産経新聞 長野版で毎週木曜に掲載されている、「NBS アナウンサーブログ VOICE」の記事をご紹介するページです。
アナウンサーがテレビで見せる顔とはまた違う一面を、コラムを通してお届けします!
汾陽美樹 「言葉でつながるひととき」
(2025年6月26日掲載)
先日、NBSアナウンサーによる朗読会を行いました。アナウンサーの仕事というと、ニュースや司会、リポートなどさまざまありますが、ナレーションや朗読といった「声」だけで伝えることも大事な仕事です。今回の「朗読」は高齢者施設を利用されている方々に向けて行いました。
日本昔話や落語絵本など3冊の本を朗読したのですが、「いいね~」「上手」「懐かしい」という声や、拍手、笑いなどさまざまなリアクションをいただきました。普段はカメラに向かって話すことが多いので、こうした直接の触れ合いは心温まるものがありました。
また、高齢の方向けに語りをゆっくりはっきりしたり、役になりきって声色を変えてみたりなど工夫をすることで、声だけで伝えることの難しさや楽しさを再発見でき、改めて自分を見つめ直す貴重な機会となりました。施設利用者の方々の笑顔も見ることができ、良い交流の場になったと実感しています。今後もこうした地域の方々との触れ合いの場を増やしていきたいです。
重盛赳男 「コナンに沸く信州」
(2025年6月19日掲載)
興行収入100億円を突破した大ヒット映画「名探偵コナン 隻眼の残像」。物語の舞台は、信州!南牧村の野辺山宇宙電波観測所や、長野県庁などが描かれ、県民なら「おっ!」と感じるシーンが多くあります。
作品の舞台を実際に訪れる、いわゆる「聖地巡礼」も盛んで、夕方のニュース番組「NBSみんなの信州」(月~金、午後6時9分~7時)でもお伝えしています。私も先日、南牧村を訪問。観測所や周辺の飲食店は多くのファンであふれ、まさにコナンフィーバー!街のそこかしこにポスターや飾り付けなどがあり、住民も盛り上がりを歓迎しているようでした。さらに、村は今月、小海線の利用促進や駅周辺の活性化を目指してJR東日本長野支社と連携協定を結び、誘客につながるさらなる動きを見せました。
信州は、ほかにもさまざまな作品の舞台となっていて、多くのファンが訪れます。映画などのロケ地にと、撮影誘致の動きも活発です。こういった流れは、地域を活性化するカギの一つとして、今後も注目されそうです。
久保 結 「信州生活2年目突入」
(2025年6月12日掲載)
気づけば信州で暮らし始めて間もなく1年。四季の移ろいの美しさに、日々心を奪われています。中でも心に残っているのが、天龍村の中井侍で見た茶畑の風景です。
山あいにぽつりと現れた茶畑。眼下にはエメラルドグリーンの天竜川が流れ、急峻な斜面に広がるその姿はまるで「秘境」のようでした。取材では、天龍村に移住し茶畑を営む方にお話をうかがいながら茶摘みを体験。「機械で摘むこともできるが、人の手で摘むという景色も残していきたい」という言葉が印象的でした。
「幻のお茶」とも呼ばれる中井侍のお茶。爽やかな香りとともに柔らかな甘さが広がるそのおいしさはもちろん、鳥のさえずりを聞きながら、五感でお茶を楽しむ時間は格別で豊かなひと時を過ごせました。
信州には自然とともに生き、長い年月をかけて紡がれてきた風景がたくさんあります。信州2年目もひとつひとつの出会いに感謝し、その魅力をお伝えしていきます。
土居通徳 「はじめまして!」
(2025年6月5日掲載)
今年4月、長野放送に入社しました、新人アナウンサーの土居通徳(どい・みちのり)です。大学まで大阪で育ち、就職を機に長野県に来ました。趣味は17年続けている剣道です。また最近、一眼レフのカメラを購入し、休みの日は信州の観光地を巡り、フォトグラファーさながら景色や自然を写真に収めています。
そんな信州の魅力を少しずつ体感している私ですが、今は先輩方からニュースやナレーションなどの技術を教わり、日々頑張っています。
5月1日に「初鳴き」を迎えることができました。「初鳴き」とは、アナウンサーの放送デビューのこと。初めてテレビでニュースを読んだのですが、今振り返ると、朝から心臓がバクバクで、人生で1番緊張していました。
研修を通じて、少しずつできることが増えるとうれしいですが、一方で課題は山積みです。正確に情報をお伝えして、長野県民の皆さまに信頼してもらえるアナウンサーになるべく、道のりを一歩ずつ歩んでいきたいと思います。よろしくお願いします!
