濁流に襲われた河川敷で…復興誓う秋祭り 2年ぶりに獅子舞奉納 住民「復興へ向けちょっと前進」

去年10月の千曲川堤防決壊で大きな被害が出た長野市長沼地区。濁流が押し寄せた河川敷の小さな「お社」で17日、秋祭りが行われ、住民は復興を誓いました。

集会所の前に住民が集まってきました。ここは長野市穂保の六地蔵町。去年は堤防決壊の影響で開催できなかった秋祭り「十三夜」を2年ぶりに行います。

獅子保存会メンバー・岩崎弘幸さん:
「うれしいよ、すごくうれしいもん。自分は単純だから顔に表れちゃってるけど、みんなうれしいんですよ」

祭りを心待ちにしていた獅子保存会メンバーの岩崎弘幸さん。寄付で揃えた新しい法被をまとい、集合しました。

「お社」に向けて出発。保存会の道中囃子が地区に響きます。

住民:
「祭り囃子聞こえて、よかったなと。一歩一歩復興に近づいているというかね」

行列は千曲川の河川敷へ―。

1年前、濁流の底に沈んだ場所です。災害によって六地蔵町の住民も住まいを失い、今も多くの人が地区の外で暮らしています。

岩崎さんの自宅も1メートルほど浸水しましたが、修復を終えて夏前に地区に戻りました。

地区では窮地を共に乗り越えようと定期的にイベントが開かれてきましたが、新型コロナウイルスの影響で、獅子舞を奉納する長沼神社の秋祭りは中止されました。

獅子保存会メンバー・岩崎弘幸さん(8月):
「祭りがないと復興じゃないと思う。やらないと。やりたいですよね」

岩崎さんたち保存会の熱意もあり、規模の小さな「十三夜」は行われることになりこの日を迎えたのです。

到着したのは、川べりにたたずむ「伊勢宮社」。水の神さまです。これからの地区の安全を祈り、2年ぶりに獅子舞を奉納しました。

岩崎さんは単身赴任が長く、今も穂保にいるのは週末だけですが、「保存会」は自分の居場所だと感じています。

獅子保存会メンバー・岩崎弘幸さん:
「リンゴ農家じゃないので、保存会があるからみんなと付き合えるようになった。穂保が好きだし特別ですね」

雨で早めに切り上げましたが。無事、祭りができました。

獅子保存会のメンバー・岩崎弘幸さん:
「去年のことも嫌でも思い出しちゃいますよね。だけどここまで来れたなって。やっとちょっとだけ前進です」

住民:
「熱い思いを持った人がいっぱいいるので、思いを持ち続けて活動していければ」

氏子総代:
「きょう集まったことがすべて結果であって、これが今の、穂保区の六地蔵町のまとまりかな。頼もしいですよね、みんな」

かつてと同じような暮らしはまだまだ先ですが、祭りは次につながる一歩となりました。