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産経新聞 長野版で毎週木曜に掲載されている、「NBS アナウンサーブログ VOICE」の記事をご紹介するページです。
アナウンサーがテレビで見せる顔とはまた違う一面を、コラムを通してお届けします!

汾陽美樹 「育児で身に付けた対応力」 (2024年4月18日掲載)

 ご無沙汰しています。この春、1年半ぶりに育児休業から職場に復帰し、視聴者のみなさんや、「おかえり~!」と温かく迎えてくれたNBSの仲間のおかげで楽しく仕事をさせていただいています。
 間もなく3歳と1歳半になる2人の子供とはだいぶ意思疎通ができるようになってきました。ただ、まだまだこちらの思いが伝わらないことも多く、急いでいる時に限って全然話を聞いてくれず、「早くして!」と叫びたくなる時がありますが、その声掛けは逆効果で、憎たらしいくらい反抗してきます。
 そうした中、心がけているのは「全力で演技をすること」。「あ! 早くしないとオバケが来ちゃう!」と怖がってみせるとおもちゃの片づけをはじめたり、なかなかトイレに行かせてくれない時は「あれ? トイレの場所忘れちゃった…」と困った様子を見せると、「こっちだよー!」と案内してくれたりと、面白いように素直に行動してくれます。
 日々の育児で鍛えられている臨機応変な対応を仕事でも生かしていきたいなと思います。

重盛赳男 「数字で見る伊那駅伝」 (2024年4月11日掲載)

 3月末、伊那市で「春の高校伊那駅伝」が開催されました。「駅伝の新人戦」とも言われる全国最大規模の高校駅伝で、北は北海道、南は沖縄から、男子127チーム、女子54チームが出走。NBSでは男子のレースを生中継しました。
 数字で男子のレースを振り返ります。127チームは過去2番目の規模。昨年12月の全国高校駅伝(都大路)出場の47校中30校も出走し、質・量ともに高レベルでした。
好記録も誕生! 京都・洛南の優勝タイムは2時間6分56秒で、歴代2位の好タイム。準優勝の佐久長聖の2時間7分47秒も2位としては歴代最速で、地元校の意地を見せました。区間新記録も6区間中3つで生まれ、近年の長距離界の高速化が、ここでも見られます。
 「春の伊那路を制する者は全国を制す」の言葉通り、過去10年で3つの優勝校がその年の都大路を制しています。さらに8位以内の入賞校いずれかが優勝する確率に至っては、なんと100%! 上位に注目すれば、陸上競技観戦がさらに楽しくなりそうです。

松山航大 「「ふるさとライブ」卒業」 (2024年4月4日掲載)

 3月末で、番組スタートから4年半MCを務めてきた「ふるさとライブ」(平日午後3時20分放送)を卒業しました。
 情報誌「長野Komachi」とのコラボコーナーや、浜このみさんのクッキングコーナー。今では放送されていませんが、毎週、県内各地を取材した街歩き企画など、思い出深い取材が多いです。特に思い出に残るコーナーが「長野県関連トレンドワードチェック」。毎日、検索エンジン「Google」で「長野県」と一緒に検索されたトレンドワードを解析し、ランキング形式で紹介しました。当日の朝に取材、構成をしていくので、かなりヒリヒリする場面もありましたが、「信州のトレンドを視聴者の皆さまへ」という思いを胸にお伝えしました。「フォーカス∞信州」でも、このコーナーから派生した番組が放送されました。
 ご協力いただいた方々、そして視聴者の皆さまへの感謝の気持ちでいっぱいです。4月からは新たな担当番組で県内を盛り上げていきますので、よろしくお願いいたします!

吉岡 麗 「信州での3年間」 (2024年3月28日掲載)

 今年度もあと少しということで、信州生活3年間を振り返ってみました。
 2021年春、入社直後に仲間入りした「土曜はこれダネッ!」では、さまざまな場所に取材に行かせていただきました。「いつも見ているよ!」 この言葉に支えられここまで来ることができました。同時に担当した天気コーナー「ウラランド」では、信州の四季に触れ、いろいろな場所でたくさんの方とお話ししたり踊っていただいたりしました。皆さんの優しさや温かさに触れ「地域の方々と触れ合うことの楽しさ」を身に染みて感じました。本当にありがとうございます!
 そして、「フォーカス∞信州」の取材では3年連続の登山。最近、登った山を見る機会があり「あそこに登ったんだ」と思うと感慨深く、自分の脚と体力にも少しだけ誇りを感じました。険しい登山道は苦労もありましたが、美しいアルプスの景色・雄大さは圧巻で今でも目に焼きついています。
 信州での素晴らしい3年間に感謝をして新年度を迎えたいと思います。

毛織華澄 「北陸新幹線延伸に期待!」 (2024年3月21日掲載)