松山航大 「後輩の姿に思うこと」
(2025年5月29日掲載)
長野放送に入社して、12年目。気づけば…と言いたいところですが、振り返ると結構いろんなことがありました。スポーツ実況も、地域の取材も、うまくいったこと、反省が残ること、いろいろです。そうした一つ一つが、今の自分をつくっているのだと思います。
そうした中、この春、私にとってちょっとした変化がありました。男性の後輩アナウンサーが入ってきたのです。名前は土居通徳。剣道一直線の、真っすぐな男です。緊張しながら原稿を読んでいる姿を見ていると、自分にも、ああいう時期があったなと。どこか懐かしさを感じます。
ただ、その姿を見て、ふと思いました。自分は今、後輩にとってどんな存在なのだろうと。この仕事に慣れてしまってはいないか。まだ学ばなければいけないことがあるのではないか。後輩の頑張る姿に、そんなことを考えさせられます。
真っすぐな後輩の成長を楽しみにしながら、自分もまた、一歩ずつ前へ進んでいきたいと思います。
毛織華澄 「爽快!!トレッキング」
(2025年5月22日掲載)
先日、取材で松本市の上高地に行きました。空気はひんやりとしていましたが、木々が新緑に色づき初夏の訪れを感じました。目の前に広がるのは、雄大な山々と透き通る梓川。九州出身の私にとって、この景色は写真や映像では伝えきれない圧倒的な美しさ。多くの外国人観光客が行き交い、上高地が世界中の人を魅了していることを実感しました。
梓川沿いを歩き、澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込むたび、自然の中に身を置く喜びを感じました。歩みを進めるごとに穂高連峰が近づき、どっしりと構え訪れる人を待っているようでした。上高地ならではのグルメも堪能し、取材でありながら気分はすっかり旅人です。
取材した内容は、今週24日(土)「土曜はこれダネッ!」(午後6時~7時)で放送予定です。また来たいと思う、信州が世界に誇る絶景をお伝えします。上高地のお店の方に話を聞くと、「朝方と夕方の上高地の景色も圧巻」とのこと。次はいつ行こうかスケジュール帳とにらめっこしています。
小宮山瑞季 「一本桜が見てきた景色は」
(2025年5月15日掲載)
暦の上では夏となり、強い日差しが降り注ぐようになった信州。日中は半袖で過ごせる日も多くなってきましたね。体感的には、短かった春…ですが、今年も立派な桜に出会えました。
高山村を取材で訪れると、そこには、地域を見守るようにたたずむ一本桜の姿が。村一番の長寿桜「坪井のしだれ桜」は、樹齢なんと推定600年。それでも元気に淡いピンク色の花を咲かせ、訪れた人々を魅了していました。
このしだれ桜を見に来た御年91歳の女性は、桜の樹齢を知ると、「ご苦労なことだわ」と一言。人生の大先輩の言葉で、人間よりはるかに長生きしている桜のすごみに気づきました。
あの場所に600年…桜からは、私たちの生活の移り変わり、地域の変化はどう見えているのでしょうか。どんな苦労があって、今があるのでしょうか。桜が見てきた景色に思いをはせるとともに、桜のように力強く、豊かな毎日を過ごし、また来年桜にいい報告ができるよう歩もうと心に決めた一日でした。
宮本利之 「新人アナウンサー登場」
(2025年5月8日掲載)
消防職員が日頃の職務で体験したことを通じて、業務に関する提言や取り組むべき課題などについて発表する「意見発表会」が先日長野市で行われ、審査員を務めさせていただきました。
壇上に上がったのは1都9県の代表者で、制限時間5分の中で、伝えたい思いを、声色を変えたり、身ぶり手ぶりを交えたりと、舞台俳優さながらの振る舞いで訴えていました。一般市民の命を守る消防職員の真っすぐな視線が、心の底に刺さりました。
この4月、NBSに新人アナウンサーが入社しました。ニュース原稿読みや、リポート、伝え手としての心構えなど、プロのアナウンサーとしてテレビ画面に登場するための訓練を積み、先日デビューを果たしました。
職業は違えど、アナウンサーも災害報道などを通じて、人々の命を守る役割を担っています。あの日出会った消防職員に負けない真摯な姿勢を持ち続け、県民に信頼されるアナウンサーに成長することを願っています。名前は土居通徳。どうぞお見知り置きください。
汾陽美樹 「貴重な10分間」
(2025年5月1日掲載)
今年の「立夏」は5月5日。最近は汗ばむ暑さの日も多く、春から初夏へと移り変わろうとしていますね。季節の移ろいをゆっくり楽しみたいところですが、仕事や家事、育児であっという間に1日が終わってしまいます。そんな最近は「10分間」を大切にすることを心がけています。
忙しい日々の中で1時間、2時間を捻出するのは大変ですが、10分ぐらいならできそうだと思いませんか? 例えば、いつもより10分早く起きて部屋の掃除をする。まったりコーヒーを飲む。いつもより10分早く家を出てちょっと回り道をして出社する。たった10分早く行動するだけで、なんだか心に余裕が持てるようになりました。
子供がぐずっているときはイライラしがちですが、その気持ちをグッと抑えて10分間ただただ子供を抱っこする。すると意外にも「離して」とあっさり私のもとを去っていき、ご機嫌に遊び始めます。
