【特集】亡き女性店主の味を再現 4年ぶり復活!バングラデッシュカレー "素人同然"の男性が挑戦

 【特集】亡き女性店主の味を再現 4年ぶり復活!バングラデッシュカレー "素人同然"の男性が挑戦
特集は、カレーの復活です。4年前に女性店主が亡くなってから休業していた長野県上田市のカレー店が先日、再び営業を始めました。店とカレーを復活させたのは、素人同然だった男性です。

スパイシーな香りが漂う厨房。5月2日は、浜重俊さんにとって「記念すべき一日」となりました。

浜重俊さん:
「4年ぶりにカレーのお店『白扇』が復活、開店させていただくことになりました」

ここは、上田市鹿教湯温泉のカレーの店「白扇」。この半年、浜さんは亡き女性店主のカレーの再現に取り組み、休業していた店を再オープンさせたのです。

「白扇」のオープンは1999年。生田千鶴子さんが一人で切り盛りしていました。人気メニューは、バングラデシュのシェフ直伝のカレー。スパイスが効いた本格派で、都内から通うファンもいるほどでした。

しかし、2017年5月、千鶴子さんは突如、この世を去りました。胃がんが見つかってからわずか3週間後のことでした。

千鶴子さんの夫・淳一さん:
「もともとせっかちな性格だったが、病気になってから亡くなるまで本当に駆け足のように逝ってしまって」

店内は、最後の営業日・2017年5月2日のまま。夫の淳一さんは4年間、片づけられずにいました。

2020年11月、淳一さんが営むコーヒー店をたまたま訪れた浜さん。千鶴子さんのエピソードと店内の様子にひらめくものがありました。

浜重俊さん:
「最後の日の注文票もそのまま。3年間、本一冊、茶わん一個、何一つ動いていないと感じた、それが衝撃的で。自分が感動した、感激した、そういうもの、そういうシーンに出会うと、どうしてもそこから離れられなくなる。これやりたいと思ったら止まらない」

わさび農場に勤務する浜さん。料理の経験はほとんどありませんでしたが、夫の淳一さんに店の復活を申し入れ、千鶴子さんのカレーの再現に乗り出します。

すると、強力な助っ人が現れました。軽井沢町に店を構える新保浩司さんは、千鶴子さんのカレーのファンでいわば「弟子」にあたる人物。快く協力を引き受けてくれたのです。

Cafeフォルテ軽井沢・新保浩司さん:
「15年も通い続けた大ファンなので、何かしらお手伝いして恩返しができたら」

新保さん監修の下、試食会を開くことに。玉ねぎは、あめ色になるまで炒めます。

浜重俊さん:
「(料理)やったことないんですよ。最初はお父さんの日曜料理くらいの、それをだんだんステップアップ」

千鶴子さんのメモを頼りにスパイスとニンニク、ショウガを調合。火加減に気を付けながら1時間ほど煮込み、カレーが出来上がりました。試食会には、千鶴子さんを知る鹿教湯温泉の仲間が集まりました。

かつてのカレーを知る人:
「胸がいっぱい。優しかった千鶴子さんを...」

再現は上出来。再オープンの準備を進めることになりました。

「白扇」復活の日は千鶴子さんが最後に店を開けた5月2日。止まっていた「時」が動き出しました。

浜重俊さん:
「お待たせしました。バングラデシュカレーの中辛口です」

カレーを食べた人:
「とってもおいしかったです。こだわったカレーで、体にいいカレーになっていると思った」
「初めて食べた味。スパイス加減もちょうどよくておいしい」

かつて、千鶴子さんは店をさまざまな人が集い、語り合う場にしようと心がけていました。

千鶴子さんを知る人:
「久しぶりに味わわせていただきました。前の千鶴子さんといろいろお話しなど楽しみにしてましたから。このお店が復活してくれることは喜ばしいことだと思います」

千鶴子さんの夫・淳一さん:
「人が集まれる場所として細々でいいから続けていきたいと思ってやってきたので、そこへ人が戻ってくださるのはありがたい」

営業は当面は週末のみ。浜さんは天国の千鶴子さんに良い報告ができるまで店を続けたいと話します。

浜重俊さん:
「今回のこの唐突、無鉄砲な行動自体もこれで良かった。いつか誰からも認められるカレーを作った時に、初めて天国の千鶴子さんにようやくここまでたどり着けましたとご報告ができる。ちょっと馬力をかけて頑張ってみたい」