 3月も後半、県内にも少しずつ春の便りが来ています。ただ、まだ肌寒い日が続くので、体調管理が大切な時期ですね。
 最近のビッグニュースといえば、「北陸新幹線!敦賀延伸」です。「土曜はこれダネッ!」(毎週土曜午後6時)でも、延伸開業当日の様子や福井の魅力スポットをお伝えしました。福井県に取材に行くと、北陸新幹線への期待で県全体がワクワクしている雰囲気がビシビシと感じられました。各地からの観光客を出迎えるため、福井駅前には、“恐竜王国”福井ならではの「ティラノサウルスのロボット」が設置されていました。そのモニュメントを見ながら、「福井が注目されるチャンスだから、何気なく通っていた駅前も誇りに思える」と70代の女性が話してくれました。
 長野県に新幹線が開通したときも、皆さんこんな気持ちだったのかな、県内はもちろん県外から来る方に長野県の魅力ももっと伝わってほしいなと考えながら、ど迫力のティラノサウルスロボットを眺めていました。
 これから福井県から長野県に来る方、北陸新幹線で長野県に立ち寄る方がもっと増えることを期待したいです。もうすぐ新年度、信州をもっともっと深掘りできる取材をしてきます!

小宮山瑞季 「思い出の卒業ソングは?」 (2024年3月14日掲載)

 いよいよ卒業シーズン。別れと出会いの季節がやってきました。卒業式では、歌で友人や先生に感謝を伝えることも多いですよね。
 私は中学生のとき、「旅立ちの日に」を歌いました。「勇気を翼に込めて 希望の風に乗り この広い大空に  夢を託して」。別れは寂しく、新生活への不安もありましたが、これからの出会いや自分への可能性を信じたい、そう思わせてくれるすてきな曲でした。
 みなさんにとっての思い出の卒業式ソングは何でしょうか?夕方のニュース番組「みんなの信州」でアンケートをしたところ、世代により曲も選び方も違うことがわかりました。40代から上は「仰げば尊し」、30代から下は「旅立ちの日に」を歌った人が多かったのです。 
 さらに、今では曲を生徒・児童が選ぶ時代に…。Jポップの曲を歌う学校もあります。歌う曲は変わっていっても、卒業式の思い出はそれぞれの曲とともに、心の中に刻まれていくのでしょう。卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

宮本利之 「ダブル受賞に寄せて」 (2024年3月7日掲載)

 このコラムで、以前、FNSソフト工場「オモシロ未来体験 モシモの21世紀」(3/15からTVer/FODで配信)という番組について書きました。これは、フジテレビ 系列局のバラエティー番組のコンペでNBSの企画が採用され制作した番組で、このほど、採用7番組の中で「最優秀」に選ばれまた。24回を数えるソフト工場でNBSが「最優秀」を獲得するのは初めてのことです。
 これに先立ち、同じくフジテレビ 系列局のノンフィクション・ドキュメンタリー番組による「FNSドキュメンタリー大賞」で、家族の看取りをテーマに描いたNBS制作の「最期を生きて〜看取り支える訪問診療〜」が「大賞」に選出されています。前者は制作部、後者は報道部が制作しました。
 それぞれ普段の番組の土俵は異なりますが、放送を通じて、社会の今を、生活を豊かにする情報を届けたいと奮闘する現場の思いが実を結び、皆の励みになる受賞となりました。番組制作に終わりはなく、今この瞬間も日々の放送に向き合い、同時にいつか実現したい番組の構想を練りながら毎日を駆け抜けています。今後のNBS制作番組にぜひご期待ください!!

重盛赳男 「「駅伝王国」信州 強さの理由は?」 (2024年2月29日掲載)

 1月に広島県で行われた「全国都道府県対抗男子駅伝」で、長野は大会新記録の3連覇で、歴代最多10回目の優勝を果たしました。チームの中心・佐久長聖高校は、去年の全国高校駅伝で優勝。女子の長野東高校はおととし全国制覇と、まさに信州は「駅伝王国」です。
 その理由を、夕方のニュース番組「NBSみんなの信州」で追究しました。標高が高く起伏に富んだランナーに適した「環境」、世代を越えて頻繁に開催される「合宿」、伝統的に熱量の高い県民の「駅伝愛」…さまざまな背景が、強さを支えているようでした。
 3月24日には、全国から集う「春の高校伊那駅伝」が開催されます。中継に向けて県外校を取材すると、多くの地元企業やボランティアに支えられ大会への地域の理解の深さをうらやむ声も聞かれました。選手のがんばりと県民の関心が結びつき、駅伝が信州に「文化」として根付いていることが強さの根幹にあると実感し、誇らしい気持ちにもなりました。

松山航大 「青春バラエティー爆誕!「学校テレビ」」 (2024年2月22日掲載)