たった10分。されど10分。この10分間を有効に使い、日々の生活を豊かにしていきたいです。
重盛赳男 「新種目スキーモで五輪へ」
(2025年4月24日掲載)
ミラノ・コルティナ冬季五輪の開幕まで300日を切りました。日本も、アイスホッケー女子代表が出場が内定するなど、徐々に選考が始まっています。
先日、スキーモの日本選手権を取材しました。スキーモ(別名・山岳スキー)は、ミラノ・コルティナ冬季五輪で追加種目に採用された競技。雪上のコースを、スキーで滑る・登る、板を外して走って登るの3つを組み合わせて進み、タイムを競います。
今回初めて観戦しましたが、スピーディーさや、装備の移行動作「トランジット」の速さもタイムに反映されるというユニークな競技性など、見ていて飽きないワクワクするものでした。男子優勝の、木島平村在住の島徳太郎選手も、「ギア(道具)を用いた競技ならではの面白さを体感してほしい」と語りました。
今回表彰台に上がった選手を中心に、12月のW杯を戦い、五輪の出場選手が決まります。日本出場のハードルは高いものがありますが、スキー大国信州からも、新種目に熱視線が注がれるでしょう。
久保 結 「いろとりどりの春の便り」
(2025年4月17日掲載)
季節はすっかり春になり、各地から続々と花の便りが届くようになりました。信州に来るまでは、春の花見というと桜一択だった私にとって、その話題の一つ一つが新鮮に感じます。
辰野町の福寿草から始まり、安曇野のわさびの花、上田の水仙、千曲のあんずの花など。こんなにも多くの花を楽しむ機会に恵まれ、信州の豊かな自然に癒やされています。
特に印象的だったのは「わさびの花」。ツーンとした辛さからは想像がつかないような小さくて白いかれんな花ですが、15ヘクタールにわたって約30万株の花が咲きそるう様子は圧巻でした。取材の際に摘みたての花を試食させていただくと、フレッシュで爽やかな香りとともに、ふわっとした辛さが鼻から抜けていきました。とてもかわいらしい花にしっかりと辛さがあり、人間でいうところの「ツンデレ」のようで、いとおしく感じました。
季節の話題に富んだ信州。これからも豊富な話題を追いかけて、放送を通してお届けしていきます。
松山航大 「頑張りすぎず、頑張れ」
(2025年4月10日掲載)
新年度が始まりました。入学、入社、さらには転職など、新しい生活がスタートする時期。新たな門出を迎えた皆さん、本当におめでとうございます。
私も入社したてのころは、緊張で肩がこってバキバキだったのを思い出します。新たな場所は、知らない場所、知らない人ばかりということも、気疲れすることがあると思います。
そんなときは、あえて社内のコミュニティーに、ちょっとだけ勇気を出して飛び込んでみることをおすすめします。きっと誰かが温かく迎えてくれるはずです。
でも、仕事とプライベートの境界線はちゃんと引いておくことも大切。社会に出て10年を越えて思うのは、プライベートあっての仕事だということ。
「頑張りすぎず、頑張れ」。私の祖父がよく言っていたのですが、今になってその言葉の意味がよく分かります。
どうか皆さんも、自分らしく。ひたむきに、でもマイペースで。春の風を感じるこの季節、自分自身にもエールを送ってあげてください。
毛織華澄 「次のアニバーサリーへ」
(2025年4月3日掲載)
新年度がスタートしました。私は引き続き「土曜はこれダネッ!」(土曜午後6時・生放送)のMCを担当します。
昨年度、番組は20周年を迎え県民の皆さんから情報を募集し、それをもとに取材をさせていただきました。
「娘が海外で環境保全に取り組んでいる」という情報を元に、タイへ。信州では身近な自然を、タイの人にも体験してほしいと植林活動に取り組む伊那市出身の女性を取材しました。タイでは道端にごみを捨てる「ポイ捨て」が日常化していて、植林をする山にも多くのごみが散乱していました。植林を終えごみを拾いながら下山した時、「拾う苦労を知ると捨てない。自分がきれいにした山を守りたくなる」という現地の方の言葉が印象に残っています。テレビ局だけではたどり着けなかった情報にご縁をいただき、伝えることができました。
「土曜はこれダネッ!」。次のアニバーサリーに向けて、新たな情報を伝えてまいります。新年度も番組をよろしくお願いします。
小宮山瑞季 「みんなのベストショット」
(2025年3月27日掲載)
晴れた日の山並み、子供の笑顔、春を告げる花々…。これらは、夕方のニュース「NBSみんなの信州」に寄せられた写真の数々です。人気の長寿コーナー「みんなのベストショット」。思わず自慢したくなるような1枚を視聴者から募集し、毎日ご紹介しています。
今月からそのコーナーの統括を担当するようになり、応募者に電話で話を聞き、原稿を作成しています。最近特に印象に残ったのは、上田市の女性が送ってくれた写真。息子と愛犬の2ショット写真にコメントで「18歳になった愛犬ががんと診断され、どれだけ生きられるかわからない…たくさんの思い出を作ってあげたい」との内容が。かけがえのない時間や思いを1枚の写真に託し、コーナーに応募してくれたのだと知り、胸が熱くなりました。
