コロナ禍...大量に余ったビール 消費期限のない「蒸留酒」に 『食品ロス削減』 地域の企業がタッグ

コロナ禍...大量に余ったビール 消費期限のない「蒸留酒」に 『食品ロス削減』 地域の企業がタッグ
特集は食品ロスへの取り組みです。長野県佐久地域のビール製造会社と酒造会社がタッグを組み、コロナの影響で大量に余ってしまったビールを消費期限のない「蒸留酒」につくり変え販売を始めました。

ヤッホーブルーイング・高井良暢さん:
「甘みが口に含んだ瞬間にきて、その後ヒノキの苦みがきて、キリっと引き締まる感じ」

ストレートでもカクテルとしても楽しまれる蒸留酒のジン。創業360年、佐久市の戸塚酒造で特別な「ジン」が販売されています。

(リポート)
「きのうから販売が始まりました、こちらの蒸留酒。実は、原料はビールなんです」

「未来ヅクリ2021」(4290円税込み)。

コロナに負けないという強い思いが込められています。

戸塚酒造・井出徳秋さん:
「ビールを捨てずに何とか商品にできた。感無量です」

新型コロナの感染拡大で飲食店は休業や時短営業を余儀なくされ、酒類の消費も大きく落ち込みました。

クラフトビールをつくるヤッホーブルーイングも自社レストランなどでおよそ6000リットル、大瓶1万本近くのビールが余ってしまいました。

ヤッホーブルーイング・山崎紗也加さん:
「私たちが大事につくったビールが非常にもったいないことになってしまい、何とか皆さんにお届けしたいと...」

賞味期限は3カ月から9カ月ほど。廃棄処分が迫る中、佐久市の「戸塚酒造」にビールを蒸留してつくるジンを共同開発したいと持ちかけました。

アルコール度数が高く細菌が繁殖しにくいジンは、基本的に消費期限はありません。

戸塚酒造杜氏・西村和彦さん:
「(話が来る)その前から、社長が『日本酒と焼酎だけでなく、スピリッツ(蒸留酒)もつくろう』と相談していて..."渡りに船"ではないですが、ちょっと挑戦してみようと」

すぐにジンづくりがスタート。8月、余ったビールの蒸留作業が行われました。作業を2度繰り返すことで、アルコール度数はおよそ8倍の44度まで上がります。

(リポート)
「色味は無色透明...これが黄金色のビールから出来上がったなんて、不思議ですよね。さわやかなヒノキの香りが広がります」

ヒノキや、山椒、オレンジピールなど8種類のハーブやスパイスを製造工程で漬け込み香りも工夫しています。

余ったビールからつくられた特別なジン。10月にようやく完成しました。

ヤッホーブルーイング・山崎紗也加さん:
「それぞれのボタニカルやビールの味わいが一気にきて、その後、口の中で広がる仕上がり。本当にうれしい限り。困った時にお互い助け合えるコミュニティーもこのプロジェクトの中で得られたのでとても良かった。いい関係性が築けたと思っています」

食品ロスも防ぐ今回の取り組み。ジンは戸塚酒造の店頭や通販サイトで数量限定で販売され、売上金の一部は食品ロスに取り組む団体などに寄付するということです。