
スペインにそば栽培を勧める(提供:山崎さん)
山崎さんがスペインと交流するようになったのは2007年。
交流事業の一環でそば打ちを披露してほしいと頼まれ現地のイベントに参加。大学で学んだスペイン語が役立ちました。
その場限りの交流で終わらせたくないー。
そう思った山崎さんは、気候が適していると感じたソバ栽培を現地の行政に勧めるなどして交流を深め、スペインに「信州そばを広める」という夢を持つようになりました。

山崎さんとイグナシさん(2019年取材)
そして、そば打ちを学びたいと来日したスペイン人の指導にも当たってきました。
イグナシ・カロンジャさん:
「ちょっとたいへん。1回、2回、3回と(打つのは)。でも楽しいです」
イグナシさんは旅行で日本を訪れた際、初めて食べたそばの味が忘れられず、山崎さんの元にやってきました。
山崎良弘さん(2019年):
「彼がそば屋をスペインでやりたいと来てくれた。私にとっても夢がかなうぞと喜んで」
半年間住み込みで働き、客に提供できるほどの腕前に。
イグナシ・カロンジャさん:
「スペインの人においしいと思ってもらえるそばを打ち続けたい」
帰国後は日本食レストランで働きつつ、不定期でそばを提供。ファンを増やしているそうです。

開設セレモニーで山崎さんがそば打ちを披露(提供:山崎さん)
地道な普及活動が実を結び、バルセロナに開設された「信州そば道場」。ここではイグナシさんがそば店や講習会を開き、信州そばの魅力を広める予定です。
山崎さんも現地へ赴き、そば打ち道具一式を寄贈。記念すべきオープニングでは「師匠」自らそばを打ち、振る舞いました。
山崎良弘さん:
「(弟子たちは)日本と同じレベルのそばを広げたいということで情熱を持っていますので、そば打ち道場ができることは、彼(弟子)も自分自身にとって大きなチャンス」

日本祭りでそば打ちを披露(提供:山崎さん)
今回の訪問では、バルセロナから車で1時間半ほどの町で開かれた「日本祭り」にも参加。
弟子の1人・ジェニスさんが2022年から企画・運営するイベントで、山崎さんも毎年そば打ちを披露。年々、日本食への熱の高まりを実感しています。
山崎良弘さん:
「日本食というものがものすごく、もうブームを超えて定着してますね。そばのことを好きになってくる人たちが確実に増えてきてるなという手応えは感じております」