心を動かされたものや大切な人との思い出の時間など…写真に込められたたくさんのストーリーと思いを乗せて、しっかりお伝えしていきます。ご応募をお待ちしています。
宮本利之 「春の風物詩 伊那路激走」
(2025年3月20日掲載)
長野放送が番組制作を始めて10年の節目を迎える「春の高校伊那駅伝」が今週末に迫りました。制作陣、技術陣が、持てる力を120%発揮して制作する長野放送の一大イベントです。
レースが行われる伊那市にスタッフが缶詰めとなり、今まさに無事に生放送するための準備作業が大詰めを迎えています。今年も全国から、名の知れた強豪から、全国規模の大会に出場し成長につなげたいというチームまで、男女合わせて190を超えるチームがエントリーしています。
思い返せば、昨年12月の全国高校駅伝では、長野県勢が男女ともに優勝を飾る快挙を成し遂げました。3年生が卒業し新チームで迎えるこの大会で、全国チャンピオンの佐久長聖、長野東がどんなレースを展開するのか。そして世代を代表する逸材がそろう大会で、どんなヒーロー、ヒロインが誕生するのか。高校生ランナーの青春の鼓動をしっかり受け止め、大会の模様を全力でお伝えします。放送は3月23日(日)正午からです。
汾陽美樹 「すべてに感謝」
(2025年3月13日掲載)
昨年4月に育児休業から復帰し、早いもので1年がたとうとしています。振り返ると、たくさんの方に支えていただいた1年だったと感じます。
私が入社当時から変わらず大事にしている言葉は「すべてに感謝」。与えてもらったすべての仕事一つ一つに感謝をして取り組もうと心がけています。育児をしながら仕事をしている現在は、心身ともに疲れてしまうことも多々ありますが、最近は視聴者の方から「同じママさんとして応援しているよ」「共に育児頑張ろう」などと声をかけていただくことが増え、その言葉に何度も励まされてきました。家族や友達、職場仲間、視聴者の皆さんによる仕事面や生活面、心のサポートのありがたみをひしひしと感じています。毎日楽しく仕事ができるのは支えてくださる皆さんのおかげだなと感謝の気持ちでいっぱいです。
4月からは入社10年目の節目の年。日々感謝の気持ちを忘れず、アナウンサーとしても母としても、さらに成長していける新年度にしたいです。
重盛赳男 「恵みの雪」
(2025年3月6日掲載)
豊富に雪が降った今年の信州。ともに夕方の報道番組「NBSみんなの信州」を担当する岸本慎太郎気象予報士とともに、先月、飯山市の「かまくらの里」に行ってきました。
飯山の冬の風物詩で、豊富な雪を生かしたかまくらが立ち並び、中では地元の野菜や肉をふんだんに使った「のろし鍋」を味わえます。当日は大雪で気温も下がる中、かまくらの中は適度に暖かく、冷えた身体に優しい味の鍋が染みました。地元観光局によると、今年は例年より1基多い25基で鍋が味わえ、過去最多の約7000人が来場したとのこと。過去になく忙しかったといい、雪の恩恵を大いに受けたようでした。東京出身の岸本予報士はもちろん、県内出身の私も、北信濃の雪を満喫できました。
一方、雪が多い分、今年は落雪などの事故や、忙しく稼働するロードサービスなどについて、ニュースでお伝えしました。時に恵みに、時に脅威にもなりうる雪。よく理解して、今後も触れ合っていきたいものです。
久保 結 「素直な言葉」
(2025年2月27日掲載)
厳しい寒さが続く中、カンザクラやフクジュソウなど春の花の便りが届くようになりました。卒業や入学、出会いや別れの季節がやってきます。
先日とある小学校で、6年生にとって最後の授業参観の様子を取材しました。6年間を振り返るスピーチが行われ、自身の成長や中学での目標、支えてくれた人への感謝を素直な言葉でまっすぐに伝えている姿を見て、胸がじんわりと温かくなりました。
印象的だったのは「ありがとう」がテーマのスピーチ。「ありがとう」をあいさつと同じくらい大切にしていきたいという言葉が心に残っています。思い返せば、年を重ねるにつれて素直に言えなくなってしまった言葉がたくさんあったと気づかされました。
普段の生活、家族や友人と過ごす時間など、今ある環境は当たり前ではありません。いろんな人の支えがあって生活できていること、あらゆるものへの感謝の気持ちを忘れず、素直な「ありがとう」を大切にしていきたいです。
松山航大 「車輪の唄とケータイ小説と私」
(2025年2月20日掲載)
2月も下旬に入り、卒業の季節が近づいてきました。そんな話題を目にすると、ふとノスタルジックな気持ちになります。
肌寒い空気の中、白い息を吐きながら駐輪場へ向かい、自転車の鍵を開けて校門を出た部活の帰り道。はやりのドラマの話で盛り上がった休み時間。YUIの「CHE.R.RY」やBUMP OF CHICKENの「車輪の唄」を聴きながら読んだケータイ小説。その全てが、今では妙にいとおしく思えます。
何でもない、いつも通りの時間。でも、今振り返ると、戻れない寂しさが込み上げてきます。きっと20年後の自分も、今を振り返って同じことを思うのでしょう。だからこそ、何気ない日々を大切に、かみしめながら過ごしたいと感じます。
