【特集】コロナ禍の街角で見つけました 心和ます「メッセージボード」と「仮囲いアート」 

【特集】コロナ禍の街角で見つけました 心和ます「メッセージボード」と「仮囲いアート」 
特集は、コロナ禍の街角で見つけたものです。感染への警戒が続く中、長野市では街行く人をほっとさせるメッセージボードを、松本市では元気づけてくれる街角のアートを取材しました。

(ホワイトボード)
『昨夜、県外で寮生活をしている娘から「クリスマスプレゼントを楽しみにしている」とのメールがありました。51才のオジさんが高1女子のプレゼントを考えるのは至難の業です』

長野市川中島で見つけたホワイトボード。メッセージは、平日の毎朝更新されています。

(ホワイトボード)
『長野パルセイロは昇格圏内の2位をキープしました。ここからが本当の勝負になります』
『教員研修のため小学校が休校になっています。町で見かける小学生は決してサボっているわけではありません。念のため...』

内容はスポーツや地域の話題などさまざま。誰が何のために発信しているのでしょうか。

メッセージを書いているのは、ボードを掲げる不動産会社「マイティー長野」の社長・宮下勇人さんです。出社後、まずするのはネタ探し。

宮下勇人社長:
「面白いネタがあればと思ってはいるが、すぐに見つからない時が多いので、いろいろ見ながら探している」

メッセージを掲げるようになったのは、父親から会社を引き継いだ15年ほど前から。以来、朝の日課となっています。

この日は、サッカーがテーマ。

『サッカーアジアチャンピオンズリーグで日本勢3チーム(神戸、横浜、東京)が決勝トーナメント進出を決めました。ここからは3日に一試合の過酷な日程でアジアのチャンピオンが決まっていきます』

宮下勇人社長:
「物置みたいな事務所なので、ここで商売やっていることをほとんどの人が気付いてくれない。ホワイトボードを毎日出すことで、人に気付いてもらえればいいかなと。内容を深く読み込まれると、何のメッセージもないんですけど(笑)」

時には家族のエピソードも...。

『夏休み真っ只中の娘たちは、きょうも朝から元気いっぱい。5時過ぎからカブトムシさがしに付き合わされてきました』
『駅に着いた娘から定期券が無いとの連絡があり、大騒ぎの朝でした。あちこちを探し回り、道に落ちていた定期を偶然にも見つけることができましたが、お騒がせ娘には振り回されっぱなしです』

しかし、今は、微笑ましい話題ばかりという訳にはいきません。

『昨日(8日)は、長野市内で新型コロナウイルスの新規感染者が6人確認されました。さらなる増加が予想される年末年始をどう過ごそうか、毎日家族で話し合っています』

宮下勇人社長:
「このボードを見て、何となくでも共感してもらえれば」

会社があるのは県道沿い。停車中の車から眺める人に、散歩中に見る人も...。

通行人は...:
「『パルセイロが勝った』とか書いてあるから、ここ通る時は見たりしている。なんか気持ちが晴れますね」

社長のつぶやきは、コロナ禍で沈みがちな街の雰囲気を和らげているようです。

宮下勇人社長:
「いろんなことがあっても、毎日こういうことを続けている人がいるんだと、気付いてもらえれば、それはそれでいいかなと」

一方、松本市の大名町通りには、にぎやかなパネルがあります。市内在住の漫画家・高橋ヒロシさんの作品「クローズ」や「WORST」のキャラクターが描かれ、「たまには頑張らないことも大事だぜ」などのメッセージが添えられています。

通行人:
「イラストと言葉が合っている。頑張らないことも大事だよなと思う」

別の通りには、エッセイストでもある鈴木ともこさんが手掛けた、幅18メートルのパノラマ壁画。美ヶ原高原から見渡した松本平の風景が描かれています。

パネルがある場所は、2023年秋に開館を予定している市立博物館の建設地。新型コロナウイルスの影響が続く中、現場を囲うパネルを活用して、街を盛り上げようと施工業者などが企画した仮囲いアートです。

仮囲いアートを企画した菊池伸さん:
「コロナ禍で観光客が減る中で少しでも元気になってくれればと。高橋先生がこれをやってくれるのは普段ではあり得ない話。レアです。松本に対する思い入れも深く、その思いにこういう形で応えられたのもうれしい」

企画に賛同した高橋さんは、このためにイラストを描きおろし、力強いメッセージは、松本蟻ヶ崎高校書道部が書きました。

通行人:
「元気も出るしいいと思う」
「かっこいい。思わず写真撮った。一目ほれ」

コロナ禍の街角にも心和むひと時があります。