【特集】懐かしさこみ上げる"保育園カフェ" 木造の園舎を改装 京都からの移住夫婦が切り盛り 

【特集】懐かしさこみ上げる"保育園カフェ" 木造の園舎を改装 京都からの移住夫婦が切り盛り 
特集は、長野県須坂市にある使われなくなった保育園にオープンしたカフェです。信州が好きで京都から移住した夫婦が営んでいます。遊具や木造の園舎に懐かしさがこみ上げてくると評判です。

ジャングルジムに滑り台。そして鉄棒。園舎は、築50年以上の木造です。ここは、かつての「豊丘保育園」。

5年前まで、園児の元気な声が響いていましたが、建物の老朽化で保育園は2016年に別の場所に移転。こちらの園舎は、しばらく使われていませんでした。

しかし、今は、おしゃれなカフェになっています。

「ケーキ茶房みやび」。教室の一つをリノベーションして2018年にオープンしました。カウンターに立つのは、店主の吉田博司さんです。

カウンターの内側は...。

ケーキ茶房みやび・吉田博司さん:
「これは園児たちの元カバン置き。部屋の隅にあったんですよ。それを外してそのまま持ってきて裏板張って」

カフェにはケーキ店が併設されていて、コーヒーなどとセットで味わうことができます。園庭を眺めながら過ごせるテラス席もあります。

客は:
「使われなくなった建物が、また日の目を浴びるところがいいと思った」
「すごい素敵な場所だと思います。発想がすごいと思う」

他の教室や廊下はほぼ当時のまま。今にも園児たちの声が聞こえてきそうです。

ケーキ茶房みやび・吉田博司さん:
「リノベーションして元の面影がないところは関西でも多い。お客さんで卒園生の方とか先生が来て懐かしそうに見て回るので、このカフェの部分だけで、面影は残していく」

吉田さんは京都府出身。消防士として40年間勤務し、指揮隊長などを務めました。消防一筋の人生を送ってきましたが、プライベートでは信州に何度も足を運んできました。

ケーキ茶房みやび・吉田博司さん:
「スキー、キャンプで夏や冬のレジャーといえば長野県に来ていた。ずっと憧れを持っていた。そこに住むことができたらいいなというのは思っていた」

嘱託職員を終えた65歳のとき、信州で暮らそうと地域おこし協力隊に応募。須坂市で採用され、空き家バンクなどの担当となりました。最初は気質の違いに戸惑ったといいます。

ケーキ茶房みやび・吉田博司さん:
「人前で話す機会が多かったんですけど、長野県の人は非常にまじめで、こちらの冗談が全然、通じない、ウケないなと焦りました。まじめということは信用できますから、人間関係で疲れることはないです」

もっと住民と関わりたいと思っていたころ、地区の役員から「使われなくなった園舎を地域の活性化につなげられないか」と相談されました。そのとき、浮かんだアイデアが「カフェ」でした。

ケーキ茶房みやび・吉田博司さん:
「田舎で車の関係もあるからお酒を取り扱うよりは、カフェにしとこうかなというところに、ちょうどケーキ屋さんの縁があって、ケーキ店さんにぶらさがったらええかなと」

妻・志津子さん:
「昔から自分でこうと決めたことは突き進むタイプだったので、これは止めても無理だから、お好きなようにどうぞって感じで」

ケーキ茶房みやび・吉田博司さん:
「何かしてないと気が済まない性質なんで。ここにいると20歳くらい若返る。気持ちが」

工事は住民の支援もあり3カ月ほどで終え、協力隊員の任期満了後に正式にオープンしました。

ケーキ茶房みやび・吉田博司さん:
「ガスは元のままです。助かります」

厨房は「給食室」をそのまま使っていて、施工費用はほとんどかかりませんでした。吉田さんは、それまで料理の心得はありませんでしたが独学で習得。

生地に「京風だし」を効かせたガレットは看板メニューです。

「生ハムと野菜のガレット」(税込み900円)

客:
「おいしかった。ちょうどいいだしの感じがする」

「京都の味を」と宇治の抹茶が練りこまれた茶そば(税込み700円)も提供。京都から取り寄せた湯葉も添えられています。

ケーキ茶房みやび・吉田博司さん:
「ブロッコリーやりたいけど難しい」

常連客:
「網かけてやればいい。挑戦すればいい、今年」

オープンからまもなく3年。常連客もできました。

常連客:
「(Qこのカフェのどんなところがいい?)スタッフが気さくでゆっくりできるところ。ここへ来たら上品に過ごしてもらうのがいいのでは」

ケーキ茶房みやび・吉田博司さん:
「京都人は上品ですから(笑)」

どこか懐かしく、不思議と落ち着く「保育園カフェ」。吉田さんは、地元の人にとってはサロンのような場所に、外から訪れる人にとっては思い出が甦る場所にしたいと話します。

ケーキ茶房みやび・吉田博司さん:
「地元の人にもっと来てほしい。豊丘は高齢化が進んでいるので、移住者でないとできない雰囲気も維持しつつ、地元の人のたまり場でありつつ、いろんな人も来られる、いろんな方面を考えている」