卒業を迎える皆さんも、今は実感が湧かなくても、いつかこの瞬間を懐かしく思う日がくるはずです。あなたの「何でもない日常」は、未来の自分にとって、きっとかけがえのない時間になっているはずです。
毛織華澄 「再会」
(2025年2月13日掲載)
今季最強の寒波が到来。暦の上では春ですが、まだまだ寒い日が続きます。
先日、信州の中でも雪深い飯山市へ取材にいきました。雪上を走ることができる「ファットバイク」という自転車に乗り、市内を巡りました。冬の飯山に来たからには、この季節限定スイーツ「バナナボート」を食べよう!と、一軒の菓子店におじゃましました。ふわふわのスポンジに、生クリームとバナナを丸ごと一本包んだお菓子。取材中も地元の方から次々と注文が入り、多い日には100本以上売れるそうです。
そんな中、お店に来た女性が「お仕事がんばっているわね」と声をかけてくださいました。ちょうど2年前の冬、座禅体験をさせていただいたお寺のご夫婦でした。こうして取材でご縁があり再会できることは、九州から来た私にとって久しぶりに家族に会ったような感覚になるうれしい瞬間です。これからも取材一つ一つでつながるご縁を大切にしていきます。
大谷香奈絵 「上機嫌に、ユーモアを!」
(2025年2月6日掲載)
立春を迎え、暦の上では春となりましたね。季節の変わり目に、新年に掲げた目標を見直し、新たな気持ちでエンジンをかけている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私の今年の目標は「生活にユーモアを!」。「ふるさとライブ」(平日午後3時20分・生放送)では、さまざまな芸人さんやタレントさんなどが「ふるさとファミリー」として一緒に番組を盛り上げてくださっています。みなさんに共通しているのが「ユーモアセンスをもち、いつも上機嫌」ということ!カメラが回っていない時間も、思わず笑ってしまうような話で場をあたためてくれ、とても軽やかな空気で本番も進められています。「楽しい!笑う」は、人の心を元気づけ和ませる魔法ですね。
さて、私事で恐縮ですが、このたび第4子出産のため来週のふるさとライブをもって、しばらく産休に入らせていただきます。子育ては、どうしても真剣になるとカリカリしてしまいがち。ふるさとファミリーを見習って、どんなささいなことにも「おもろ!」と思える視点と心の余裕をもち、子供たちとたくさん笑いながら成長していけたらと思っています。
小宮山瑞季 「豪雪地の冬の特産品」
(2025年1月30日掲載)
県内有数の豪雪地・小谷村「伊折集落」。1.5メートルほど積もった雪を重機でかき分け、その下をスコップや手で掘っていくと、雪中キャベツが顔を出しました。
青々とした大玉のキャベツ。秋に収穫せず、根を張ったままの状態で雪の中で熟成することで、甘みと柔らかさが増します。今年は雪が豊富で、例年より10日ほど早く収穫を開始。天候不順で全国的にキャベツは生育不良ですが、伊折では過去にないくらい甘く、最高の出来になったそうです。
夕方のニュース番組「NBSみんなの信州」の取材で収穫を体験。冷たく重い雪は、動かすのにひと苦労で、雪をかぶっているためキャベツの場所もわかりません。その中で、傷つけないように掘り出すのは、大変な作業でした。コツは「慣れ」だということですが、生産者はまるで「キャベツの声を聞いているかのよう」にスイスイ収穫していきます。
生産者の愛情を受けたキャベツは、きらきらと輝きを放ち、甘くうっとりするような味わいでした。
宮本利之 「今年も『ぶらりQ旅』」
(2025年1月23日掲載)
令和7年も、はや3週間が過ぎました。新年の始まりは年度末に向けたラストスパートの号砲でもあります。NBSも大型企画を続々投入予定で、その放送に向けた準備がひそかに進行中です。
その中の一つ、クイズを通して地域の風土や歴史を深掘りする番組「ぶらりQ旅」のロケを先日行いました。シリーズ5回目となる今回の舞台は長野市の善光寺と戸隠です。面白おかしくクイズに答えてもらう番組の性質上、これまではコンビの芸人さんを起用していましたが、今回は趣向を変え、ティモンディの前田裕太さんと俳優・タレントとして活躍中の安田乙葉さんという異色の2人をお迎えました。
初共演となる2人の掛け合いがどんな方向に転がるのか、未知数のなか迎えた取材でしたが、安田さんのコメントの破壊力、それに対する前田さんの受けの多様さ。初めての共演とは思えないほど息ぴったりのやり取りに、現場に同行した私は終始笑いっぱなしでした。放送は2月1日(土)午後4時です。ぜひご覧ください。
汾陽美樹 「新年の目標」
(2025年1月16日掲載)
新年を迎え半月がたちましたが、いかがお過ごしでしょうか。令和7年、どんな1年にしたいですか?私の新年の目標は、「ナレーションの技術を磨くこと」です。
先月、FNS系列のナレーション研修に参加しました。系列の仲間たちの作品を見て、講師の先生方の合評を聞き、私にはない読みのテクニックやレパートリーなどたくさんのことを学ぶ機会となりました。
今回の研修を通して印象に残ったのは「上達への一番の近道はものまねをする」ということ。目標とするアナウンサーやナレーター、落語家のものまねをして「語り」のテクニックを盗み、磨くことで、自分のナレーションのバリエーションを増やすという練習法です。また、内容を読み取り、感じ取ることの大切さや技術的な改善ポイントも細かくご指摘いただき、とても有意義な時間を過ごすことができました。
