次元の存在から迫害を受け、人を殺して死刑になるために来た」とボソボソと話し始めました。続けて、「もう二度とプレイしない。被害を受けた人には埋め合わせがあるだろう。中の人たちを傷つけて申し訳ない。ここは私にとって仮想空間なので、プレイという表現になった」と初めて法廷で自らの心境を述べました。

青木被告は初公判からすべての質問に「黙秘します」と答え続けていましたが、最後の公判で意見を聞かれ、初めて自分の言葉で語りました。

裁判は26日で結審し、10月14日に判決が言い渡されます。