 長野放送では、若者をターゲットにした特別番組の制作を進めています。その名も「学校テレビ」。架空の生徒会「信州∞生徒会」が、長野県内の学校の良いところやスゴい若者たちを見つけて、全力応援する青春バラエティー番組です。
 生徒会長は、松本市出身でダンス&ボーカルグループ「FANTASTICS」パフォーマーの澤本夏輝さん。「バズバズ部」のコーナーでは、澤本会長と私が、県内の学校を訪ねて「バズりそうな人」を探します。
 生徒会メンバーとして、乃木坂46公式ライバル「僕が見たかった青空」から柳堀花怜さん。佐久長聖高校パフォーミングアーツコースから誕生したアイドルグループ「7限目のフルール」の岡澤唯さんが出演。独自の視点からリサーチした県内の学校ニュースを、全力でプレゼンします。
 「学校テレビ」は、3月2日(土)午前10時45分から放送。TVerやFODでの見逃し配信も予定しています。とにかくロケは大盛り上がり。今から放送が楽しみです。ぜひご覧ください!

吉岡 麗 「レトロ喫茶店の魅力」 (2024年2月15日掲載)

 先日、「土曜はこれダネッ!」(毎週土曜午後6時放送)の取材で地域の皆さんに愛されている喫茶店を取材しました。
 私自身カフェ巡りが趣味。仕事ではありましたが、店こだわりのコーヒーやおいしいスイーツをいただけて幸せな時間でした。プライベートでは、コーヒーチェーン店や新しいカフェに行くことが多いのですが、今回「喫茶店」の魅力にも改めて気づかされました。
 昭和の雰囲気が色濃く残る店内には、ゆったりとした時間が流れているようで、居心地の良さを感じます。とあるお店のマスターは、コロナウイルスの流行や高齢化などで客が減少する苦労もあったそうですが、「毎日真面目に続けることが大切」と話していました。こうした辛抱もあって、常連客だけでなく新規のお客さんにも愛され、また地域に根付く存在としてあり続けるのだなと感じました。そして、それぞれのお店にカラーがあり心温まりました。
 取材した模様は、17日の「土曜はこれダネッ!」で放送予定です。

毛織華澄 「雪を満喫」 (2024年2月8日掲載)

 今年に入り、もう1カ月がたちました。暦の上では春になるこの時期。県内も南の方では福寿草などが顔を出し、一足早い春の訪れを知らせています。しかし、信州はまだまだ冬の寒さが続きますね。
 信州2年目の冬は、「雪」を満喫しています。この1カ月、スキー場の取材で4カ所のゲレンデ、飯山市では冬の風物詩「かまくら」の取材と、雪を堪能してきました。飯山市のかまくらは、九州生まれの私にとって、何とも幻想的な光景です。遠くから見るとポコポコしていて、童心に帰るというか、心躍る景色です。お邪魔した日も、海外からの観光客でにぎわい、皆さんかまくらの中で名物「のろし鍋」を味わっていました。香港からの女性は「これが日本の冬ね」と感動していて、やはり世界に誇れる風景が信州にあるんだと実感しました。
 県内にいると当たり前の風景も、世界が感動する残していくべき文化。改めて信州の雪にほれた瞬間でした。

小宮山瑞季 「命の重さ」 (2024年2月1日掲載)

 能登半島地震により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。発災からきょうで1カ月。まだまだ不自由な生活を強いられている状況をニュースで目の当たりにし、心が痛みます。1日でも早く普段の生活に戻れるよう祈っております。
 そうした中、被災地のペットの保護も必要となっています。松本市で約30年間、犬の保護を行っている池田良子さん。個人で保護活動を行っていて、塾講師や動物病院での仕事を掛け持ちして活動に必要な費用を調達している状況です。それでも犬を保護するのは、1つの大切な命を見捨てられないから。池田さんは今回の地震を受け、「万が一に備えておくべき」と話しています。近辺に避難できるところがあるか確認したり、人間と同様に備蓄や持ち出しグッズを準備したりすることも重要です。
 ペットも大切な家族…、多頭飼育崩壊など悲しいニュースが後を絶ちません。1つの命を預かる責任感を持って、その命を守る行動をお願いしたいです。

宮本利之 「テレビの世界にいらっしゃい!」 (2024年1月25日掲載)