今後もVTRの内容に応じていろいろな読み方にチャレンジし、“もっと聞きたい”と思ってもらえるようなナレーションを目指していきます。
重盛赳男 「青春の舞台 春高バレー」
(2025年1月9日掲載)
明けましておめでとうございます! 令和7年もNBSをよろしくお願いします。
毎年この時期に開催され、NBSでも放送されるのが、高校生バレーボーラー夢の舞台「春の高校バレー」。私も先日、全国大会の実況の応援として初めて参加してきました。担当したのは、長野県代表の松本国際と岐阜県代表の大垣日大が戦う男子1回戦。インターハイベスト8の松本国際は、磨いてきた高速バレーを展開しましたが、大垣日大の粘り強い守備の前に敗れ、1回戦で姿を消しました。
初参加の私は、大応援に包まれる東京体育館に圧倒されてしまいましたが、そんな環境で、緊張やうれしさ、悔しさ…さまざまな感情と向き合いながらプレーする選手たちに、純粋に頭が下がりました。
試合後、松本国際の選手たちに話を聞くと、下級生からは涙ながら早くも「次こそは」という言葉が。3年間に魂を燃やす高校生たちの青春を感じるとともに、その情熱を次はさらに熱く伝えたいと、私自身も思いを新たにしました。
松山航大 「個人的・流行語を発表」
(2024年12月26日掲載)
先日、今年の「新語・流行語大賞」が発表されました。多彩な言葉をみて、令和6年を振り返りながら、個人的な「流行語」を選んでみます。
まずは「土曜はこれダネッ!」です。4月、4年半ぶりにMCとして番組に復帰しました。試行錯誤の日々ですが、視聴者の皆さんに感謝しながら、来年も明るく楽しく元気よく県内情報をお届けします。
次は「スポーツ実況」。サッカーJリーグやWEリーグの試合を中心に、地上波、配信も含めて多くの試合を担当。年明けには、春高バレー全国大会での実況も控えています。多くの試合を通じて、スポーツの魅力を伝えることの喜びを感じています。
最後は「ラップ日記」。言葉遊びを取り入れた日記をつけ始めました。趣味のサウナでリフレッシュした後、日々の出来事や感じたことを自由な表現でつづることにハマっています。
こうして振り返ると、今年1年は多くの経験を積むことが出来たと感じます。来年は、どんな「流行語」と出会えるのか楽しみです。
毛織華澄 「食リポ精進中」
(2024年12月19日掲載)
アナウンサーは、ニュースや情報を分かりやすく伝えることが仕事です。その中でも私が精度を上げたいと思っているのが「食リポ」です。
「食」をなりわいとしている方の渾身のグルメを、私の言葉で伝えなくてはならない。プレッシャーがある反面、「食」が大好きな私にとって「おいしい」仕事でもあります。
食リポをする上で忘れられない言葉があります。信州1年目、感じることより伝えることに精いっぱいだった頃。飯山市で「富倉そば」を食べたとき、いわゆる「信州そば」とは全く違う味わいでした。香り、食感、のど越し全てが想像と違う。私の感覚が違うのか、でもこの個性を伝えてみよう。「のど越しがいいというよりは、かむごとに香ばしさや味わいが出てくる」と言いました。すると店主が「食べることが好きな人だ。分かってくれてうれしい」と言ってくださいました。
カメラがあっても、「客」としてフラットな立場で素直に感想を伝える。さまざまな表現に悩んでたどり着いたのが、シンプルなことでした。その上で、語彙力を伸ばし伝えていけるよう精進します。
大谷香奈絵 「谷川俊太郎さんの言葉」
(2024年12月12日掲載)
「かっぱかっぱらった/かっぱらっぱかっぱらった/とってちってた」
音読すると、ことばが翻ってスキップするように踊り出し、意味はよくわからないけれどとにかく楽しい!私は月2回ほど小学校の朝の読書時間にボランティア活動で本の読み聞かせをさせていただいています。お気に入りのこの詩を朗読すると、児童たちは目を輝かせて「もう一回!」とリクエストし、自分でも言えるか挑戦してくれます。その姿をみて、言葉の「意味」だけにとどまらない「音楽性」のあるところに毎回魅了されています。
この詩の作者、谷川俊太郎さん。思い返せば、小学校入学時に両親から「いちねんせい」という谷川さんの詩集を買ってもらったことがきっかけで、詩や言葉に興味を持ち、日本語の面白さに触れてきました。
「自分の言葉でしゃべるのが大事。正しいか正しくないかではなく、美しいかどうかを基準にするのがいいと思いますね」。先月他界された谷川さんの言葉は、ことばを扱う職業でもある私にとって深く刻まれていて、子育てするうえでも言葉の「美しさ」「ユーモア」をいつもどこかに携えていたいなと思っています。
小宮山瑞季 「輝きのある毎日に」
(2024年12月5日掲載)
青や黒、茶…様々な色が重ねられ、優しい表情のライオンが描かれました。動物が大好きな小学5年生の堀之内聖さんが描いた作品です。担当する番組「NBSみんなの信州」(月~金午後6時9分放送)の特集で放送しました。
