コロナで『脱東京』の動き!?長野県は「転入超過」人気の秘密は...移住増加!富士見町 背景に独自支援

富士見町の富士見地区。こちらの建物は、5年前に町が設置したいわゆる「シェアオフィス」です。
利用者(40代):
「千葉県から。3年前に移住してきた形。フリーランスでやらせていただいています」
利用者(30代):
「勤め先は東京です。東京の通勤が嫌でフルリモートにしようと思って引っ越してきた」
働いていたのは、首都圏から移住してきた人たちでした。
富士見町総務課:
「首都圏の人が非常に多いですね。多いのはテレワークの方。コロナをきっかけに非常に多い。(都内から)特急あずさで2時間、高速でも2時間ちょっとで到着できる立地もある」
町の人口は減少傾向ですが、7月と8月は2カ月連続で増加。今年度は150人の減少を見込んでいましたが、半年で5人増えています。
移住者が増えたのが要因で、町に寄せられた移住の相談件数は今年度、6日までで64件。既に昨年度の倍近くになっています。
昔からの住民は...。
住民:
「うちの息子も今、小学生ですけど、同じクラスに東京から来たとか」
「人が減ってしまうよりは入ってきた方が、町も活性化するので良いことだなと」
人気の理由はどこにあるのか。8月に移住してきた男性の自宅を訪ねました。
都内のIT企業で管理職として働く男性。コロナの影響でリモートワークが中心となったのを機に、移住を決意しました。
移住者:
「180度と言っていいほど変わりまして、ほぼ自炊。空気もきれいですし、非常に健康的な生活が送れるようになった」
実は町独自の移住支援策があります。
移住者:
「毎月、家賃と光熱費の8万3000円分を支援していただけると」
町は「森のオフィス」を利用する移住者に月8万3000円、最大12カ月でおよそ100万円を支援します。
また、移住などを目的とした空き家改修への補助制度もあり、利用は昨年度の4件を超え6件となっています。(改修費用の3分の1、最大100万円を補助)
空き家売却を検討中の人:
「別荘で使っていた。住んでくれて、また息を吹き返してくれればうれしい」
環境、首都圏との距離、そして支援制度。これらが移住を「後押し」しているようです。町は一過性で終わらないようサポートしていきたいとしています。
富士見町総務課:
「せっかく多くの人が富士見に関心を持ってもらって移住を検討しているので、われわれもも努力して、(家が)ほしい人、住みたい人に渡せるようにしたい」
他の市町村も今をチャンスととらえています。
先月6日にはオンラインセミナーが開かれ、中野市や千曲市など12市町村が都内などの移住検討者にPRをしました。
大阪から中野市へ:
「中野市って人口に対してのスーパーとかホームセンターの数がすごく多い。住みやすいであろうと仮定して中野に家を買いました」
中野市は大阪からの移住者と市職員がPRしました。
中野市役所担当者:
「少子高齢化で人口減少の時代なので、少しでもそういった流れを食い止めるために移住してきてくださる方を積極的にお呼びして、町の活性化につなげていければという思いでやっている」
移住検討中の参加者は...。
東京在住:
「東京の生活も長いし、別の仕事、新しくゆっくりできる環境で別のことができたらいいなというのもあって」
「空気とか水とか土とか景色だったり、星空もそうだけど、誰もお金を出して買えるものじゃないけど、すごく価値のあるものなんじゃないかなと」
新型コロナの影響で進む地方移住。県内でもかつてないほど期待が高まっています。