 テレビの仕事について話してほしいという依頼が時々舞い込みます。先日、県内のある小学校から話があり、出向きました。さまざまな職業に携わる人たちに声を掛けているそうで、警察官や動物園の飼育員、企業経営者など11の職種の人たちが集まり、子供たちにその仕事の魅力や社会に果たす役割を説明しました。
 参加したのは高学年の児童。自分自身、小学生時代に将来の職業について夢や目標を抱いていたかと聞かれれば漠然とはあったかもしれませんが、具体的な行動を起こすことはなかったように思います。今の子供たちも似たり寄ったりなのか、時代の変化に伴い意識がアップデートしているのか、そんなことを思いながら、少しでもテレビの世界に憧れを抱いてもらえればと、取材、原稿作成、編集、テロップ準備など、番組作りの流れを語りました。
 この日参加した子供たちが、数多(あまた)ある職業の中からテレビに関心を持ち、一人でも長野放送の門をたたいてくれたらうれしいなと、学校を後にしました。

重盛赳男 「都大路取材こぼれ話」 (2024年1月18日掲載)

 去年暮れに京都で行われた全国高校駅伝で、男子の佐久長聖は、大会新記録の2時間1分0秒で6年ぶり3回目の優勝。女子の長野東は、5位入賞でした。私も現地で選手たちの活躍を見届けました。
 佐久長聖は、優勝候補としての重圧もあったのか、レース後競技場に戻った選手たちは安堵(あんど)の表情を見せ、抱き合う様子も。ただ、あと1秒で2時間0分台だったことに、アンカー篠選手は「悔しいですね」、高見沢監督は「欲が出ますよね」と苦笑いでした。この日はクリスマスイブで、永原主将は「いいクリスマスプレゼントが届いていたら」と県民へのメッセージを口にしました。
 前回初優勝の長野東は、ケガ人もあり「メダル獲得」から急遽(きゅうきょ)変更した順位目標通りで「これ以上ない結果」と横打監督は朗らかでした。ただ、最後の競り合いで4位の高校に敗れた2年生の窪田選手は「次はエース区間の1区を任せてもらって、走りで貢献したい」と雪辱を果たす構えで、来年度の更なる成長が楽しみです。

松山航大 「春の高校バレー 全国大会で実況」 (2024年1月11日掲載)

 高校生バレーボーラー日本一決定戦「春の高校バレー」。新年4日から東京体育館で行われた大会は、男女合わせて104チームが出場し、長野県勢の男子の岡谷工業、女子の都市大塩尻の試合はNBSで放送、また全102試合配信も行われました。
 例年、フジテレビのアナウンサーに加えて、系列各局のアナウンサーも加わり実況を担当します。私は2回目で、今大会は2試合を担当しました。1試合目は、男子1回戦、岡谷工業(長野)vs雄物川(秋田)の伝統校対決。2試合目は、男子2回戦、前橋商業(群馬)vs浜松修学舎(静岡)。4年ぶりに解禁となった制限なしの応援は迫力満点で、会場の熱気の高まりを感じました。
 アナウンサーや解説者は、同じ控え室で作業や打ち合わせを行います。他局のアナウンサーの実況を聴いたり、先輩にアドバイスをもらったり、刺激的な空間でした。青春をかけてプレーする高校生の思いをどれだけ伝えられたか、自問自答の場。実況で表現できるよう、さらに研鑽(けんさん)を積みたいと考えさせられました。

吉岡 麗 「令和5年の収穫」 (2023年12月28日掲載)

 令和5年も残すところわずか。今年も一年ありがとうございました。
 この一年は、コロナ前の状態に少しずつ戻ることができたのが大きな収穫でした。取材時には、マスクを外せるようになったことで、皆さんの表情・笑顔がよく見えるようになり、人柄や温かみを感じることができました。
 そうした中、番組以外で戻ることができたのは、対面形式での絵本の読み聞かせです。会社近くの小学校で毎年、読書旬間に合わせ児童たちに絵本の読み聞かせを行っています。ここ3年はコロナ禍でリモート形式だったので、私にとって初めての対面形式。児童の皆さんが笑ってくれたり、真剣な眼差しで聞いたりしてくれるのがすごくうれしかったです。
 一方、絵本を読んで毎回思うのは、声色を使い分けるのは難しいなということです。みんなの心に響くように読むためにも日頃から声の表現力を磨き、精進していかなければと思いました。
 令和6年も、新しい体験や出会いを通していろいろなことを感じる一年にしたいです。
 

毛織華澄 「年の瀬の準備」 (2023年12月21日掲載)

 12月に入り、今年を振り返る時期になってきましたね。私が担当している番組「土曜はこれダネッ!」のお天気コーナーでは、「松本だるま」を取り上げました。取材は安曇野市の玄蕃稲荷神社へ。ふさふさとした眉に、丸いヒゲが特徴の松本だるま。九州生まれの私にとって、だるまは厳格な迫力ある顔のイメージでしたが、松本だるまはほっこり安心する、そんな表情であることに驚きました。
工房で一人黙々とだるまを制作する山田さんという女性は、幼い頃から神社の手伝いをしていたそうです。父の跡を継ぎ、年間約3000個のだるまを制作しています。「父から『お前は何千個のだるまを作っているかもしれない。ただ、買う人にとっては大事な一つ。心を込めろ』と言われた。その言葉を大事にしている」と話してくださいました。
 信州の四季を丸ごと取材してきた令和5年。去る年に思いをはせながら、来年もまたさまざまなご縁があることを願います。