初めてその絵を見たとき、目が離せなくなりました。色の鮮やかさに心が躍り、動物の温かいまなざしは私の心もぽっと温めてくれるようでした。聖さんの生まれたときの体重は、1608グラム。いわゆる低出生体重児でした。しばらくは不機嫌で、笑わない日々が続いたそうです。今も自分の思いを言葉にするのがちょっと苦手ですが、絵には聖さんの強い思いが込められていて、人の心を動かす何かがそこに生きているようでした。
人はどうしても苦手なことに目が行きがちで、どうしてできないのだろうと不安に思うことがあります。私もその1人。でも、聖さんの姿や絵をみて、自分の好きなことを大切に、好きなことを伸ばしていくことが輝きのある毎日につながると感じました。聖さんが描いた絵は、インスタグラムで公開されています。
宮本利之 「未来への責任」
(2024年11月28日掲載)
「広報会議」という企業の広報担当者向けの雑誌に、「土曜はこれダネッ!」(毎週土曜午後6時放送)を取り上げていただくことになりました。ライターの方が、以前、番組20周年をテーマに書いたこのコラムも見て関心を抱いたとのことで、とてもありがたいことです。
番組が大事にしていること、企業広報の方へのアドバイスなど、多岐にわたる質問項目が提示され、取材の日までつらつらと頭の中で答えを探していました。考えたことの一つがこの番組の過去現在未来です。
始まった当初、20年続く長寿番組になるとは誰一人想像しておらず、その時々のスタッフが、より良い番組になるよう努力、奮闘してきたものが血肉となり、バトンを受け継いだスタッフがさらに番組を進化、深化させて今があるということ。過去と現在は、まだ見ぬ未来の「これダネッ!」に責任を負っているという時間軸に思いをはせました。
さて雑誌は年末に店頭に並ぶとのこと。このコラムを読んで関心を持った方、ぜひ手に取ってご覧ください。
汾陽美樹 「笑顔は笑顔を生む」
(2024年11月21日掲載)
「立冬」が過ぎ、暦の上では冬となりましたが、先週は季節外れの暖かさが続きました。ただ、急に12月並みの寒さまで冷え込む日もあり、体が驚いています。寒暖差で体調を崩さないようご自愛くださいね。
さて、日々子育てをしている中で最近よく感じるのは「笑顔は笑顔を生む」ということです。3歳の息子はニンジンが苦手で普段なかなか食べてくれないのですが、先日、豚汁に入っているニンジンを「おいしいね~」と言いながら食べ始めました。なぜ食べたのか理由を聞くと、「ママがニコニコしながら食べていたから」と。息子のその言葉を聞いて心がほっと温かくなりました。「食べなさい」と口で言うよりも態度で示した方が伝わるんですね。以来、子供たちにやってほしいことは自ら楽しんで取り組もうと意識しています。
これは仕事にもつながると感じます。視聴者の皆さんに笑顔になっていただくためにも、まずは自分が楽しみながら情報を発信していきたいです。
重盛 赳男 「アップサイクルで新たな価値」
(2024年11月14日掲載)
役割を終えたパラグライダーの素材を、新たな形に。夕方のニュース番組「NBSみんなの信州」(月~金午後6時9分放送)で紹介した取り組みです。
観光パラグライダーの仕事に携わる須坂市の田子忍さんは、厳しい安全基準のため、数年おきに交換が必要で、今まで破棄するしかなかった古いパラグライダーに着目。2年前から、翼の部分の生地などをバッグやポーチに作り直して販売しています。軽くて丈夫なグッズ作りで「空を飛んだ思い出も引き継ぎたい」という言葉が印象的でした。
これは、不要になったものに新たな付加価値をつけて再生する「アップサイクル」。番組では過去にも、リンゴの木箱を椅子や棚に作り直したり、ホテルで出た空き瓶などをクリスマスツリーにしたりする取り組みをお伝えし、事例は増えている印象です。険しい山々に囲まれ、食べ物や身の回りのものを大切に扱ってきた信州。「不要なものに新たな価値を」という機運は、さらに高まっていきそうだと感じました。
久保 結 「#ゆいスタグラム」
(2024年11月7日掲載)
10月から「土曜はこれダネッ!」(毎週土曜日午後6時放送)のメンバーに加わり、毛織アナウンサーから天気コーナーのバトンを受け取りました。信州1年目ならではの視点で、新鮮な気持ちを胸に旬の話題を追いかけていきます。
コーナー名は「#ゆいスタグラム」。信州の季節の話題を体験し伝えるコーナーで、「いいね」と言いたくなるような写真もあわせて紹介します。10月は実りの秋ということで、稲刈り、クルミなどの収穫体験に行ってきました。美しい景観で有名な上田市の稲倉の棚田は、複雑な地形がゆえに大きな重機が使えずほとんどを手作業で行っているそうです。稲刈りだけでも重労働、それでも手間を惜しまずハゼかけまでしていて、おいしいお米も美しい景観も、保全委員のみなさんの棚田愛あってこそ守られているものなのだと知りました。
これからも体験してみて得たことや気づきを、自分なりの言葉でお伝えしていきます。
松山航大 「思い出のレース」
(2024年10月31日掲載)
先日行われた競馬のレース「天皇賞・秋」。ドウデュースが、後方から目の覚めるような末脚を繰り出して優勝。競馬ファンとして、心揺さぶられたレースでした。
子供の頃、私が「競馬の実況をしたい」と志したきっかけも、「天皇賞・秋」。平成9年、エアグルーヴがバブルガムフェローとの一騎打ちを制したレースでした。競馬 中継で実況していたフジテレビ•三宅正治アナに憧れ、この仕事を目指しました。
小学校の卒業文集には、「アナウンサーになる」と書きました。そこから10年以上、「将来の夢」は変わらず。好きな実況を文字に起こしたり、声に出したり、色々とやったことを思い出します。念願かなって、今の仕事に就くことができました。
今でもほぼ毎週、競馬中継を視聴していますが、自分にとって原点となったレースを見て、過去に思いをはせました。改めて、アナウンサーとして実況できることに感謝しながら、日々研鑽を積みたい。そう思わされたレースでした。
毛織華澄 「「信州スケッチ」から多くの学び」
(2024年10月24日掲載)
朝晩が肌寒くなり、ようやく秋を感じる気候になってきました。「土曜はこれダネッ!」(毎週土曜日午後6時放送)は、10月から新たに久保アナウンサーが加わり、これまで担当してきたお天気コーナーをバトンタッチしました。
丸2年、計90回放送した「モーリーの信州スケッチ」は、私が気になる季節の話題を紹介しイラストを描くコーナーです。自分でリサーチし、撮影、編集をしていました。信州の四季折々の風景・食・文化から多くのことを学び、ご縁が結ばれました。なかでも、南箕輪村のフクロナデシコの花畑で、駅から送ってくれたタクシー運転手の方の「地元でも知らなかった、良い縁をありがとう」という言葉を鮮明に覚えています。信州の皆さんにかけてもらった全ての言葉が活力になりました。これまでご覧いただきありがとうございました。
これからのお天気コーナーは久保アナがさまざまなことを体験し、伝えていきます。パワーアップした「土曜はこれダネッ!」を引き続きよろしくお願いします。
大谷香奈絵 「台風19号災害から5年」
(2024年10月17日掲載)
5年前のあの日。みなさんはどのように過ごしていましたか?
私は東京の実家で、長男を里帰り出産した後、ちょうど長野市に戻ってきたところでした。テレビに映る現実とは思えない濁流が町に流れ込む映像、それがすぐ近くであるという恐怖、せわしなく聞こえてくるヘリコプターの飛び交う音…。乳飲み子を抱えながら震え上がった記憶は、今でも鮮明に覚えています。
5歳の誕生日迎えた息子をそばに、その年月の重さを想像するきょうこの頃ですが、5年の節目にあたる今年、あらためて「防災」について考える大切な機会を迎えています。19日(土)午前10時45分から放送の長野市政番組「ふれ愛ながの」では、被災地域の「今」の様子や取り組みをお伝えするべく、さまざまな方たちにお会いしました。前を向いて頑張っている人、心の傷が癒えずもがいている人、それを支えようとする仲間…。
異常な気象状況が多発しているいま、未来を生きるこどもたちのためにも、災害の恐ろしさを伝えることはもちろん、安心して暮らすための方法を地域や家族と探り続けていくことが大事なのかなと感じています。
小宮山瑞季 「自分ができることを」
(2024年10月10日掲載)
先月、奥能登地方を襲った豪雨。死者は10人以上。住宅や車が川に流されたり、土砂崩れが起きたり、大きな被害が出ています。
元日に発生した能登半島地震からの復興の半ばで起こった今回の災害。どうして…。災害の恐ろしさや無残さを感じました。家の周りに積み重なる流木、泥にはまって動けなくなる車。その状況を見ていると、あの時の悲惨な様子が脳裏に浮かびました。
まもなく発生から5年となる「令和元年東日本台風災害」。台風19号の影響で県内は記録的な大雨となり、千曲川流域などで氾濫が相次ぎました。発災直後から取材に入ると、穏やかで自然美しいはずだった場所が、流れ込んだ泥で真っ黒に染まった現実とは思えない光景が広がっていました。その中で復旧活動を行う団体の代表から、「私たちは泥出し作業を、小宮山さんにはこの状況を伝えてほしい。それぞれのできることを、できるだけ」と言われました。
災害の記憶を風化させてはならない。自分のするべき行動を見つめ直している10月です。
宮本利之 「世界で奮闘する信州人」
(2024年10月3日掲載)
今年、番組スタートから20周年を迎えた「土曜はこれダネッ!」では、視聴者の皆さんからさまざまな情報を募集しています。その中で、伊那市在住の家族から「タイで環境保全活動に取り組む娘(智実さん)を応援してほしい」との情報が寄せられ、タイの様子を、先月21日の「土曜はこれダネッ!秋の大感謝祭」で放送しました。
取材から見えたのは、むやみな森林の伐採は麓の集落の水不足を引き起こし、生活に大きな影響を与えること、豊かな森を再生するために植林活動の最前線で智実さんが奮闘していること、同時にその集落の生活基盤を支えるため収入を増やすことに知恵を絞っていることなどです。
活動を続けて20年以上になる智実さんは、タイの人たちから全幅の信頼を得て、地域とともに歩んでいることが、映像から伝わってきました。強さと優しさにあふれた信州人が世界で活躍していることを紹介できるのは、私たち番組制作者の大きな喜びです。タイ取材の模様は「NBS公式YouTube」で配信中です。番組を見逃した方はぜひごらんください。