小宮山瑞季 「母校で新たな決意を」 (2023年12月14日掲載)

「こんにちは」冷え込みが厳しくなった信州で、子供たちがぽかぽか笑顔で迎えてくれました。先月、私が通っていた上田市の小学校で、創立150周年を記念した式典が開かれ、司会を務めさせていただきました。
 20年ぶりの母校。懐かしの校舎に入ると、噴水で豪快に遊んだこと、学校で飼っていた犬に休み時間のたび会いに行ったことなど、思い出が一気によみがえってきました。そして、アナウンサーを目指す1つのきっかけとなった放送委員長としての活動も…。先生に学内放送をほめられたことがうれしかったのです。
 最後に、会に出席していた当時の校長先生からある質問をされました。「楽しい小学校生活を過ごせましたか?それだけが僕の願いだったから」。先生、私にとって学びの多い楽しい6年間でした。小学生のときの一つ一つの経験がいまの私に通じています。後輩たちに恥じないよう、さらに成長した姿をお見せできるよう精進していきます。そう、母校で決意を新たにしました。

小川功二 「高校スポーツの魅力」 (2023年12月7日掲載)

 年末年始、高校スポーツが多く開催される時期になりました。駅伝、ラグビー、サッカー等の全国大会が次々と開かれます。
 私が注目するのは年明けの「春の高校バレー」です。全国大会出場をかけた県大会決勝で女子の実況を担当し、選手たちそれぞれの思いを取材しました。3年生は高校生活最後の大会だという熱を帯びた言葉。2年生は先輩と後輩の間に立つバランスに配慮したコメント。そして1年生はフレッシュな意気込みなど、さまざまな声が聞かれました。
 バレーボールは試合に出られない選手たちも多い競技です。控えの選手たちは試合で戦う仲間のためにコートサイドやスタンドで応援し、チームを支え共に戦います。部活動を通してチームワークを学ぶというのは高校生にとって大きな経験、成長の場だと感じます。
 春の高校バレー全国大会は新年1月4日に東京体育館で開幕。男子は岡谷工業、女子は都市大塩尻が県代表校として出場し、NBSで放送を予定しています。高校生たちの青春ドラマに目が離せません。

宮本利之 「タダキさん、安らかに」 (2023年11月30日掲載)

 肝内胆管がんは憎い病気です。尊敬する先輩の命、そして大好きな作家の命をあっという間に奪いました。
 「伊集院静」絶妙な四つの漢字の組み合わせに惹(ひ)かれ手に取ったのが、エッセー「あの子のカーネーション」。三十数年前のことです。名前の通り、静謐(せいひつ)で心にしみる文体にすっかり魅了され、以来、新刊が出る度に書店へ急ぎました。
 自宅の本棚に並んでいる背表紙を見つめていると、その時々に自分が置かれていた状況と重なり合い、氏の著書に励まされていたのだと、今さらながらに感じます。ひたむきに働く男たちの姿を温かいまなざしで描いた「冬のはなびら」は応援歌のような小説です。仕事への向き合い方の本質を突いた物語は、今でも私の指南書です。
 ギャンブルと酒が大好きで、その上とにかく女性にモテる。豪放磊落(らいらく)な生き方は、大切な人を事故や病気で失う悲運と隣り合わせでした。そして花々を慈しむ繊細な心が、作品に品格と安らぎを添えていました。心からご冥福をお祈りします。本名・西山忠来、その作品は私の心の中で生き続けます。

重盛赳男 「信州スポーツの新たな可能性」 (2023年11月23日掲載)

 フットサルとストリートダンスの「掛け合わせ」で、信州を盛り上げる!今月開催された、フットサルFリーグ・ボアルース長野と、一般社団法人長野県ストリートダンス普及協会がコラボしたイベント「ストリートダンスの日」。私は、そのMCを担当しました。
 イベントは、フットサルの試合の合間にダンスコンテストを行い、最優秀チームがハーフタイムで踊るというものです。イベント前から互いのSNS上で連携したり、当日も審査員をチーム関係者が務めたりと、がっちり手を組んでの開催でした。試合後にはダンサーが客席でボアルースを応援。初めて観戦するという人もいて、そのスピード感や迫力に驚いていました。それぞれの「種目」に取り組む人が、お互いの魅力を新発見できるような機会でした。
 スポーツチーム数も、ダンスなどの「都市型スポーツ」も拡大傾向の信州。互いの魅力を認識し、ともに盛り上げるような機会が増えると、新たな可能性が広がると感じた一日でした。

松山航大 「春高は青春です」 (2023年11月16日掲載)

高校生バレーボーラーの青春「春の高校バレー」。来年1月に東京で開催される全国大会行きの切符をかけた長野県代表決定戦が今月12日に行われ、私は男子の実況を担当しました。
男子決勝は、前回大会の代表校、松本国際と、去年惜しくも準優勝に終わった岡谷工業の対戦でした。11年連続同じ顔合わせとなった因縁の対決は、一進一退の攻防の末、岡谷工業がリベンジを達成。2年ぶり31回目の全国大会出場を決めました。
実況を担当するアナウンサーは、決勝に向け事前に有力校へ出向いて取材を進めます。選手や監督と直接話をして、その思いを引き出していく大事な仕事です。
試合後、コート外からチームを支えてきた3年生の選手と話をする機会がありました。「自分の名前を呼んでもらってありがとうございました」その言葉を受けて込み上げてくるものがありました。選手はもちろん、実況するアナウンサーにとっても「春高」は青春です。

吉岡 麗 「ようこそ信州へ!」 (2023年11月9日掲載)

 新型コロナウイルス感染症が5類移行後、地元・愛知の友人が信州に遊びに来る機会が増えました。
 まだまだ信州での生活歴は浅いですが、住んで約2年半。取材やプライベートで県内各地を巡った経験をもとに、友人を案内することが最近の楽しみの一つです。訪れる友人には、事前にどんなところに行きたいか、何が食べたいかなどを聞き、それに沿ったプランを考えています。おいしいそばに自然と一体となったようなオシャレなカフェ、絶景を望めるスポットなど。お気に入りスポットを紹介したり、気になってはいたけどまだ行ったことのない場所を一緒に開拓したりしています。
 観光を満喫し「長野県はいいところだね!」と友人たちが喜んでくれる姿を見ると、信州の魅力を感じてもらえたかなと、とてもうれしい気持ちになります。
 これからも、大好きな人たちに大好きな信州を案内できるように私自身も日々勉強し魅力をたくさん発見していきたいです。

毛織華澄 「アナウンサー研修へ!」 (2023年11月2日掲載)

 先日、東京・フジテレビで行われたアナウンサー研修へ参加しました。系列局の1~4年目のアナウンサーが集まっての研修。コロナ禍で、系列の仲間と会う機会がなく、緊張しながら長野駅をたちました。
 研修はボイストレーニングやリポート実践、災害報道、実況など…。系列局の大先輩が熱い指導をしてくださいます。その中で、「アナウンサーは『知性』と『信頼感』があって成り立つ」ことを改めて気づかされました。一生懸命伝えること、情報に敏感になることを心がけていても、「温度感」をのせて伝えられているか…。発信している情報は、皆さんにしっかり届いているのか。安心してみてもらえているだろうか。自分の中でさまざまな反省や課題が見つかった貴重な時間でした。
 一方で、研修は仲間と直接会って意見交換をすることで、刺激を受け、頑張るぞと誓う機会でもあります。大切な仲間が全国で頑張っている。それが心の支えにもなります。学んだことを信州のために生かせるよう、またコツコツと精進していきます!

小宮山瑞季 「あの時を思い出して」 (2023年10月26日掲載)

 くりっとした瞳に、サラサラのロングヘア。今年発売から56年を迎えたリカちゃん人形の展示会が、須坂市で開かれています。
 昭和42年に販売が始まった初代はきりっとした表情で、当時流行していたミニスカートなどを着用。2代目はローラースケートを履いたリカちゃんが登場し、松田聖子さんや中森明菜さんが大流行した頃に販売されていた3代目は、アイドルをイメージしたファッション。現在に続く4代目は、髪型や肌の色もさまざまで多様性があります。その時代の流行を反映した人形とあって、訪れた人たちは、「懐かしい」「誰と遊んでいたか思い出す」と話していました。
 リカちゃん人形のように、あるモノや音楽に触れると、当時を思い出すということはよくあると思います。その中に、「テレビ」の存在はあるでしょうか?あの時に話題になっていた番組、あのCM…長野放送は来年、開局55周年を迎えます。日々のわかりやすい情報はもちろん、何世代にもわたって語り継がれる番組作りを続けていきたいものです。

小川功二 「人と波紋 “広がる輪”」 (2023年10月19日掲載)

 秋の休日。温泉の露天風呂に入っているとき、雨がしとしと降ってきました。内湯に逃げ込もうとしたその時、落ちた雨粒から無数の波紋が湯面に広がっているのを発見。いくつもの輪ができては消えていく様子が、まるで花火のように美しく思わず見入ってしまいました。
 人間関係は「人の輪」のようだと表現されますが、大きく広がりながらそれぞれが交わる波紋は社会の縮図のようです。雨粒が大きく重くなると波紋はより大きくなり、小さく軽いと波紋も小さくなります。人で例えるなら雨粒は個人の「影響力」と言ったところでしょうか。
 近年は若者を中心にSNSが流行しています。インターネットを通じて、知らない人と急に「友達」になり連絡を取り合うことができる環境は、まるで「デジタルの波紋」。人間関係の形は時代と共に変化していると感じます。
 昭和生まれの私は、日々「考え方が古いな」と反省しがちですが、この令和の時代、改めてコミュニケーションとは何だろうと考えさせられてしまいます。

宮本 利之 「忘れない あの日の記憶」 (2023年10月12日掲載)

 4年前の今日、台風19号は、千曲川流域に大きな被害をもたらしました。
 土曜日だったあの日、私は「土曜はこれダネッ!」プロデューサーの立場にありました。台風接近により次第に激しくなる雨の情報は入ってきましたが、長野市にあるNBS本社周辺は雨の降り方はそれほど強くなく、同時に過去の経験から台風の雨雲は長野県の周囲にそびえる高い山々が壁となって蹴散らしてくれる…。そんな思いもあり、番組の中で情報の出し方に、戸惑いを覚えていたことを記憶しています。惨状はみなさんご存知の通りです。
 振り返ってみると、台風19号災害以前にも、九州一帯や岡山、広島などで未曽有と形容される豪雨災害が繰り返されていました。地球の気候変動の影響とも言われる自然災害は過去の経験をはるかに超える怖さをはらんでいます。あの日、番組で災害に直面している視聴者にもっと寄り添うことが出来ていれば…。悔やみきれない苦い思いは今も何かの折に顔を出します。その苦い記憶を決して忘れないと、改めて胸に刻んでいます。

重盛赳男 「県勢にも期待!パリ五輪へ300日切る」 (2023年10月5日掲載)

 まさに「沖縄の歓喜」!この夏開催されたバスケットボールのW杯で、日本は48年ぶりに自力で五輪出場をつかみました。元B1信州のホーキンソン選手の活躍に目が離せない県内ブースターもいたのでは?
 パリ五輪まで300日弱。日本の出場が決まった競技もあれば、まもなく選考という競技も。自転車マウンテンバイクも、今月末のアジア選手権の優勝者に出場権が与えられます。先日「NBSみんなの信州」では、去年の男子覇者、北林力選手を紹介。白馬村出身でスキーの全中優勝経験もあり、そこで培った「下り」が武器です。加えて近年は、世界の舞台で経験を積み、気負わず走れるようになったとのこと。マウンテンバイクを整備する弟、仁さんとの二人三脚で、パリへの切符を狙います。
 同じく番組で紹介した小林あか里選手も、アトランタ五輪代表の可奈子さんを母に持つ女子の有力選手。山岳豊かな「マウンテンバイク王国」信州の選手に注目です。番組でも、パリ五輪への県勢の活躍を追いかけます!

松山航大 「アナウンサーの一日」 (2023年9月28日掲載)

 「アナウンサーって普段どういう仕事をしているの?」と聞かれることがあります。今回は私が担当している「ふるさとライブ」MCの1日をご紹介します。
 出社は午前9時半。まず番組の名物企画「県内ローカル新聞チェック」で取り上げるネタを探し、先方に連絡を取り、電話で追加取材をします。11時半から天気コーナーの構成に取り掛かります。お昼休憩は正午から午後1時。社内の喫茶室でパスタを食べたり、お弁当を食べたり、息抜きの時間です。同僚のアナウンサーと昼食を取ることもしばしば。
 1時から日本気象協会と天気コーナーの打ち合わせやテロップなどの発注。その後は2時半からのリハーサルを待ちながら、その他の番組の作業、例えばスポーツ実況の資料を整理したりCMナレーションの録音をしたりします。3時前にはリハーサルが終わるので、化粧をして3時20分からいよいよ本番…という流れです。
 NBSアナウンサーは、テレビの前の視聴者を思い浮かべながら、日々仕事に励んでいます。応援よろしくお願いします!

吉岡 麗 「土曜はこれダネッ!秋の大感謝祭」 (2023年9月21日掲載)

 いよいよ、あさって23日(土)に、NBSが総力を挙げるスペシャル番組『土曜はこれダネッ!秋の大感謝祭』(正午~午後3時・午後6時~7時)を放送します。県民や視聴者の皆さんへ感謝の思いを込めて放送する番組です。スペシャルゲストにますだおかだの岡田圭右さん、なすなかにしの2人を招き、合計4時間の生放送です!
 企画も盛りだくさんで、出演者は先月から今月にかけて、さまざまな取材をしてきました。私は幻の食材をゲットする「食材ハンター」になったり、なすなかにしの2人をナビゲートするグルメツアーに行ったりしてきました。
 はっちゃんと相方の阿部健一さんは、信州で感謝を叫ぶべく八ヶ岳登山へ。さらに放送当日と翌24日、松本住宅公園では『感謝のグルメフェス』を開催。私もありがたいことに番組コラボメニューを考案させていただきました。
 年に一度の感謝祭。いつも番組を見てくださっている方への感謝の気持ちを胸に、明るく元気にお伝えしていきます!ぜひご覧ください。

毛織華澄 「2年目突入!」 (2023年9月14日掲載)

 厳しい残暑が続きますが、朝晩は涼しくなってきましたね。去年9月に入社した私も信州に来て1年がたちました。この1年で信州の春夏秋冬を感じ、四季折々の風景や季節のスポットが数多くあることに驚きました。
 信州に来たばかりの実りの秋。おいしさに出迎えてもらいました。そして冬、寒さの中にも雪の美しさ、厳しさを感じました。その冬を乗り越えて色鮮やかな春、キラキラ輝く新緑の夏。季節の移り変わりが楽しみになったのは信州に縁があったからだと感じています。
 先日、伝統野菜「糸萱かぼちゃ」の取材で、茅野市に行ってきました。実は、去年も取材でお世話になった同じ農家さんを訪ねました。番組を見て「すっかりなじんだね」と言われ、うれしく、少しホッとしました。
 信州という土地に慣れ、初心を楽しんだ1年目。2年目は少し目線を変えて、皆さんがほっこりできる、信州の魅力を再確認できるような情報をお伝えできたらと思います。2年目もよろしくお願い致します!

小宮山瑞季 「母への感謝」 (2023年9月7日掲載)

 今年4月、長野市に子育てラウンジができました。開設したのは、高校3年生の子供を持つ女性。実は、県外での“ワンオペ育児”により、産後うつになってしまった経験があります。周囲に頼れる人がおらず、涙を流す日もあったそうです。
 この経験から、「つらい思いをしている母親や家族の気持ちを軽くしてあげたい」と、子育て支援の会社を設立。子供だけでなく、悩める親に寄り添うケアをしています。
 このニュースをお伝えしたとき、私の母の姿が浮かびました。働きながら、私と弟を育ててくれた母。学校から帰っても、仕事で家にいないことは当たり前。寂しい思いもありましたが、今思えば一番寂しさを抱いていたのは、母だったのかもしれません。つらい状況の中、頑張って育ててくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
 いまつらい思いをしている方がいたら、施設を含め周りを頼って下さい。私たちはニュースを通して、少しでも皆さんの悩みが軽くなるヒントをお伝えしていきます。

小川功二 「おばあちゃんと駄菓子」 (2023年8月31日掲載)

 明日から9月。学校では遠足や野外学習が多くなる季節です。
 私が小学生の頃、これらの学校行事でクラスメートの間で話題になったのが「おやつ」。駄菓子を持参する子供たちが多くいました。固形ラムネや棒状スナックなど、駄菓子の味やデザインは令和の時代になってもほぼ変わりません。
 その一方で変わってしまったのは、駄菓子の「店」を見かけなくなったこと。お小遣いの百円硬貨を握りしめ、駄菓子店のおばあちゃんからお菓子を買う過程は私たちに小さな「経済」を教えてくれました。親たちにとっておばあちゃんは人生の大先輩。「あの駄菓子店なら」と、安心して子供たちを買い物に送り出せるほど、信頼を寄せていました。
 モノや情報にあふれ便利な世の中になったいま、子供たちの安全を脅かす事件や事故が多くなりました。目に見えない信頼関係で各世代をつないでいた駄菓子店を懐かしく思い出すとともに、今の時代、その存在に替わるものは何だろうかと考えさせられてしまいます。

宮本 利之 「いよいよ53年目がスタート!」 (2023年8月24日掲載)

 今から52年前の今日8月24日と明日の間には私にとって1本の大きな線が引かれています。この世界に自分が存在していたかそうでないかの境目です。やがてこの世を去る時に、もう1本の線が引かれ、自分史が完成するわけですね。
 お盆に帰省した折、両親と昔話に花が咲きました。自分の記憶からすっかり抜け落ちていたもの、同じ思い出の中にも自分の目には入っていなかったものなど、思いがけない発見がたくさんありました。わが身に起こったことですら曖昧模糊としていることに、愕然とするやら笑ってしまうやら…。
 さて、生きてきた時間の出来事はもちろんですが、私たちは1本目の線の前の世界についても、書物や文献、さまざまな資料から学ぶことが出来ます。過去現在に謙虚に学び、その学びから一歩でも二歩でも前に進む気持ちは持ち続けたい。想像と成長の翼を広げる53年目でありたいと思っています。